狩り二日目なのです
もうすぐ男性陣、くる?
「はい、今です」
「えいやっ」
「お~、綺麗に急所の首を貫けてます。お見事です。大分上達しましたね、皆さん」
「いえ、まだまだです、フェリノア様。足を拘束して頂いて、余り身動きできない相手に、やっとというところですから。動く敵などとは、まだまだ戦えそうにありません」
「まだ二日目ですからね、アマンダさん。それでも何日かこのペースで続ければ、男性陣が来る頃には、驚くほど、良くなってると思いますよ」
「そうなのでしょうか?」
「はい、自信を持ってください」
「フェリノア様が、そう仰るなら」
「では、そろそろ、今日も終わりにしましょうか、皆さん」
「「ええ~~、もう終わるんですか~、フェリノア様~」」
「集中されてたので、気付かれてないかもしれませんが、もう結構な時間ですよ。それに今日も冒険者の方々が、夕食時に来られると思いますんで、それの準備もしておかないといけませんしね」
「もうそんな時間なのね、春香。で、今日は昨日よりも大勢来るの?」
「う~~ん、どうだろうね、咲姫ちゃん。来たい方を誘ってって、お願いはしたけど、何人来られるかまでは判らないよ。最悪昨日と同じ人数かも?」
「この村には何人くらいの、冒険者の方がいるの、春香?」
「十五人くらいかな?今いるの。王都に行ってからの増減は判らないから。それがどうかしたの?」
「じゃあ、私達も含めて、三十人分くらいは用意してた方が良いと思うわよ、春香」
「え、そんなに?昨日の今日でそんなに人来るかな~」
「普通の人が誘ったのなら、そうでもないかもしれないけど、あんたの名前をだして誘ったんなら、凄い事になると思うわ。正直、初日の歓迎会と同じ規模になるんじゃない」
「まさか~。そんなにみんな暇じゃないと思うよ、咲姫ちゃん」
「いいえ、予感がするのよ。この後も慌ただしくなるような、ね」
「え~~、咲姫ちゃんの予感か~。前から結構当たってるもんね~。それ」
「あんたのに関しては、特にね。それも悪い予感はね」
「う、じゃあ、急いで戻りましょう、皆さん。それと出来ればお手伝いお願いします」
「「は~い、判りました~、フェリノア様~」」
「余り大した事は出来ませんが、お手伝いします」
「私もお料理なんかは出来ませんが、出来る事は、お手伝いしますわ、フェリノア様」
「ありがとう御座います、皆さん。あ、それと、お手伝いしながら、今出来る事をどれくらいできるか、キチンと覚えておいてください」
「どういう事でしょうか?フェリノア様」
「例えば今日、芋の皮むきを二十個この位の時間でできた、とかです」
「そういう事を、わざわざ覚えるのですか?」
「今日朝、ジャンプして驚きましたよね、昨日まで飛べない高さまで飛べて」
「は、はい、確かに」
「で、ですね。上がるのは、体力の基礎値だけではないという事です」
「「「え?」」」
「器用さなんかも、もちろん上がるんです。なので、今日出来た事をしっかり覚えておけば、次に同じことをする時、ジャンプした時の様な実感を味わえると思います」
「ほ、本当ですの?フェリノア様?」
「はい、本当ですよ、アナスタシア様。それに言ったではありませんか、休み前に」
「な、なにをでしょう、フェリノア様」
「勉強に対する、記憶力も上がると」
「「「「あ~~、確かに」」」」
「毎日少しずつですが、確実に皆さんあらゆるところが、伸びていくと思います。なので、今をしっかり覚えておくと、今後楽しみが増えると思いますよ」
「そう言っていただくと、確かにやりがいを感じますね。それにあの朝の感覚を他の事でも、ですか。とても楽しみです」
「フェリノア様、私準備のお手伝い位しか出来ないのですが」
「でしたら、アナスタシア様。重い椅子やテーブルの設置をされてみては。今日はこれは重たくて持てなかった、でも、次の日は何とか動かせた、さらに次の日はかなり動かせた、そのまた次は余裕で動かせた、と、準備だけでも実感できることはあると思いますよ」
「そ、そうですわよね。他の事でも判る事はありますよね」
「それにですね」
「はい、それに?」
「今出来ないからと、諦める事は無いと思います。例えばさっき言った料理も。今日出来なくとも、見て触って覚えれば、明日には出来る様になってるかも知れませんよ、アナスタシア様」
「そ、そうでしょうか?フェリノア様」
「はい。きっと出来ます、アナスタシア様」
「じゃ、じゃあ、あとで邪魔にならない時に、少し教えて頂いても宜しいですか?フェリノア様」
「はい、勿論です」
「ふふふっ、色んな事が楽しみになってきました。こうやって考えると、今まで過ごして来た、何でもない事も、自分次第で楽しめるのですね」
「はい、その調子で、全て楽しんでいきましょうね、アナスタシア様。皆さんも、お願いしますね」
「「こちらこそ、お願いします、フェリノア様」」
「では、大変な食事の準備を、先ずは頑張りましょう、楽しんで」
「「「はい、フェリノア様」」」
気合が入った皆さんと、宿泊施設へと急いで戻り、食事の準備を開始するのでした。
楽しく読んでいただけたら幸いです。
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