お友達とお昼をいただくのです
日常なのです。特別感ないです。
今朝も他の生徒より早い時間、学園へと登園しています。
リリとは学園前で別れ、ルンルン気分で教室へと廊下を進みます。スキップでもしたい気分で・・・してないですわよね、と周りを確認しつつ辿り着くと、指定の席へと座りました。この静かな雰囲気、いいですね。などと考えながら、クラスメイト達が来るのを見守ります。
「フェリ~、おはよう。なんかものすごく機嫌が良さそうね」
「エリさん、おはようございます。メルさんも、ご一緒ですね。おはようございます」
「フェリさん、おはようございます。エリの言う通り、本当に機嫌が良さそうですね。昨日あんな事があったのに、大丈夫だったのですか?」
「そうそう、メルとも心配はしてたけど、お相手がお相手でしたので、野次馬的なものは、私達は控えたんだけど、どうなったの。今の顔を見る限りは大丈夫そうだけど」
「変な誤解をされていて、確認の為お呼び出しされたみたいですが、お話して分かって頂けて、誤解は解けたみたいでした」
「それがその笑顔?」
「私は田舎から出て来ましたので、王都ではなるべく目立たない様に過ごそうと・・・」
「「「「ぶっっ~、あ、あれで目立たない・・・」」」」
「ねえ、エリ、メル。皆さん急に笑い出しましたけど、今何かありました?」
「・・・いや、何もないと思うから、話を続けて」
「そうそう、エリの言うとおり、気にしないで」
「そうですか?それで王都では目立たない様過ごそうと、侍女の子と日々話してたのですが、今年の学園は、殊更注目を集める方達が、例年より多く入学されているのです。なので、なるべくならば、その方達とは関わらない様にしようと心掛けていたのですが・・・」
「ですが?」
「ご存じの様に、その中の数人ですが、中心的な方が、昨日向こうから会いに来られ困惑しました。が、先程も申し上げましたように、お話で無事解決出来ましたので、当初の予定通り、穏やかで平凡な生活に戻れると喜んでいるところです」
「え~と、フェリ。無理だろうとは思うけど、穏やかで平凡?な学園生活が送れるといいわね」
「そうね、エリのいう通り過ごせるといいと思います」
「お二方。何故、無理だと思われるのです。私、性格的に大人しい方だと思うのですが」
「「何もしなくても、目立つから」」
「え?」
「多分、フェリはコソコソしてても、堂々としてても、変わらず目立つと思うよ。生れた時からそういう存在なんじゃないかな」
「そ、そんなまさか。田舎では家族の様に思われてはいたと思いますが、目立っていたのとは違うと思うのですが」
「頑張って、フェリさん」
そんなダメージ受ける言葉を友達に掛けられつつ、午前中を過ごし、お昼休み。
「フェリ、メル。昨日言ってた様に今日は、食堂に行ってみようよ」
「そうですね。まだ、使ったことがありませんものね。なんでも一階が各学年の2クラスで、二階が1クラスメンバー専用だとか?」
「そうらしいです。やはり高位貴族様はご自宅で良いものをお召し上がりなので、庶民と同じ料理とはいかないらしく、値段は高いのですが別にご用意されているとかで、お二階だそうです」
「私達は、一階で出される料理でも十分だとおもうよ。なぁ、メル」
「そうですね、エリ」
「では、学園食堂初体験に、皆で参りましょう」
建物自体が別の場所にある、その敷地に時間を無駄にしない為、急ぎ足で向かうと聞き慣れた声が聞こえます。
「あ~、フェリさま~です~、やっとお昼に~会えたのです~。ご一緒するのです~」
「マリエラさん、ストップです。ここは学園のそれもお昼の時間です。いつもの様に抱きついて来ない。皆見てますよ」
「気にしないのです~。フェリさまと一緒なら~、後はどうでもいいのです~」
「え~と、フェリ。こちらもしかして、マリエラ・オークランド様?大商会の?」
「そうそう、エリ、メル。こちら、幼馴染のマリエラさん。マリエラさん、こちら、この前、寮の夕食の時お話した、新しいお友達の、エリザさんと、メルシアさん」
「マリエラ・オークランドです。フェリさまのお友達ならば、私の事はマリエラとお呼びください」
「よろしくお願いします、マリエラ先輩。エリザです」
「よろしくお願いします。マリエラ様。メルシアと申します」
「では、挨拶も済んだ事だし、皆さんでお昼をいただきましょう」
「紹介が軽いわね、フェリ」
「そうですか?マリエラさんとは幼いころから仲がいいので、特別付き合い方に気を付けるとこなどない方ですよ。自然の付き合いで大丈夫です」
「そうです~、フェリさまとは~大の仲良しなのです~。間違いないです~」
「続きは、此処でではなく、食事をしながらする事にしましょう」
「「賛成です」」
新旧、お友達と楽しくお昼を頂きました。一階で出される料理はリーズナブルな割に、美味しかったです。流石国立の学園の食堂です。
楽しく読んでいただけたら幸いです。




