今週の行事なのです
テストと部活紹介の予告なのです・・・予告ですよ・・・本番、かく?
「おはよう~フェリ」
「おはようございます、フェリさん」
「お二人とも、おはようございます。相変わらず、仲良く登園なのですね」
「うん、ま~家も近いし、幼馴染だからね」
「お家の商売も似たようなもので、親同士も仲がいいですから」
「そうなのですね、それは行き帰り退屈しないでいいですね」
「それはそうと、先週末、どんより落ち込み気味だったの、少しは浮上した?どっちにも見える顔色してるけど」
「え~と、まあ。昨日軽く身体を動かしましたので、先週末の件の気晴らしは済んだのですが・・・」
「どうしたの?」
「私自身が幼い頃より励んできた格闘術が、幼馴染の侍女に受けが悪くて。変な体操とか言うのです。なので、此処はひとつ目を引く技でも編み出そうかと・・・」
「あ~、フェリ」
「はい?」
「目立ちたくないんでしょう?止めといた方が良いよ」
「そうなのでしょうか?」
「そのフェリの幼馴染、その子が驚くほどの技なんか作ったら、多分大騒ぎになると思うから」
「う~ん、実践的には威力はあるのですが、演武的には地味なので、そこを改善すればいいかなと、いくつか案はあったのですが、止めた方がいいですかね?」
「私は止めた方が良いと、周りの人達の為にもそう思うよ」
「判りました。案は案として考えるだけにしておきます」
「考えはするんだ、フェリさん」
朝の挨拶みたいな会話を終わらせ、席で授業の始まりを待ちます。すると、予鈴と同時の教室への入室。うちの担任は、廊下で鐘を待ってるのではないかと思います。
「よ~し、皆おはよう。欠席者もいないし、早速伝えとく。今週は学園自体の行事が二つほどある。先ずは明後日、実力テストだ。皆が入学時、どれ位の学力があるのか確認する為のもので、2クラスでは目安みたいなものと考えてくれ。当然、1クラスの様に入学前に学んでいる者達とは違うと思うので、気楽にな。とは言え、まったく手つかずというのも何だから、過去どんな問題が出たか位は判る、書いてある用紙を配るので、目くらいは通す様に。
次に週末だが、一日使い生徒総会だ。講堂に全生徒集まり、初めに生徒会メンバーが、自分たちが今年行う仕事内容を発表する。これは新たに選ばれるメンバーや、来年以降に活動する者への指標だな。毎年生徒会がどういう事をするかの説明と、生徒達に対するアピールみたいなものだ。
それが終われば、課外活動の紹介だな。うちの学園は、課外活動は、運動系も含め沢山あるが、強制ではないので、興味のある活動があったらでいいので、見ておくように。ただし、強制ではない分、上級生の勧誘は熱が入ってるぞ。代表的なのは、馬術部や魔術部だな、1クラスの者に人気の様だ。で、2クラスだが、課外活動は事情で入れないものが多いが、探索部なんかあるぞ。活動内容は紹介の時の興味が薄くなるといけないので今は省くが、跡目をとれない貴族や商人の子弟に人気がある。
それと、注意事項だが、課外活動と生徒会は別物だからな。生徒会メンバーに入るものが、課外活動にも入っていることもあるが、ま~うちのクラスで生徒会入りはない事なので心配いらないだろうが、活動時間に限りがあるものは充分注意する様に。以上だ」
週の初めのランデル先生の言葉に、クラスの皆引き気味ですが、授業の終わりまでは、大人しくしている様です。終わるまで、でしょうが。
「フェリ~、実力テストだって。そんなのあっても、判る訳ないよね。ね。どんな実力示せってのよ、学園入ったばかりなのに」
「だから先生言ってらしたでしょ、エリ。今の時点がどの位か見るだけだって」
「そうですね。それに親切にも過去の問題を教えて下さるそうですし、少しは解ける問題も出ると考えればいいのでは」
「でも、成績張り出されるんでしょ、廊下の掲示板に」
「聞いたところ、上位者だけだそうですよ。それも、十名ほどの。高位貴族の方でも全部を表示すると問題のある方も過去いたそうですし。二十名なら1クラス全部だったのでしょうがね」
「下手して、2クラスに負けてる方でもいたら、問題だもんね、判る、判る」
「まあ、受けるだけで大丈夫と言われてますし、テストは良いとして、生徒総会?と課外活動紹介とはどんなものなのでしょうね。私としては、通園にそれ程時間がかかりませんので、これは、というものが有れば、覗いて見る位はしてみたいのですが・・・」
「何か気になる?」
「先生が上級生の熱意が凄いと。なので、覗けば入部させられそうで」
「あ~それは怖いわよね。上級生に囲まれて、入ってと言われ続ければ」
「ですね。なので、余程興味を引く物でなければ覗かないのが正解かと、今話してて、思い直しました」
「クラスの他の子の様子を見てからでも良くない?」
「それもそうですね」
学園生活。行事が沢山ありそうで楽しみですが、やり直しできないのですね。リセットがあれば。
楽しく読んでいただけたら幸いです。




