スタイリッシュ御伽噺 ”CYBORG太郎”
10月12日 新たにBADENDルートを書き下ろしました!
むかしむかしあるところに…。
工作員番号OJI・SANとOBA・SANが住んでいました。
「こちらOJI・SAN。これより任務を遂行する」
「了解。こちらもすぐに別任務急行する」
OJI・SANは戦場に死体漁りに、OBA・SANは野戦病院に偽装した研究所で人体実験を繰り返していた。
ある時、OJI・SANが戦場からある兵士の死体を持ってきた。
「見ろ、OBA・SAN。これは連合軍の超兵士アーノルド・ドルフ・シルベスターの死体だ」
「ヒーッヒッヒッヒ!早速この死体を切り刻んで最強の兵士を作りましょう、OJI・SAN」
OBA・SANとOJI・SANはその夜、最強の兵士を作る為に夜通しで改造手術を行った。
次の日、OJI・SANとOBA・SANは最強の戦士を完成させる。
その名は…「工作員番号、CYBORG太郎。それが貴様に与えられた名前だ」
OJI・SANは手術室のベッドに横たわる屈強な男に告げた。
キシュインッ!
全身を律動させて無敵の兵士、CYBORG太郎が覚醒する。
ビムンッ!
CYBORG太郎の死角、即ち足の左側からビーム兵器が照射された。
「FORCE・FIELD」
CYBORG太郎はこれを掌から発生させた電磁バリヤーでガードする。CYBORG太郎はOJI・SANを無機質な瞳で見つめる。
「まあまあの出力だ、SIR。だが実戦的ではないな」
「流石は我が軍の最恐兵器よ。お前のターゲットはコイツだ」
OJI・SANは眼鏡にスイッチを入れてプロジェクターを作動させる。手術室のシーツに一人の男の姿が映し出された。
「誰だ、コイツは?」
角を生やした屈強な男が笑っていた。豪勢なスーツを着ている風貌からして、かなりのセレブである事が予想される。OBA・SANは葉巻に点火しながら答えた。
「この男の名前はONI。我が国に巣食う悪の軍需産業”ONIGASIMA”のCEOだ。コイツをデリートして欲しい」
ふう、OBA・SANは艶やかな仕草で煙を吐く。
「報酬は?」
「噂に違わず強欲な男だ。岡山県産の”KIBIDANGO”でどうだ?」
「心得た」
こうしてCYBORG太郎は鬼退治の旅に出かけた。彼はすぐに生前から利用していた警備会社に連絡を入れる。
「わんわんわん」
CYBORG太郎の相棒、INUが受話器を取る。
「こちらINU。アーノルド、やはり生きていたか」
「INU、すぐにKIJIとSARUを連れて来い。ONIGASIMAでパーティーだ」
こうしてCYBORG太郎は昔の仲間を集めて装甲車を搭載した釣り漁船でONIGASIMAに向った。
「うきき。たかだかKIBIDANGOの為にわりに合わねえぜ」
CYBORG太郎はバナナをSARUに渡す。SARUといえばバナナだ。
「怖気づいたか、SARU?」
「これはタダの武者震いってヤツだ。俺をからかうと殺っちまうぜ、CYBORG太郎?」
「そいつは怖いな」
CYBORG太郎は不二家ネクターをSARUはバナナで細やかな乾杯をあげる。
ここから先は無事に帰られる保証はない。
「島に着いたぞ、二人とも。楽器の準備は出来ているのか?」
KIJIが機関銃を掲げて文句を垂れる。CYBORG太郎小隊の御意見番はいつだってKIJIの仕事だった。かくしてCYBORG太郎、INU、SARU、KIJIはONIGASIMAに到着する。
パパパパパパンッ!
CYBORG太郎は夜空に向って機銃をぶっ放した。
「サンタさんの到着だ、ONI。一足早い、クリスマスだぜ」
「ローストターキーだけじゃねえ。パイナップルもごっそり持ってきてやったぜ!」
SARUは武装した兵士たちに向って手りゅう弾を投げつける。色とりどりの花火と早口のラップ、そして怒号と悲鳴。かくしてCYBORG太郎は死神の群れとのダンスを楽しむ。
数十分後、ONIGASIMAで生きていたのはCYBORG太郎と命知らずの馬鹿野郎たちと薄汚れた悪党だけだった。
「オーマイガッ!許してくれ、CYBORG太郎。金ならいくらでも払う!友達になろうじゃないか!」
( ※ ここからエンディング分岐になります )
GOODENDING編
チャキッ!
ONIとデザート・イーグルの武骨な銃口がキスをした。CYBORG太郎は悪戯っぽくウィンクをする。
「残念だったな。先約があるもんでね」
ダダダンッ!
「クールだね、CYBORG太郎」
「美女には抱擁を。悪党には死を、それが俺のモットーだ」
かくしてCYBORG太郎は任務を遂行し、OJI・SANとOBA・SANの待つ基地に戻った。
CYBORG太郎は今夜KIBIDANGOで一杯やりたい気分だった。
BADENDING編
「時代は力を求めている…」
チャキッ!CYBORG太郎は銃口を仲間たちに向けた。
「だが俺はそこまで腐っちゃいない…ッ!」
やはりONIに向けた。
「ガッデム!俺たちの本当の黒幕を教えてやる。だから命だけは助けてくれ」
CYBORG太郎は銃口を下げ、INUとSARUにONIを縛らせた(手順は謎)。
「ONIGASIMAは誰の差し金で動いていたんだ…」
「お前らのBOSS ”HANASAKA・JI・SAN”だ…」
SARUはONIの襟首を掴んで叫んだ。
「NO!まさか、SIR・HANASAKAが俺たちを裏切っていたなんて…。こいつは悪い夢でも見ているような気分だ。壺の中のバナナを手放すか、壺から手を抜くか…俺にはわかりっこねえ」
プシュッ!次の瞬間、ONIの額に穴が開く。
「狙撃手がいるぞ!」
INUの号令と同時に、TEAM CYBORG太郎は円陣を組んで狙撃手に警戒する。
「ハッ!短いバカンスもここまでか…」
かくして TEAM CYBORG太郎は味方だったはずの連合軍を相手に果てしなき戦いに身を投じる。戦士に安息の日など無いのだ…。