未来の為?なのです
流石は王妃様なのです。考えるスケールが・・・
「今日も沢山、狩る事が出来たわね。楽しかったわ」
「少しづつですが、フェリノア様が仰ってた、基礎能力の向上が実感できるので、毎日が充実しています」
「「「ありがとう御座います、フェリノア様~~」」」
「いえ、私は皆さんを、ほんの少しお手伝いしているだけで、頑張っておられるのは皆さん自身です。なので、それ程感謝される事ではありません」
「いいえ、フェリちゃん、これは立派な貴女の功績よ。これは今まで誰も唱えなかった立派な理論だもの。このメンバー全ての能力向上が確認できたのですもの、間違っていない事が、証明されているわ。それに、初回の夜の魔法や薬の禁止ということも、結構重要ね。今までそれで、能力向上が弱まった者もかなりいるはずですもの。特に裕福な人ほど、その傾向は大きいはずよ、侍女なんかが付いてる方なんかはとくに、ね、フェリちゃん」
「はい、初回という事は、冒険者ならなりたての、他に仕事がない平民が多いので、魔法や薬での対処が出来ない方が多かったのだと思います。それが功を奏したのかもしれません、高位冒険者を作る礎になったのですから」
「それにもし、この方法が今後周知されたとしても、実行する方法が難しいことも考えないといけない事ね」
「あの~、王妃様、すいません。発言しても宜しいでしょうか?」
「ええ、構わないわよ。そんなに気を使わないで、アマンダさん、だったかしら?」
「あ、はい、アマンダと申します。先程仰った方法が判ったのに実行が難しいと言われたことが、どうしてなのだろうと、理由が気になりましたので、発言させて頂きました」
「それはね、フェリちゃんが言ってたのだけれど、初回の戦闘する魔物が強ければ強い程、恩恵が大きいという事ね。それは他の場所の魔物よりこの嘆きの森が、皆を体験させるのにベストだと、フェリちゃんが判断した理由だそうなんだけど、つまりは他所の領の者が手近な場所の魔物で行おうとしても、恩恵が小さいという事ね。で、もし、強い魔物を相手にしようと思ったら、高位冒険者をかなりの数用意して、安全を確保しなながら、毎回行う事になるのですもの。人数を揃える事も、費用を捻出することも、難しいはずよ。まあ、それを、この人数を連れて簡単にこなせる私の娘が凄いんですけど、他の方のもとには、絶対に派遣しようなんて思わないのですもの、難しいとしか言いようがないの」
「ありがとう御座います、王妃様。納得出来ました」
「そうだよね~、高位冒険者でさえ、集団で潜るこの森に、単独で挑めるのは、フェリ位だもの、瞬時に拘束したり、倒し方を個別に指導したりなんて、普通の人には無理だよね」
「私もそうだと思う、エリ。彼女あっての作戦だもの、他の方が真似ようとしても無理だとしか言えないね」
「でも、これは人材育成という面では、とても有効な理論だと思うの。これからこの国を豊かに変えていく為に、無くてはならない、ね。なので、どこまでの強さで、どこまでの恩恵を得られるかなどを、詳しく調査した後、その為にどの位の費用が掛かるかも調べないといけなくなるわ。それはもう、フェリちゃん個人でするには、無理がある事なので、私が引き継ぐことにします。良いかしら、フェリちゃん」
「はい、勿論です、レーネ様。私の事を思っての事ですから、否定する理由がありません」
「ありがとう、フェリちゃん。なら、この事は、あの人と、ゆっくり話し合った後、方針を決める事にします。それの効果がすぐ出る事はないでしょうが、何十年、何百年先、この国が豊かになった時、この事を考え出した人は、尊敬や名声を集める事でしょうね。まあ、もう生きては居ないかもしれないけどね」
「のちの世の皆さんがレーネ様の言う様に、豊かになるのなら、尊敬や名声なんていらないと、言われると思います、その方は。それよりも、それを実行できるように努力された方を、称えるべきだと思います、レーネ様」
「あら、娘を褒める積りが、私に返されてしまったわ。困ったわ、ねえ、エマ」
「お二人とも、で良いのでは?エイレーネ様」
「それもそうね。で、もうそろそろ、戻る?フェリちゃん」
「はい。もう良い時間ですし、今日来られた方々を、歓迎しないといけませんから、準備も必要だと思いますので、帰る事にしたいと思います。皆さんも、それでいいでしょうか?」
「「「大丈夫で~す、フェリノア様~」」」
「お手伝いさせてください、フェリノア様」
「私も勿論手伝うわ、春香」
「ありがとう御座います、アマンダさん、咲姫ちゃん」
「今日も村の人達を呼ぶんですか、フェリノア様~?」
「ええ、ロッテさん。お呼びしようと思います。この開拓村を支えてきた方達を紹介したいですもの」
「村の方々を、食事に招待するのは良いわね~、毎回、フェリちゃんの色んな話が聞けるし、楽しいもの。でも、歓迎会は必要ないと思うけど?」
「そんな事を言われると、悲しまれますよ、陛下」
「良いのよ。私が此処に来るために、何度も準備を促しても、後回しにしてたのですもの。歓迎なんて必要ないわ。あ、思い出したら、追い帰したくなってきたわ~。そうしようかしら」
「そんな事を仰らず、せっかく来て下さったのですから、楽しんで頂きましょう、レーネ様」
「フェリちゃんが、そう言うなら、仕方ないわね。でも、なんか嫌味な事でも言い出したら、即、実行しますからね」
「エマ様、お止めしなくてもいいのでしょうか?」
「構いません。今回はエイレーネ様が正しいと思います。私も王妃様と共に陛下には忠言しましたが、お聞き入れされませんでしたので、自業自得です」
「お二人からそう言われるなんて、陛下もこの後大変そうです」
そんな事を話しながら、今日手に入れた食材でどんな料理を作ろうかと考えつつ、皆と帰路につくのでした。
楽しく読んでいただけたら幸いです。
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