村の見学前なのです
見学自体は次?
「昨日聞けたお話は、大変貴重な物でしたわね~」
「「流石はフェリノア様。伝説の幕開けも、凄いのです」」
「伝説なんてできてませんし、幕なんて上がってません。それよりも今日はどうしますか?昨日までの旅の疲れもあるでしょうから、基礎能力上げは明日以降という事にして、開拓村でも見て回ります?それともここでゆっくりします?」
「見て回る様なとこあるの?春香?」
「う~ん、そう言われると~、あまりないんだけど~」
「余り、という事は、少しはあるのですか?フェリノア様」
「え~と、昨日話に出てた、耕した畑とか、作った城壁とか?になるかな~、アマンダさん」
「「是非見てみたいです」」
「フェリノア様、始まりの場所ですわね。それは是非見ておかないといけませんわ」
「あの遠くからでも見えるデカい壁ね、それは一見の価値ありね。昨日は着いてからすぐ夕食で、日が暮れたから、よく見てなかったしね」
「私は、フェリが広げた畑が気になるな。魔法で土起こしして作ったんでしょう?どれ程の広さなのか見てみたいね、そう思わない、メル?」
「ええ、エリ。それに、今も何か育ててるの?フェリさん」
「勿論育ててるよ。開拓村の大事な食料源なんですから」
「でも、この人数で勝手に村の中、うろついて良いの?」
「心配いらないよ、咲姫ちゃん。昨日顔合わせ済んでるし、誰も何も言わないよ~、家族みたいなものだし」
「貴女にとってはそうでしょうけど・・・、まあいいわ。見に行けば判る事ですものね。駄目な様だったら注意されるでしょうし」
「フェリノア様。この村で、勝手に行ってはいけない場所なんてあるのでしょうか?」
「勝手に行ってはいけない場所と言うか、行けない場所?森とか」
「ああ、確かに行けそうにないわね。でも誰かさんみたいに、行く人いないの?」
「いるよ~、何年かに一度、子供達が肝試しみたいなことをしたがるからね」
「「肝試し?」」
「私が平気で入って行くから、真似してね」
「あ~、悪い見本が傍に居るからな~、それは仕方ないか」
「で、見つかって、親に怒られるのがセットだね。親は怪我した人を見せて、ああなりたいの?と、諭すんだけどね~。なんか、子供達は、子供達で強くなりたがってる感じで、なかなか言う事を聞かないみたい。で、大体、森の入り口あたりで、兎に襲われて逃げ帰って来るんだけどね]
「兎って、強そうじゃないけど~・・・・、もしかして、強いの?」
「角兎。入口のは、ただのホーンラビットだけど、奥に行けば、キラーラビットもいるからな~、それなりかな?あ、でも、ホーンラビットでも、普通の人なら、角で貫かれて大怪我する人もいるよ」
「それ充分、危険だと思うんだけど」
「う~ん、ただ、数か月前までは私が居たからな~、直ぐ治療してたんで、そこまで誰も気にしてなかったかな~。あ、でも、今どうしてるんだろう?私居ないしね」
「誰かに聞いてみれば?心配なら」
「だね。そうするよ。一応、私手製のポーション類預けてるからね、それで間に合うとは思うんだけど」
「そんな事までしてるの?」
「うん。薬草で売るより高くなるから、必然的に覚えたよ。それに、流行病対策の薬も作りたかったしね、良い修行になりました」
「だよね。流行らなかったもんね、病。あんたが作ったんだろうな~とは思ってたけど、本当に作るとはね~。材料、この森の奥のでしょう、あれに出てた奴」
「そうそう。流行って大勢亡くなった後で、冒険者がこの森の奥で見つけるの、薬草。で、宮廷薬師の人達が泣きながら完成させて、これがあの時見つかっていればって、ながれだったよね~。その頃はもう、隔離された少人数しか、かかってる人いなくなってたからね~」
「で、あんたはそれを自分で取りに行った、と?」
「そ、そ。大変だったけどね~」
「と言うか、なんで冒険者の人に頼まなかったのよ」
「まだね、強さが足りなかったんだよ、彼ら。そこに辿り着くのは、そのままだったら、やっぱり物語の時期にならないとたどり着けない場所だったんだよ、咲姫ちゃん」
「気持ちは判るけど、判りたくないな~、あんたには死んでほしくないしね」
「うん、判ってる、咲姫ちゃん」
「でも、良かったよ、昨日の話、聞いてたのが私達だけで」
「どうして?」
「ルイネス様達が聞いてたら、家族にはなされて、王妃様が押しかけて来るの目に見えてるからね~」
「そうなるのかな~?」
「間違いなく、ね」
「そろそろ、皆の準備も終わりましたし、案内して頂いて宜しいでしょうか?フェリノア様」
「だね。此処で話し込んでても勿体ないしね。では、行きましょう」
「「「「お~~」」」」
「先ずは畑からだね。いい天気だから、村の人達も作業してるかも。取り敢えず、皆さん着いて来て下さいね」
「「は~い」」
そんな感じで、宿泊施設を出て、村の観光へ皆で出掛けるのでした。
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