第八話;記憶
廊下にたどり着いてから、ある扉をしらみつぶしに開けまくり、とうとう最後のひとつに絞り込んだ。
そこは、今まで入ったとのない扉であった。
…というか、ココにドアなんて…あったか…?
息を整えてドアに手をかける。
…もし、ここじゃなかったら…
そんな考えがよぎる。
と、中から男性らしき声が聞こえた。?
男性の声…教師か?
会議でもしてるんだろうか…なら、ここじゃなかったのか?
考え込んでいるうちに聞き覚えのある声が聞こえた。
この声は…!!
その瞬間、会議中かもなんて考えは飛んだ。
例えば会議中であっても関係ない。奴の安否が知りたいだけなのだから。
バンッ
開いた先にいたのは、予想通り哉と、…教師?だった。
哉
「か…快?!」
目を見開き、驚いているようだった。 よかった、無事なようだ。
でも、奴の姿を確認してから、成る程やはりコレはただ事じゃないことは理解できた。
快
「失礼ですが。そこの方、哉から離れていただけますか。」
未だ哉の後ろにいる奴に礼儀として敬語でそう言えば、
「ああ、お友達の方ですね。…成る程、成る程。」
俺を観察し、何か合点がいったように頷いている。
キッ
と睨んでやると、 奴はおかしそうに笑い、
「怖いですね〜。そうですか、お友達、ですか。ククッ」
なにが、
快
「何がおかしい。」
いい加減キレそうだ。 なんだ、こいつ…ッ
「いえ。おかしい、なんてそんな…ッところで。…君も、記憶がないクチですか?」
記憶?
快
「?」
「…成る程。これだけ分かったでも十分ですね…。…またお客が来たようですね…」
…むらっち?
「こちらは、少し面倒なようですね……では、失礼させていただきましょうか。」
ッ…!逃げる?!
まっ! あわてて駆け出したが、遅かった。
捕まえたと思った手は虚しくも空を切った。
瞬間移動か?!
そして、校内アナウンスのごとく、
声が聞こえた。
「「学校側を、全て信じないのが身の為ですよ……」」
快
「…なん、」
哉
「…。」
バコンッ!!
アナウンス?が終わってすぐに、ドア(があった場所)は爆風と共に吹き飛んだ。
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