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魔法少女グレイプニル! 〜正義の魔法少女になれない私だけど、魔法少女を助ける為に暗躍します〜  作者: 鈍色錆色
第一編 Aルート 斬撃と蟻

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第三十六話

「なっ」

「……なんだぁ?」


 突如上がった炎の柱。


 狂気渦巻く裏社会よりの二人の魔法少女でさえ、完全にその動きを停止せざるをえなかった。


 ゴッズは銀騎士を知らない。上空から監視こそしていても、何者で、どこの組織に所属しているかは知らない。第三勢力なのか、正義のために行動をした馬鹿か。ゴッズは前者だと考えていた。


 一方で、パラメデスは驚愕していた。打ち込んだ順転浸透拳は鎧通しの類。鎧は壊れなくても、打ち込まれた小型ドリルの如き衝撃波は確実に筋肉をちぎり、内臓を貫き、皮膚を破いたはず、意識を保てるとは、ましてや魔法を発動できるとは思えなかった。


 両者、一瞬の硬直を終え、行動を変化させる。

 その変化は真逆。


 未知の脅威に対し警戒したゴッズは銀騎士から距離を取り、パラメデスは臆することなく炎の中へ踏み込んだ。


 両者の行動の違いはは認識の差異からくるものである。


 ゴッズは銀騎士のダメージを正確に認識できていない。パラメデスは銀騎士が死にぞこないだと確信している。


 炎と言っても鉄を溶かす炉のような高温ではなく、せいぜいがキャンプファイヤー程度。

 火傷覚悟なら思い切り殴れる。


 その瞬間、銀騎士の身体が爆ぜた。


 否、爆ぜるようにしてパラメデスの視界から消えて、上空へ飛び上がった。


 □ □ □


 うおぉぉぉ


 ヤバいです。激ヤバです。


『この炎は! ……ここまで早いとは!』


 ガノンさんが何か言ってます。


 けどぼうぼうと耳元で炎が燃える音がして何言ってるのかわかんないです。


 何より今は…………ふにゅぅ


 …………



 はっ! 危ないアブナイ。一瞬寝かけてました。


 いや、ふざけてないですよ。


 この炎、私の気力的なモノを消費しているらしく、出してるだけで眠くなるんです。


 困ったことに、立ちあがろう! って気合い入れるたびに炎の勢いと眠気が増していきます。


 どうしましょう……


 うーん。やっぱ気合いですかね。


 超越魔法少女アステラスちゃんも言っていました。


『気合いと愛で人々を、魔法少女を照らす! だから信じて恐れないで! 私に助けを求めることを!』


 ちなみに38話の名シーンです。

 なんでも抱え込んでしまう魔法少女『エンパー』へかけた言葉であり、そもそもこの回では…………


 はっ! 危ないですね、油断すると寝てしまいます。


 えーとつまり……きあいです!!!


 立ちあがろうとすれば炎の勢いが強まるなら、さらに強い意志を持って立ち上がるのみです!


 立ち上がるぅぅ!!!



 あれ? 今ちょっと浮きました?

 気のせい、じゃありませんね。


 吹き出た炎が私の体をわずかに浮かせました。


 もしかして、こっちの方がいいかもしれません。


 体の中で炎を細く束ねて一気に放出するようなイメージで、もっと強く体を浮かせれば、立ち上がれるかもしれません。


 イメージは、ロケットのような炎の噴射。


 体の力を一点に集めて放出。それと同時に炎を着火するイメージで…………


「『点火(イグニッション)』」


 瞬間、私の体は空を飛んでいました。


 小さく、激しい炎の噴射が、私の体を空に押し上げたのです。


 青い、澄んだ空。


 すぐ下の地面で、パラメデスさんが目を見開いてこっちを見ています。


 体制から見るに、私に再度攻撃を仕掛けていたのでしょう。

 彼女はすぐに気をもち直して、こちらに飛び上がってきました。


 飛行できる魔法少女相手なら、空は安全地帯ではありません。

 こちらも飛行の魔法で体制を整えて……いえ、間に合いませんね。


 ならワンテンポ置かずに、このまま殴りましょう。


『アームブースト・イグニッション』


 全身でやった炎の噴射を、今度は右肘に集中させます。


 不思議と、感覚でやり方がわかります。身体中の血液が沸騰して、反対に脳はスッキリと冴え渡るこの感覚。

 息苦しかった鎧も体の一部のように馴染んでいます。

 つまり…………絶好調です。


 アンバランスな片腕だけの炎の噴射により、私の体は回転し、真正面にパラメデスさんを捉えます。


「なっ!?」


 これはさっきの


「オカエシ」


 です。




 その瞬間、炎で加速された私の銀色の拳が、パラメデスさんの顔面を打ち抜きました。


 そして同時に、この時初めて、私は自分が魔法少女になったんだと自覚しました。


豆設定

パラメデスさんは空中でも『順転拳』を打てますが、威力は落ちます。

というか、打撃系の技は踏み込む地面がないと基本的に威力を落とすことになります。


例外的に『飛行』による加速を拳に乗せることもできますが、『疾風駆け』以上の高等技術です。

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