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156話

 俺はへし折れるわけにはいかない。王種、それも上位王種を放置しては人の領域はどれだけ後退するか分かったものでは無い。青の勇者が応えてくれればよかった。しかし、彼は折れてしまった。そのままではどれだけの人が住む場所を命を失い悲しみに沈むか分かったものではないのだから。わずかな手懸りを手繰り寄せる。勇者としての身体能力。それは静かに生きるには秘匿したいものだった。けれど、多くの人の命を、生活を消し去るわけにはいかない。だからこそ、ミーアと共に勇者として立つしかなかった。そして、目の前で愛するミーアにエルダーアークデーモンの腕が直撃をした。

「俺のミーアに何しやがる」

その時、俺の中で”ミーアを守る”それ以外の事は意識から消えた。追撃をすべくミーアを追おうとするエルダーアークデーモンの前に身を晒し、ただただ、剣を振るう。

“ズン”それまでと違った手ごたえが両手剣から伝わってきた。それは確かに何か強靭なものを断ち切る手ごたえ。

「ギャゥアアアアア」

エルダーアークデーモンの今までになかった叫び声が響く。それまでひたすらに攻撃をしてきていたエルダーアークデーモンがわずかながら怯んだのを感じる。俺は更に両手剣を振るった。”ズン”、”キン”、”ガ”ッ”打ち込む剣の手ごたえが安定しない。それでも間違いなくいく振りかに一度明確にダメージが通っている手ごたえがある。そしてそのたびに何か剣そのものの手ごたえも変わっていく。

 ふと気づくと、ミーアが隣で俺のサポートをするように剣を振るっていた。

「フェイ、剣筋が雑になっている。師匠の教えを思い出して」

「ミーア。よかった」

「何を言っているの。ダメージで戦線離脱したのはさっきが初めてじゃないでしょ」

「でも、さっきのは直撃だっただろう」

「直撃って言っても、あたしを狙った本当の重いやつじゃなかったじゃないの」

「そうは言ってもな」

剣を打ち込む合間に会話をする余裕が出てきたわけではないけれど多少の言葉を交わす。そして、その中で

「多少感覚がつかめてきたかもしれない」

俺がそう言うと

「あたしも少し分かりかけてきたかも」

俺とミーアの声が揃い、エルダーアークデーモンの右腕がクルクルと空を舞い地に落ちた。

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