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見て回るのです

見て回るだけ、なのです・・・

 「ふう~、気を取り直して、次に行くわよ、次に」


 「いいけど、どこ行くの?咲姫ちゃん」


 「アクセサリーのお店か、雑貨屋さんか、魔道具屋さん。どこがいい?春香」


 「アクセサリーのお店に行こうよ。まだ行った事ないんで、そこが良い、咲姫ちゃん」


 「取り敢えず、行く前に聞いておくけど、アクセサリーも作ってるとか、言わないわよね、春香」


 「え、作ってるけど、咲姫ちゃん」


 「じゃあ、何で見に行くのよ、わざわざ」


 「え~とね~、専門店を見た事ないからだよ。前世では、外出できなかったから、行けなかったし、辺境にはそんなお店なかったから」


 「じゃあ、どうやって作ったのよ」


 「オークランドさんに頼んで、色んな種類の物を、一つずつ見せてもらったんだ。腕輪とか、指輪とかネックレスとかをね。最初は買い取る気で頼んだんだけど、扱っている商品を見せてるだけだから、買い取る必要はないって言ってくれて、その上、作ったら売ってくださいって、言われちゃったんだ」


 「見せて下さいって、言った時点で、オークランドさんにはばれてたんだね、作りたがってるの」


 「だってね、開拓村の女性たち、朝から晩まで一生懸命働いてくれてるのに、ううん、働いてるからこそ、他所の街になんか行く暇なんてなくてね、ゆとりが出てきても、買えなかったんだ。だから、私が作って、安く売ろうかなって、そう思って」


 「だったら、オークランドさんに頼んで、それこそ村の人に売ってもらえばよかったじゃない、春香」


 「え~とね、咲姫ちゃん、見せてもらった時にね、値段聞いたんだけど、高いんだよ、凄く。ゆとりが少しは出来たって言っても、開拓村だもん、贅沢するほどじゃあないから。だからね、私が作れば安く出来るから、そうしようかと」


 「まあ、そういう事だろうとは、思ってたけど、良く作れたわね」


 「鍛冶もしてたんで、何とか出来たよ、咲姫ちゃん」


 「待って、春香、何で鍛冶なんかできるのよ」


 「辺境伯様の街にある鍛冶屋さんを覗きに行った。追い返されると駄目だから、叔父様の紹介状をもってね。そしたら、丁寧に教えてくれたんだ~色々とね」


 「まあ、領主様の書状なんて持って行けば、そうなるか。で、教えてもらった後、自分で試した、という事?」


 「うん。森の奥にある拠点に、同じ様な設備を作ってね、そこで作ったんだ、咲姫ちゃん」


 「ああ、そういえば、基礎能力あげた時、使ってた武器、手作りだって言ってたわね」


 「うん。その習った鍛冶屋さんの武器を見たけど、森の奥の魔物には通用しそうになかったから。どちらかと言うと、そのお店、包丁や鍋なんかの、日用品の鍛冶が中心だったから。叔父様もまさか武器なんか作るつもりだって思ってなかったからかも、そのお店紹介してくれたの」


 「まあ、普通はね。で、材料はどうしたの、春香?」


 「森にある、崖の様なとこに取れるとこあったから、自分で掘ったよ、咲姫ちゃん」


 「色んな事しすぎじゃない?春香」


 「そんな事ないよ~、特に鍛冶は基本中の基本だったよ。だって、料理するにしろ、魔物倒すにしろ、魔道具作るにしろ、その為の道具が必要になるから」


 「まあね、全てを自給自足しようとしたら、最終的にはそこに行きつくのね。でも凄いわね、魔物倒して、鍛冶をして、開拓村を街の様にして、小道具まで作るなんて。もしかして、病用の薬もそこで?」


 「うん、勿論」


 「時間足りなさそう、それだけの事に、手を出すと」


 「実際、そうだったよ。もうね、考えるより実行、って感じで色んな事したよ。一つ始めるとね、それがある程度できるまで、熱中しちゃうから。だから、学園に入る日まで、暇だなんて思った事は一度もなかったかな~」


 「でしょうね。でも、無理し過ぎだよ、春香」


 「う~ん、でも、開拓村の人達も、最初に来た時なんか、皆死に物狂いだったよ、生活する為に。なにせ、悪い年なんか、餓死する人が出てたって聞くくらいだったからね」


 「そう・・なんだね。王都のお屋敷で暮らしてた私では知りようもないか、そんな事まで」


 「まあ、ゲームでも開拓村の過去の話なんて、出てこなかったしね。ただ飢饉の際の食料になる物や、流行病の薬の材料になる物があるけど、途轍もなく魔物が強い森としか出てこないしね」


 「そうね、まあ、その話はまた、夜にでもじっくり聞くとして、専門店を見に行きましょう。まあ、あんたが作ってるのより、良い物があるかは判らないけど、ね」


 「え~と、あるんじゃない、かな?」


 「春香は作る時どうやって、デザインなんか考えたの?」


 「オークランドさんに見せてもらったのを、前世でテレビや雑誌なんかで見た物を参考に作ってみたよ、咲姫ちゃん」


 「それは、村の女性陣も、オークランドさんも、とても喜んだでしょうね」


 「良く判ったね、咲姫ちゃん。凄く喜んでもらえたよ」


 「でしょうね、まあ、良いわ、見れば判ると思うし」


 そう言って連れていかれたお店は、少しは見るものがあったけど、手を出したいと思う程の物はなくって、結局何も買いませんでした。私の横で呆れてる、咲姫ちゃんの顔が。今から行く他のお店もかな、なんて思ってたら、周り終えた頃には、疲れ切った様な感じになってました。なんか、悪い事したかな?って思いながらも、気を取り直して、寮へと帰り、早速料理を開始します。それで、汚名返上、名誉挽回することにします。

 楽しく読んでいただけたら幸いです。

 励みにしたいと思いますので、よろしかったら、評価等々頂けたら嬉しいです。でも、くれぐれも酷評は避けてくださいね、お願いします。作者、メンタル紙ですので書く気力が・・・無くなる可能性があるのです。

 読み手様が増えてくれるのを願いたいです~。

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