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帰り支度なのです

やっと戻るのです

 「フェリノア嬢、ありがとう。おかげで、充実した夏季休暇を過ごす事が出来たよ」


 「ルイネスの言う通り、良い休暇だった。言い出したのが俺だったが、嘆きの森は想像以上に凄いとこだな。入り口付近であれとは、奥がどうなっているのか、想像すらつかん。だが、いずれはチャレンジできるように鍛えていくつもりだ。だから、その時は、またよろしく頼む、フェリノア嬢」


 「すまない、フェリノア嬢、ロイスがまた案内してもらえるのが、当たり前の様な事を言ってしまって。でも、私達三人とも、良い経験をさせてもらったのは事実、なので、その時、時間が許せば、また一緒させて欲しい」


 「あ、はい、判りました。ここには定期的に戻ってこようと思ってますので、皆さんと時間が合う時はご一緒したいと思います。ですが、私なんかで宜しいのでしょうか?他にご一緒したい方がいらっしゃるなら、無理に辺境に来られなくても良いと思うのですが?」


 「これから先の学園生活、どうなるかは判らないが、今はこうしている時間が、一番、私自身成長を感じられるのでね、良かったら一緒に過ごさせて欲しい」


 「ルイネス様まで、そう言われるのでしたら。学園の新学期までは、まだ少しありますが、これからも宜しくお願いします」


 「で、フェリノア嬢。他の者達も言っていたので、甘えて道具類を置いたままにしているのだが、大丈夫だっただろうか?」


 「あ、はい。必要ない建物は更地に戻そうかとも思っていたのですが、女子達皆も、レーネ様もまた来たいと言ってましたので、全てこのまま残しますので、大丈夫です。でも、皆にも言いましたが、大事な物はお持ち帰りくださいね、紛失などの責任は取れませんから」


 「まあ、村の皆さんとも交流したが、変な事をする様な人物は居ないみたいなので、大丈夫だろう?」


 「大人たちは、そうなのですが、子供達が探検と称して、村中を徘徊してるし、いたずら心で、隠したりするという可能性もありますので、絶対ないとは言い切れませんから」


 「そう言われてしまえば、そうかもしれんな。まあ、それ程大事な物は置いていないので、大丈夫だ、フェリノア嬢」


 「まあ、そこまで言われるのでしたら、構いませんが、皆様、また本当に来られるつもりなのですね」


 「当然だぞ、フェリノア嬢。これ程短期間でも成長を感じられるような、修行の場所は他にはないからな。まあ、当面は私達だけでは入れない場所なのだが、いずれは君の様に入れるようになって見せるさ」


 「ロイス様、カイル様もそう仰って修行なさってますので、お互い頑張ってくださいね」


 「そういえばそうだな、カイル先輩の故郷でもあったな。でも、今回は顔を出されなかったみたいだが?」


 「えっと、今回の私達の帰郷の間は、王妃様達も来られてますので、顔を出さない様、辺境伯の叔父様に言っておきましたから、叔父様から止められたのだと思います」


 「そうか。学園の稽古の時は、顔を出すようなことを言っていたので、気になってね。それなら、私達が帰った後、顔を出されるかもしれないな」


 「かも知れませんね。でも、皆と一緒に戻りますので、私も会う事はないかもしれませんが」


 「それは残念がるだろうな。カイル先輩の目標はフェリノア嬢だろうからな」


 「それが嫌なのです。幼い頃から顔を合わせるたび、決闘、決闘と。女性に言う事ではないと思いませんか?」


 「ま、まあ、普通の女性ならそうなのだろうが、相手がフェリノア嬢だからな、判る気も・・・」


 「ロイス様、それは私が普通ではないということでしょうか?」


 「あ、いや、普通のご令嬢だな、うん」


 「まあ、アナスタシア様やキャロライン様、カトリーナ様には劣るかもしれませんが、普通の女子だとは思うのですが」


 「そ、そうだな、その通りだ、フェリノア嬢」


 「ルイネス様も、何か言い淀んでませんか?」


 「い、いや、そんな事はないぞ、フェリノア嬢」


 「本当にそう思っていらっしゃるのなら良いのですが。まあ、いいです。それでは、向こうにお送りしますので、各自持ち帰る荷物の準備をお願いしますね」


 「ああ、父上、母上に伝えに言ってる間には、済ませておこう」


 「はい、では、行ってきますので、宜しくお願いします」


 ルイネス様達に帰る為の準備をお願いして、その場所を出ると、次は陛下とレーネ様のいる場所へと向かいます。


 「あら、フェリちゃん。もうルイネス達には話して来たの?」


 「はい、レーネ様。帰る準備をするよう、お願いして来ました」


 「こっちも、エマが、侍女達に指示を出していたから、もうすぐ終わるはずよ。でも、名残惜しいわ~、もっと長く滞在していたかったわ、出来るなら。それに、フェリちゃんのご両親にもお会いして、お話ししてみたかったしね~」


 「え~と、レーネ様がそう仰るなら、次来る時には、母くらいは、内緒で来てもらう事にします」


 「御父君と、弟さんは?フェリちゃん」


 「その三人を呼ぶと、あと二人もついてきますので、お勧め出来ません」


 「私達にも失礼な事をしそう?」


 「レーネ様達にはしないかもしれませんが、私の事を話す言葉の印象は良くないかな~と。それに、王妃様や、侍女の方の私服や小物などを見たら、ゆとりもないのに買いたがり、両親に後で迷惑をかけることが目に見えているので」


 「大変そうね~。まあ、跡取りである弟君は、真面そうで良かったわ。姉二人だけなら、アレイシス家の将来が危ういところだものね」


 「まあ、その時は、しっかりした方を、姉が婿に向かえるか、最悪、両親が亡くなれば、家が無くなっても構わないとは思っていたのですが、しっかりした弟が出来たので、安心しています」


 「まあ、そんな反面教師の様な姉二人も、見てみたい気はするのだけれど、ご両親に迷惑をかけるのなら、駄目ね」


 「私も、レーネ様が是非と言われるのであれば、会わせても構わないとは思うのですが、考え方がとても幼い方々ですよ?」


 「そうなの?」


 「はい、自分が物語のお姫様だと思い続けてるくらい」


 「そ、それは凄いわね」


 「はい、それはもう」


 「エイレーネ様、もう直ぐ帰り支度は完了します。陛下自身は大丈夫なのでしょうか?」


 「あ、エマ、ご苦労様。すまないけど、あの人の様子を見て来てくれる?」


 「判りました、まだゆっくりしておられるようでしたら、急ぐよう伝えておきます」


 「お願いね、あの人には、私かあなたの言葉でないと、効き目がないから」


 「はい、承知しました、エイレーネ様」


 「じゃあ、フェリちゃん、こっちも終わりそうだから、ルイネス達を最初に送り届けてもらっても良い?」


 「はい、では、向こうに戻ってお城の方に送り届けて来ますね」


 「よろしくね、フェリちゃん」


 さあ、長い滞在でしたが、順番に戻る事にしたいと思います。先ずは王家の方々からですね。早速取り掛かりたいと思います。

 楽しく読んでいただけたら幸いです。

 励みにしたいと思いますので、よろしかったら、評価等々頂けたら嬉しいです。でも、くれぐれも酷評は避けてくださいね、お願いします。作者、メンタル紙ですので書く気力が・・・無くなる可能性があるのです。

 読み手様が増えてくれるのを願いたいです~。

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