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魔法少女グレイプニル! 〜正義の魔法少女になれない私は、魔法少女を助ける為に暗躍します〜  作者: 鈍色錆色
第一編 Aルート 斬撃と蟻

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第三十七話

 ありえない


 パラメデスにとってのその一撃は絶対にありえないはずだった。

 魔法を使うのはわかる。魔法に必要なのは意思と体力のみ。体のどこかが壊れていても、意識さえあれば発動はできる。


 だから、炎を噴き出したのは理解できるし、その炎で空を飛ぶのも理解できる。だが、先ほど以上の動きで、完璧なカウンターを打ち込んできたのはありえない。


 死にかけだったのだ。

 間違いなく。順転拳はパラメデスにとって文字通りの必殺技。まともに受けて耐えられるわけがない。


 そんなことを考えてるうちに、パラメデスの背中に衝撃が走った。


 その間も、パラメデスは思考を止めない。いな、重篤なダメージからそれしか出来ないでいた。


「なんの…………?」


 パラメデスは思わず呟く。魔法少女の魔法カードは時代と共に継承されるモノ。

 長い歴史の、数々の戦いから得られた、いくつものデータから、今では多くの人間がおおよその効果を知ることができる。


「『武士(ナイト)』…………『熱量(エネルギー)』『物質(マター)』…………『(フレイム)』」


 銀騎士の見せた能力は主に『弓の召喚』『炎の噴射』『肉体の再生』


 これらを一つの魔法で行使できるのか…………ありえない。と、パラメデスは結論付ける。


 ならば答えは…………


「トドメ、ダ」

「舐めないでください」


 パラメデスは限界を主張する自身の体に鞭打って立ち上がり、トドメを刺しに急降下した銀騎士に拳を合わせた。


『順転浸透拳』


 銀騎士の拳から肩までの悉くが破壊され、同時にパラメデスもまた技の反動でダメージを受ける。


 痛みに思わず顔を顰めるパラメデス。


 そしてその隙を、見逃さなかった魔法少女がいた。


「おい、忘れてくれんなよ」


 パラメデスの脇腹が抉られる。

 パラメデスの意識が銀騎士に完全に向いたその瞬間、ゴッズはパラメデスの脇腹に貫手を放っていた。


 ただの貫手ではない。『獅子(レオ)』の魔法により爪を獅子のそれに変えた状態での貫手。

 肉を狩る鉤爪は刺すというよりもむしろ、抉るようにして体内へと入り込む。

 咄嗟に腕を振り回してゴッズと銀騎士を遠ざけるも、ゴッズはわざと強引に爪を引き抜きながらそれを回避することでパラメデスの腹の傷を大きく広げた。


「危ないなぁ。しっかり顎狙いやがって」

「っ面倒ですね」


 二人相手取ることはパラメデスにとっても圧倒的に不利。

 うまく三つ巴に持ち込めれば話は別だが…………


「おい銀色野郎、今は見逃してやる。協力しろや」


 ゴッズの乱暴な共闘の提案に、銀騎士はこくりと頷いた。


「ですよねぇ」


 ゴッズは真面目で柔軟。だからこそ、確実にこちらの勝ちの目を潰してくる。


 これで、パラメデスに勝ちの目は無くなった。だからここからパラメデスは、勝ちを捨て、負けないことだけに全力を注ぎ出す。


「『(ウルフ)』」


 完全な獣と化したパラメデス。その目的は、()()()()()()こと。


 銀騎士の拳を、噴出する炎を、ゴッズの蹴りを、あるいは爪を、避ける。避ける。避ける。


「ちょこまかと!」


 当てられないのは、詰んできた訓練の方向性の違い。ゴッズは怪異を相手にするつもりで、パラメデスは魔法を、あるいは銃を使う人を相手にするつもりで訓練を積んできた。

 そして銀騎士に至っては、訓練などろくに積んでいない。


 俊敏性に優れた小型の狼を捉えるには、精密な一撃か、()()()()()()が必要である。


 そして一人、この場でその魔法を使える者がいた。


斬撃(スラッシュ)


 再び、斬撃が空を切り裂く。


豆設定

パラメデスが名前を出した『物質』。

この魔法はあらゆる元素を召喚し、物質を作り上げることができるが基本的に単一の元素のものしか出来ず、複雑な構造も作れない。

そのため、弓矢や骨はともかく、内臓や血液などを作り出すことはできない。

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