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151話

 揺らぐ光のサークル。援護を。魔法は……、王種と勇者パーティーの距離が近すぎる。ここから魔法を撃てば勇者パーティーを巻き込んでしまう。弓も魔法の鞄から取り出している時間がもったいない。僕とミーアは急いで駆け寄る。上位王種エルダーアークデーモン。やはり桁が違う。勇者パーティーは善戦しているけれど、エルダーアークデーモンにはダメージらしきダメージは見受けられない。鍛え上げ強くなったとはいえ、勇者パーティー単独では有効な攻撃が出来ないのだろう。

「間に合え」

闇魔法を放ち、動きが止まっているエルダーアークデーモンに僕とミーアはそれぞれの剣を振るう。その勢いに、巨体を揺るがすエルダーアークデーモン。当然敵意は僕達に向いた。チラリと見れば勇者パーティーは満身創痍。特に勇者様の被害が大きい。アーセルの回復魔法でどこまで回復できるか。ケガは回復魔法で治癒できても、その際に受けた心の傷は……。

「アーセル。魔力は残っているか」

僕は最初にアーセルに声を掛けた。

「今の聖域魔法で空っぽ。魔力回復薬も使い切って、フェイ達が助けに来てくれなければ覚悟を決めないといけないところだったわ」

僕は黙って魔法の鞄からいくつかの魔力回復薬を取り出し、アーセルに投げ渡した。

「僕とミーアで時間を稼ぐ。体制を立て直して」

そこからはいつもと同じ、僕とミーアが敵意を稼ぐ。勇者パーティーはスキを見て勇者様が切りつけ、戦士が守り魔術師が補助をする。スカウトがかく乱し聖女たるアーセルが回復を担う。

「まずいな」

僕がぽつりと漏らすと

「ええ、勇者様の動きがよくないわね」

「今もレミジオとの連携でタイミングがズレた。どうにかレミジオがカバーしたけど今のままだといつか破綻しそうだ。それに」

「そうね、さすがに上位王種だけあって勇者様の振るう聖剣が思ったより効いてない」

「それだけじゃないよ。きづいているかな。勇者様が与えた傷が少しずつ修復している」

僕の指摘にミーアが息をのむのが分かった。

「勇者様、一度休息を。その間僕とミーアが引き受けます。アーセル、そちらのパーティーメンバーの回復をして。魔力回復薬は足りているか」

「フェイウェル殿、休息せずともまだいけるぞ」

僕の指示にやはり勇者様は反論してきた。

「連携が崩れています。一度休息して仕切り直しをしてください」

勇者様に声を掛け、僕とミーアはエルダーアークデーモンの下に回り込み同時に混合魔法を上向きで放つ。炎と風の刃が上位王種を襲いその巨体が浮き上がる。魔法でのダメージは無くても大きく吹き飛ばされたことで今まで以上に僕とミーアに敵意が集まった。少しばかり移動し戦闘の余波が勇者パーティーに及ばない位置まで誘導する。

「できれば、仕切り直した勇者様が討伐してくれるのがベストなんだけど」

僕は希望を掛けつぶやいた。

「でも、多分……」

ミーアの言いたいことはわかる。

「場合によっては覚悟を決めないといけないかもしれないね」

ミーアとアイコンタクトを交わし、エルダーアークデーモンの敵意を引き受け、勇者パーティーの休息時間を稼いでいく。

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