第五話;鈴の音
食事室へと急ぐ俺。
と、何かクラリ…といきなり視界が揺らいだ。
ん?貧血か? と思い少し休むかどうかを思案した後、結局少し休むことにした。
快には…借りを作ることになりそうだな、と苦笑しつつ、それでも〈席がないかも〉なんてこれっぽっちも思っていない自身が、少し誇らしく、またそうさせる友人がいることを今さらながら誇らしく思っていると、
ズキンッ…!!
と、急に頭痛がひどくなった。
こ、これマジ貧血なのか?
立っていられないほどの痛みに思わずうずくまってしまった。
2人組が近くに寄ってきて、大丈夫か聞かれたので、大丈夫だと返す。
2人組は何か話し合いを始めたが、俺は彼らに構ってなどいられなかった。
尚も続く頭痛に、
今度は耳鳴りがした。
しゃらん… しゃらん…
「〈鈴…の、音…?〉」
しゃらん…
ズキンッ!
「っ!」
今までで一番痛い頭痛がした。
すると同時に、何か風景がみえた。
ただ、その風景は例えば
まるで濃い霧のようだった。
霧の中から会話がきこえた。
『…は……正気か……』
『……は……の……だぞ!』
何か…切羽詰まったような…悔しそうな声。
…なんだろう?
俺は………
この景色を…光景を……会話を…出来事を…知っている気が、した。
っ?!
ガバリ!!と起きれば、堅い床の上だった。
しかし、ここが学校であることは確かみたいだった。
?
だんだん意識が浮上していく。
??
医務室ならまだ分かる。。さっきの廊下であってもまだ分かる。
が。
…見たことないな。こんな部屋…
見たことない教室。
…そして…何故か縛られている手足がコレは何か異常であることを伝えていた。
先程の夢?の余韻に浸る暇すらなかった。
やっと、なんとなく自分の状態を理解してきた所で、教室のドアが開いた。
………
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