食事タイムが続くのです
村の皆が集まるのです
「おや、もう、お食事を始められていたのですね。申し訳ありませんが、我々もお邪魔させて頂いても、宜しいでしょうか?お嬢様方」
「お、本当に帰ってたんだな。久しぶりだな、お嬢。他の奴らも連れてきたぞ」
「「「おかえり、お嬢」」」
村長を先頭に、大勢の村人や冒険者の方々が顔を出しに来られました。見知った顔の面々を見つつ、他の女子達に向け聞いてみます。
「皆さん、この村の方々が、こうして顔を見せに来られたのですが、ご一緒していただいても大丈夫ですか?冒険者の方なんか、顔が怖い方ばかりで申し訳ないのですが」
「お嬢、それは言ったら駄目な奴だろう。それに、いうほど怖い顔じゃ~ないぞ、俺たち。なぁ~皆」
「「「そうだ、そうだ~~」」」
「でも、初対面の子供に泣かれたとか、飲みに行ったらお店の子から避けられた、とか、言ってませんでした?」
「う、確かに言ってたけど、初対面のお嬢の友達の前で、大声で言わなくても・・・」
「と言う感じで、顔は怖いのですが、面白くて優しい人達なので、遠慮は要らない人達です」
「フェリノア様、わざわざお訊ねにならなくても大丈夫ですよ。部の皆も、昔の話を聞きたがっていましたし、こちらの方こそお願いします。皆様、是非ご一緒してください」
「「「大丈夫です、皆さん~」」」
「お嬢、良い子ばかり友達に出来たようだな。良かったな、学園に行って。行く前はあんなに嫌がってたのにな」
「あ、ダイナスさん、それは貴方がご禁制品を持ち込んでた事くらい、言っては駄目な事ですよ」
「お、お嬢、そ、それ、もう絶対言ったら駄目な奴だから、ホント」
「「「わっはは~~、言われてるぞ~ダイナス~」」」
「じゃあ、村の男性陣がきましたので、先生も呼んできますね」
「あれ、春香、ランデル先生食事に呼んでなかったの?」
「あ、咲姫ちゃん。どうせこうやって村の皆が来るだろうから、女性ばかりで食事してるとこに呼んで、男一人も可哀想なんで、後で呼ぼうと思ってたんだ」
「じゃあ、早く呼んであげましょう、お腹すかせているかもよ?」
「そうだね、行ってくるよ」
「あ、私も一緒しようか?」
「咲姫ちゃんは皆と話してて。私はリリを連れてくから。リリついて来て」
「お嬢様、まだ食べているのですが」
「戻ってからも食べれるでしょ、そんな事言ってると、後ろの方に連れ戻されるわよ」
「ですな。随分と態度がなってない侍女みたいですので、お灸が必要の様です」
「い、いつのまに。父上は村の皆と居なくては。こんな所にいないで向こうへ」
「お嬢様すいません、こんな娘で。やはり家から出すべきではなかったか」
「いえいえ、普段は私以上にしっかりしていますよ、リリシアは。ただ、久し振りに戻って来たので、気が緩んだのでしょう」
「そ、そうです。そうなのです。流石お嬢様、良く私の事を判ってくれているのです。さ、さあ、先生を呼びに行くのですね。早く参りましょう」
「村長、ではちょっと二人席を外しますね。担任の先生が同行してきてますので、呼んできます。では、また後程」
「はい、では、また後で。リリシア、お前もな」
「私は遠慮したいかな~、なんて」
「お説教追加だな、お嬢様の処ではなく、実家で過ごすか、今晩」
「お、お断りです。さ、お嬢様、早く早く~」
そう言って、リリが手を引き、足早にその場を立ち去りました。でも、しばらくこの村にいる事になりますので、無駄なあがきになると思うのですが。そう思いつつも連れ立って先生用の建物の前に行くと、ノックして声を掛けます。
「先生、フェリノアです。もうお休みですか?」
少しの間があり、ドアが開くと、先生が顔を出され、
「まだこんな時間だぞ、そんなわけあるか」
「いえ、馬車での長旅で、お疲れかも知れませんので、それもあり得るかと」
「あ~、まあ、旅慣れしてないものなら、そんな者もいるかもな。で?」
「あ、村の男性陣もいらっしゃいましたので、先生も食事をご一緒にと思いまして」
「お、そうか。丁度良かった。もし呼ばれなかったら、旅用の携帯食の干し肉でも齧るとこだった」
「そうなのですね。では、参りましょう。あ、衣服などはそのままで宜しいのですか?」
「ああ、これは旅用の服だからな。汚れても良い奴だ。普段着よりこっちの方が、食事には良いだろう」
「では、皆も待っていますし、ついて来てもらったリリも、まだ食事中でしたので、急いで戻りましょう」
「うん?そこの広場に戻るだけなのだろう?そんなに慌てなくても?」
「いえ、なるべく急ぎましょう。こうしている間にも・・・」
「間にも?」
「私の昔話を、村の皆が暴露しているかもしれませんから」
「ああ、それは怖そうだな。お前の昔話か。俺も聞いてみたいな。では、急ごうか」
「聞かないで良いですからね、先生」
「はっはっはっ、俺が聞かなくても、誰かが言い出すさ、時間の問題だ」
「う、否定できませんね。皆、興味津々でしたから」
「言われたら困る事でもあるのか?フェリノア」
「いえ、困る事は無いと思います、が、恥ずかしいだけです。黒歴史ですから」
「黒歴史?まあ良い、楽しみだ」
そう言われる先生を連れて、皆の待っている広場へと戻るのでした。
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