あとの祭り?なのです
前回の普通モードは、嵐の前だったのです?
皆での食事も終わり、食堂を出て教室に戻ろうとしたところ、つい最近お会いしたばかりの方に再遭遇です。
「やあ、フェリノア嬢、お友達と食事してたのかい」
「ロイス様、ご機嫌麗しゅうございます。仰った通り友人たちとお食事をしておりました。ロイス様はお一人で?」
「いや、いつものメンバーだったんだが、他にもいてね。どうにも苦手な者達なので、食べ終わり次第逃げてきた。それより、あれから父や兵たちに聞いたよ、嘆きの森の事。一人で潜ってる友人がいるが、どの位の強さならいけるだろうか、と訊ねたら、どれ位になろうとも、一人では無謀、単なる自殺志願だと言われたよ。生活の為とは言え、改めて君の努力の凄さがわかったよ。なので良かったら、学園の長期休みの時、辺境へ行けたら、少しだけでも案内してもらいたい。無謀だとは思うが、一度は体験してみたくてね」
「ロイス様が大変な努力家であることは存じておりますので、構いませんよ。自分の目標に向かっていける方は大変好ましく思いますので、何時でもお申し付けくださいませ」
「では、その時になったらお願いするよ、よろしく頼む」
本当に辺境までは来られないと思うので、この前の反省を含めた社交辞令?をお話されているのを聞いていると、お二階より、目立つ方達の集団が降りていらっしゃいました。
「おいおい、ロイス。華やかな女性陣を押し付けて逃げたかと思えば、抜け駆けして自分だけ仲良くなろうとしてるとは、親友とは思えない行為だな」
「何を言ってるんだ、ルイネス。もともと、その後ろに居る女性陣は君の担当だろう。私には煌びやか過ぎて、気後れしてしまうんだ」
「ルイネス様、ヨシュア様、ご令嬢の皆様方、ご機嫌麗しゅうございます」
「やあ、フェリノア嬢。この前最後に掛けてもらった言葉、キチンと考えさせてもらった。私の行ないに反し思いやる心、自分を見直すには十分な出来事だったと思う。本来ならあの時言わなければならなかったのだろう、済まなかった。それと、ありがとう」
「いえいえ、ルイネス様。私の様な者の言葉を真摯に受け止められる方なれば、すぐにお気付きになられたでしょう。差し出がましい言葉でした。その様なお方が王子でいらっしゃるこの国は、将来においても明るい事でしょう」
「幼馴染や君が、見限らずそう言ってくれている限り、最大限努力していこうと思う」
「両陛下や、幼馴染のお二方、国民の皆も、喜んでいると思います」
「ルイネス様、私達をおいて先程から話せれている方は、何処のご令嬢ですの。あら、貴女。見覚えがありますわ。名は覚えてはおりませんが、この前アナスタシア様にお名前を名乗られていた、取るに足らぬ田舎のご令嬢でしたね。この方々は貴女がお話できる様な身分の方で話ありませんわ。身の程を弁え、この場から早々に立ち去りなさいませ」
「こうやって他の者が話す同じような言葉を聞くと、いかにこの前私がしでかした事が愚かな事だったか嫌でも分かるな。キャロライン嬢、こちらのフェリノア嬢には私達三人が話す事があり、此方から声を掛けているのだ。すまないが、それが気に入らないのであれば、今回は貴女が去ってはくれないだろうか」
「な、何を仰います、ルイネス様。どちらが大事かお判りでしょう」
「ルイネス様、申し訳ありません。キャロライン様の仰る通り大勢の集まるこの様な場所で、お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。今日はご令嬢方がご一緒の様子、なので今度、貴方様が庶民の話を聞く機会が御座いましたら、またその時はお話をさせて頂きたく思います」
「ルイス、君の事を考えフェリノア嬢がこう言ってくれているのだ。この場は」
「しかし、ヨシュア、それでは・・・。そうだな。フェリノア嬢。また機会が有ったらその時は皆で楽しく話そう。では、行こう、皆」
食事をしていたメンバーと通路の場所を避け離れると、校舎へと向け、二階から降りてきた集団で立ち去られました。
「エリもメルも、私だけを差し出して、黙ってるなんて、あんまりです」
「いやいやいや、フェリ。あの方達のお話に入っていける人なんてそうそう居ないって、なあ、メル」
「そうそう、エリの言う通り、話し掛けられないわ。第一マリエラ様も会話しておられません」
「いえ、マリエラさんは、ああいう時会話に入らない様、昔きつく私がお願いしましたから。なにせ、私が少しでも悪く言われようものなら、自分の身を顧みず、どなたが相手でも言い返されますので」
「そ、それは・・・」
「はい。大変嬉しくはあるのですが、彼女自身も大切にしてほしいので、危険な事はさせられませんもの。それにしても・・・はぁぁ~~~」
「どうしたの、フェリ?」
「今朝、平穏を願いましたのに。また向こうから来てしまいました」
もう話し掛けには来ないと思ってましたのに。平穏は何処?
楽しく読んでいただけたら幸いです。




