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先ずは服、なのです

お買い物です。

 「え~と、先ずは基本の基本、服でも見に行こう、春香」


 「あ、服を見に行くなら、一軒知ってるところがあるんだ。そこに行きたいな、咲姫ちゃん」


 「変な、安い作業服みたいなのを、売ってる店じゃあないわよね?」


 「まさか~、ちゃんとしたお店だよ、咲姫ちゃん」


 「そこまで言うなら行ってみましょう、そのお店に」


 という事で、以前、制服を買いに行った、セシリーさんのお店へと足を向け、お店の前へと辿り着くと、


 「春香、何であんたが、こんなお店を知ってるの?王家御用達のお店だよ、ここ」


 「え~と、咲姫ちゃんは制服買ったの、ここじゃないの?私はここに取りに行くように、辺境伯の叔父様に言われてたから、ここで買ったよ?」


 「あ~、うちの様な公爵家になると、採寸も配達もお店の方が、家の方に出向いてくるから。わざわざお店には来てないわ」


 「そうなんだ。私はエミリア様に案内してもらって、自分で来たよ、ちゃんと」


 「で、どうだった?良い服あった?」


 「いっぱいあったよ。でも、やっぱり王都だからか結構凄い値段だったよ、咲姫ちゃん」


 「いやいや、春香。ここ、王家御用達、王都の中でも高いお店なの」


 「そ、そうなんだ。そんなとこで制服作らせるなんて、学園って貧乏な人には優しくないね、咲姫ちゃん」


 「いや、今のとこ、そんな貧乏な人は学園に居ないから。というか、入学できないから」


 「私は入れたよ、咲姫ちゃん」


 「あんたは特別待遇でしょうが。辺境伯様と王様の推薦だもの、寮費も学費も免除なんだから。そんな生徒は他には居ないの、判った?」


 「じゃあ、貧しい人は入れないって事?」


 「あんたが今、前例を作ってるから、今後は優秀な子供なら入学させるかもしれないわね。でも普通は、貧しいなら、食べる為に仕事しなくちゃぁならないでしょ。学園にくれば学ぶことは出来ても、その間収入が無くなるんだもの。貧乏な子が、五年間も仕事もせずに、暮らせると思う?」


 「悲しいけど、そういえばそうだね。前世の様に特待生の制度があって、スポンサーが居ればいいのにね」


 「平民の優秀な子供を見つける手立てを、領地貴族が持ってるはずないもの。無理な話だよ、春香」


 「う~ん、でもいずれは、どうにかして行きたいね、咲姫ちゃん」


 「まあ、その話しは置いといて、お店に入るわよ。いつまでも此処に居ても、邪魔にしかならないから」


 「そうだね、入ろう、咲姫ちゃん」


 そうして、お店の前での会話を止めて、中に入ると、


 「「いらっしゃいませ、ようこそいらっしゃいました~」」


 「あ、フェリ様だ、いらっしゃいませ」


 「フェリ様、いらっしゃいませ」


 「ティファさん、エレナさん、お久しぶりです。今日は友人と寄らせて頂きました、宜しくお願いします」


 「「はい、ありがとう御座います」」


 「少しお待ち下さね、店長を呼んできますから」


 「い、いえ、お気遣いなく。お忙しいでしょうから、わざわざお呼びしなくても、大丈夫ですよ」


 「駄目です。フェリ様がきたら、声を掛けるよう言われてますから。エレナ、お相手お願いね、私呼んでくるから」


 「任せて、ティファ」


 「春香、あんた何でこんなに仲いいの?制服取りに来ただけよね?」


 「一応、リリに言われたから、私服は五着ほど買ったよ、ちゃんと」


 「着てるの見た事ないけど?」


 「普段使いするの、もったいない気がして」


 「買ったら、ちゃんと着ないと。タンスの肥やしにしている方が勿体ないの、判る?春香」


 「はい、判りました、咲姫ちゃん」


 「もっと、言ってあげて下さい、カトリーナ様。じゃないと、治りませんから、お嬢様の性格」


 「そんな事ないよ~、リリ」


 「そんな事あります、お嬢様」


 「まあまあ、ようこそいらっしゃいました、フェリ様。今日はご友人と一緒とか?あら、もしや、メルヴィン家のカトリーナ様ですか?ご挨拶が遅れ申し訳ありません、この店の店主でセシリー・オルコットです。メルヴィン家の方々には、いつもご贔屓にして頂き、ありがとう御座います」


 「セシリア・オルコット様、カトリーナ・メルヴィンです。フェリノア様の友人ですので、彼女同様、気楽にカトリーナとお呼びください」


 「承知しました、カトリーナ様。フェリノア様、凄いご友人をもう作られたのですね、素晴らしいですわ」


 「はい、彼女とはとても親しくさせて頂いてます。ですから、この前のように、このメンバーには、お気遣いは要りませんから」


 「そうなのですか?公爵家のご令嬢なのにですか?」


 「はい、構いません。気を使われると、かえって居心地が悪くなりますから、私達。だよね、カトリーナ様」


 「そうね、フェリノア様。その方が、お買い物を楽しめるわね」


 「承知しましたわ。でしたら、前回同様にお相手させて頂きます。では、ティファ、エレナ、お似合いの服を一緒に選んであげて下さいね」


 「「承知しました~、セシリー店長」」


 「フェリ様、今日は何着くらいのご予定ですか?」


 「え~と、この前買いましたので、一着か二着くらい、かな?」


 「却下します、フェリノア様。もっと買いなさい」


 「え~、でも~」


 「お嬢様、お店ごと買っても、まだ余裕があるのですから、気に入ったものは、全て買われても良いと思います」


 「リ、リリ、咲姫ちゃんの前で、なんてことを」


 「ふ~ん、そんなに持ってるんだ。じゃあ、遠慮なく私も選んであげるわ。ティファさん?とエレナさん?も遠慮なくフェリノア様に似合いそうなのを選んで来てね」


 「「はい、承知しました、カトリーナ様」」


 前世病院着、今世、開拓村の作業服が標準装備の私には、贅沢な沢山の服の必要性が判らないのです。まあ、本やテレビで、世間の女子がお洒落好きなのは、知ってはいるんですけどね。でも、どうしましょう、この服の量、身体は一つしかないいんですけど。何着買うの?咲姫ちゃん。

 楽しく読んでいただけたら幸いです。

 励みにしたいと思いますので、よろしかったら、評価等々頂けたら嬉しいです。でも、くれぐれも酷評は避けてくださいね、お願いします。作者、メンタル紙ですので書く気力が・・・無くなる可能性があるのです。

 読み手様が増えてくれるのを願いたいです~。

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