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プロローグ
それは誰もが唖然とする出来事だった。
街が収まるほどの大きさと上層階が雲で遮られてみえないほどの高さを有するテメンニグル、
そしてその塔から溢れるようにして出てきた億単位の魔族達は一人の波動使いによって二日足らずで全滅させられた。
この出来事をまじかにした者はこう言う。
もう私達に恐れるものがあるとすれば、白いコートを纏った銃と剣を扱う波動使いだけだ。
しかし、その者の名がダレイオス=アリダートということも、当時14歳であったことも誰一人として知る者はいない。