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心配いらないのです

前回のあとがき?なのです。みんな飛ばすかな?

 「皆様、お騒がせしましたわ」


 「お話はお出来になりまして、カトリーナ様」


 「ええ、キャロライン様。貴女様やアナスタシア様などと比べるのもおこがましい、辺境出身の卑しき者ではありますが、お話は出来ました。ですがやはり、王都に住む貴族の子女に相応しい対応はお出来にならない様です。

 ですが、先程も皆の前でルイネス様が仰られた、学園では庶民などとも平等にと言うお言葉からもわかる通り、それだけの理由では辺境へお帰り頂く事など出来ません。幸い私とは其処まで相容れないという事は御座いませんでしたので、皆様に迷惑がかからぬ様、私が責任を持ってお預かりしましょう。なので今後、あの方に関する問題が起きた際は、私にお伝えください。私の方で対応いたしましょう」


 「それで宜しいの、カトリーナ様。道理の分からぬ方の対応は大変でしてよ」


 「ご心配ありがとう御座いますわ、アナスタシア様。上手く図らわせて頂きますわ」


 「あ~、カトリーナ嬢。そのご令嬢を預かる件だが、皆の前で口を出した事でもあるので、此方で対応しても良いと、そう思っているのだが」


 「無礼を承知で申し上げます、ルイネス様。貴方様方、学園を代表される殿方が、一人の子女だけを保護したとなれば、他の生徒達からも、要らぬ嫉妬などを買う恐れもあります。なので、彼女の事をお思いならば、此処は同性である私にお任せ願えませんか?決して悪いようにはしないと、お約束しますので」


 「フェリノア嬢。其方としてはそれでよいと思うか?」


 「カトリーナ様とお話させて頂きましたが、大変優しい、思いやりのある方だと思います。なので、そう仰って頂けるのであれば、お任せしようと思います」


 「ここまでの事を言った後で心苦しいのですが、ルイネス様にお願いが御座います」


 「何であろう、カトリーナ嬢」


 「フェリノア様は家からの通学が叶わぬ為、王都に初めて来られたにもかかわらず、寮でお暮しになっているとお伺いしました。幸い公爵家とはいえ、家の中での地位は私はそれほど高くはありません。なので、お預かりすると言った手前、寮での生活でも迷惑がかからぬ様、配慮したいと思うのですが、私から家長に申し出せば、立たぬ波風を立ててしまいます。なので宜しければ、無礼な申し出とは思いますが、王家に準ずるどなたかからか、私が寮に入る事、お口添えをお願いできないかと」


 「そこまで貴女が考えてくれているのなら、是非はありませんよ。元よりこちらが保護しようとしたのです、出来るお手伝いであれば、させて頂きましょう。それに貴方は二人でお話されてから、私から見て良い方に印象が変わられた。充分信用に値すると思う。なのでその件はお任せください、早めに対処いたしましょう」


 「ありがとう御座います、ルイネス様、皆様方。長らくこの場に留め起き、要らぬお時間を取らせてしまいました。皆でこの場をさり、戻る事に致しましょう。フェリノア様、お話はつきました。何時でも御頼りくださいね」


 「ありがとう御座います、カトリーナ様。なるべくご迷惑を掛けぬ様、努力しますわ」


 「では」


 最後に一声かけられて教室の方へともどられた、カトリーナ様。あれ咲姫ちゃん?などと思いながら見送っていると、お話の済んでない、後方からお声が掛かります。


 「ねえ、フェリ。大丈夫だった?カトリーナ様から酷い事とか言われてない?なにせ1クラス全員を抜いての学年一位だもの。あ~一緒に行ってあげられたら庇ってあげられたのに、無理かもだけど」


 「エリ、そんなに言い続けたら、フェリさん返事できないよ。ごめんね、心配してるだけだから」


 「ううん、エリさん、メルさん、クラスメイトの残ってくださった皆様も、本当にありがとう御座います。でも、先程カトリーナ様が言われた通り、結構気の合う方でしたので、問題はありませんでしたよ」


 「あれ、カトリーナ様は相容れない事はない、と言ってたような?」


 「あれはあの方の他の令嬢に対する照れ隠しです。素直に言えば対立するかもしれないので言葉を選ばれたのでしょう」


 「あれだけの間で、それ程の事が判ったの?」


 「ええ、端々に出てらっしゃったでしょ。問題が有ったら私に、とも、寮に一緒に、とも。判りずらくとも言われている事の本質は、私と仲良くしていたいということです。他は問題ではありません」


 「そうなの?」


 「なので大変ですよ」


 「なにがなの、フェリ」


 「この仲良しの私達のとこに、あのお方もこれからはお話に来られるという事です。仲間外れになどしたら、それこそ大変ですよ」


 「え~、脅さないでよフェリ。真剣に聞くけど、あの方、本当に大丈夫?地位が低いとかで話を無下にされたりはしない?」


 「絶対にそんなことはされません。なので、もし2クラスにあの方が訪ねられたら、クラスの皆も快く迎えてくださいね」


 「「「は~い」」」


 周りが、段々賑やかになっていきますね。心地いいです。

楽しく読んでいただけたら幸いです。

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