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3/198

サイド:????

ちょっと、周りのお偉い様の見解を挟んでみました。

 コンコン、というノックの音と共に執事からの声が扉の向こうから掛かる。


 「失礼します。辺境伯様がお見えになりました」


 「ご苦労、通してくれ」


 ドアが開き、大柄の男が部屋に入ると、一緒に居た執事がこちらに向け礼をして控えようとする。なので、


 「話があるので、外で控えてくれ。この者相手に用心は無用だろう」


 そう告げると、静かにもう一度礼をし部屋を後にしてくれた。見れば直後にお互い堅かった顔が笑顔に変わり、遠慮のない会話に入る。


 「久しいな。元気だったか」


 「ああ、お陰でな。何時もの助言本当に助かっている。で、ちゃんと此方に出立してくれたか?」


 「キチンと馬車で通過したぞ。今日か明日にでも王都に着くだろう。お嬢の領地からは寄り親の我が家の領地を通らないとならないからな。領民が通り過ぎた後の馬車に皆で頭を下げるんですぐわかる」


 「通過する前からでなく?」


 「ああ、後だ。お嬢本人が畏まられるのが大嫌いだからな。それでも領民の感謝は変わらないから、こっそりとでも頭を下げる」


 「そうなのか」


 「幼いころから変わり者のお嬢は、農民に交じって開墾や農作業をやってたからな。地元では皆家族扱いだ。あの見かけだからな。何処に居ても目立つ。上二人の姉は農民に見向きもしなかったからな、なおさらだ。五歳の時父親に連れられて挨拶に来た時は驚いたが、後で聞けば納得だった」


 「うん?何がだ?」


 「父親が挨拶に顔を出すのに着いてきたのではなく、親に挨拶に連れて行けと強請ったそうだ。娘が言うには今、繋がりを作っておかないと大変な事になると」


 「それは・・・・」


 「で、その後はお前も知っての通り、開墾、食糧危機、流行病、判っていたかのように対処法を伝えてもらった。お陰で助かった辺境の者達はお嬢の事を先見の聖女と呼んでいる。私もあながち間違いではないと思ってるがな。ま~当人だけがそれを認めん」


 「周りから見たら恐ろしいな。知識だけならいざ知らず、対処法もだからな。麦の余剰を二年前から買い占めるよう言ってきたら冷夏で大不作、いきなり薬草を森で集め出していると噂を聞けば、薬を作り出しこれが必要になるからとレシピごと、お前経由で渡して来れば、秋には流行病の大流行だからな。助かった反面、報いることが出来ず、悩みが増える」


 「うちとしてもバカな中央の法衣貴族や、地方に領地が有るくせに代官任せでずっと王都に居る奴に、お嬢の実家の悪口を言われているのを聞くたびに、お前らの首をはね、正当な報酬としてすげ替えたいと何度思った事か」


 「ま~それに関しては俺も同じ意見だが、本人が望んでいないし、真実がしれれば、守るのが途轍もなく大変になるのが目に見えてるからな~。ちゃんと我が家の息子が見る目があってくれて、相手として選んでくれれば、何としても養子縁組でも何でもして迎え入れるんだが」


 「それに関しては、うちの息子も一学年上とはいえ、同じ学園にかようのだ、幼馴染でもあるし頑張って欲しいのだが・・・、お嬢がなぁ~まだまだそっちに意識をむけん。というかわざと躱してる感じだしな」


 「それにあの見かけがな。国広しといえどあの真っ黒な髪と瞳は他にはいないので、兎に角目立つ」


 「神官曰く基本、人は生まれたばかりは属性はなく白髪なのだそうだ。それからは育ち方により王家にはよく出る金系は光属性の影響で、それに炎の二属性だとストロベリーブロンドで氷だとプラチナブロンドと王家に関係の深い公爵家によくでる髪色になる。庶民何かは一属性が主なので、単色系で土が茶色、水が水色、風が翠色、火が赤色となって現れる。良く勘違いされるのが、お嬢が闇系じゃないのかと。白髪に闇系だと灰色の髪で国民に偶にいるのにな。答えは魔法全属性が混じるとああなる可能性があるそうだ。真っ黒なのに輝きのあるあの髪色に」


 「全属性使えるのか?」


 「本人に聞いたところ、魔法の属性に好き嫌いはありません。そう答えておったよ。まるで自分以外が好き嫌いで魔法を選択している様な口ぶりだった」


 「今の学園で目立つのは、うちと隣国、それにお前のとこ、宰相、騎士団長から令息が、国内に三家しかないのに公爵家三家から令嬢が通う事になってる。各家の家長にはあの目立つお嬢にちょっかいを掛けぬ様、事前に連絡はしておいたが、自意識過剰の令息令嬢が居ないとも限らん。なるべく秘密裏に守れるよう手を打とうと思っている」


 「そこは全力でうちとしても頼む」


 「「ああ、今からの五年間王都が平和であります様に」」

楽しんで読んで頂けたら幸いです。

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