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348.マイスタークラス決勝トーナメント第二回戦開始前

 試合が終わったから観戦スペースに移動した。

 そこには、『ライブラリ』の皆が勢揃いしていたよ。

 昼間いなかった、おじさんも観戦していたみたい。


「イリス、お疲れー。鮮やかな勝利だったね!」

「ありがとー、曼珠沙華。やっぱり、トワと練習していたのが大きいよー」

「そうなんだ。嵐の防壁? だっけ、あれを使われたあとも落ち着いてたね」

「遠距離物理職だからねー。あれを使われた場合の訓練もやってたんだよー。トワに言われて」

「そっか。……トワっち、いろいろ想定しすぎじゃない?」


 曼珠沙華が呆れたように言うけど、トワはまったく気にしてない。


「最近だと、嵐の防壁の素材や完成品が出回ってるからな。安い買い物じゃないけど、遠距離攻撃を封じれるなら使われることもあるだろうと思ってたのさ」

「それが本当にはまったからねー。おかげで、落ち着いて対処できたけど」

「何事も準備が大事ってことだね。このあとはどうするのかな?」


 おじさんにこのあとの予定を聞かれた。

 そうだなー……。


「次の試合だけ見たら寝るよー。もう、それなりの時間だからね」

「それがいいでしょうね。イリスは、まだあまり夜更かししていい歳じゃないし」

「そうじゃの。次の試合を確認すれば、トーナメント的には同じグループはすべて終わる。別のグループの試合はまだじゃが、そちらは決勝か三位決定戦まで当たらぬし、問題ないじゃろう」

「そうね。必要だったら私たちが情報は教えるわ」

「お願い、柚月、ドワン」


 もうひとつのグループについては、柚月たちに確認してもらえば大丈夫だよね。

 そもそも、決勝や三位決定戦まで勝ち進めるかもわからないわけで。


「……どうやら次の試合が始まるようだぞ。装備は……オーソドックスな槍と、格闘戦用のナックルか?」


 トワがちょっと困惑気味に、出場者の装備を確認する。

 槍は剣と並んで装備者が多いけど、格闘用装備は珍しいみたい。


「トワー。やっぱり、格闘メインって少ないの?」

「どうしても間合いの不利が出るからな。……リアル格闘技経験者ならあり得るが」

「リアルスキルかー。この試合、どうなるかな?」

「格闘使いの動きを見てみないとわからない。……まあ、予選を勝ち残れたんだから、相当なスキルを持ってると思うけど」


 結局は蓋を開けてみないとわからないということだね。

 試合も始まったし、そっちで確認してみよう。



 ―――――――――――――――――――――――――――――――



「……なんていうか、圧勝だったね、トワくん」

「そうだな。あれ、リアルでも相当鍛えてるぞ」


 ユキちゃんやトワが言うように、試合は格闘使いの人が圧勝した。

 常に槍の間合いの内側に入り込んで、スキルを使わない連続攻撃で圧倒、相手がバランスを崩したらスキルを使って大ダメージを与える。

 そんな、お手本通りの戦法で勝利したんだ。

 これは強敵だねー。


「……うん、細かいことは考えないで、今日は寝ることにする!」

「そのほうがいいかもな。あの対応力じゃ、付け焼き刃の対応では逆効果だろう」

「そうね。おやすみ、イリス」

「それじゃあ、おやすみー」


 ほかの皆は、残りの試合を観戦するらしい。

 ボクは明日のためにも早く寝なくちゃね。



 ―――――――――――――――――――――――――――――――



 寝て起きて翌日。

 朝の支度を調えたら、早めにログイン。

 第二回戦は鉄鬼の試合からだから、観戦しておかないと。


「イリスちゃん、おはよう。昨日はよく眠れた?」

「ユキちゃん、おはよー。よく眠れたよ」


 談話室に行くと、ちょうどユキちゃんと出くわした。

 聞くと、ユキちゃんもこれから観戦スペースに行くらしい。

 なので、一緒に移動することになった。


「トワはどうしたのー?」

「トワくんは、用事があるからって工房に行ったよ。なにか作りたいもの? があるんだって」


 ユキちゃんが首をかしげながら答えてくれる。

 工房に行ってなにを作るんだろうね。


「ふーん。このタイミングで作りたいものって、急な依頼でも受けたのかな?」

「詳しいことは聞いてないんだよね。でも、イリスちゃんの試合は応援に行くって言ってたよ」

「わかったよー。とりあえず、観戦スペースに移動して、鉄鬼の応援をしよー」


 鉄鬼に応援が必要だとも思わないけど、昔の仲間だし応援してあげなくちゃね。

 鉄鬼が勝ち進んで、ボクも勝ち上がると、鉄鬼とボクの試合になるけど……。



 ―――――――――――――――――――――――――――――――



「……さすが鉄鬼じゃのう。まったく、危うげなく勝ちよったぞい」

「だねー」


 鉄鬼の試合は、ものすごく呆気なく終わってしまった。

 いつもの片手剣と盾のスタイルじゃなく両手剣を使ってたけど、防御力が落ちてるなんて思えないくらい少ないダメージで勝ち進んだね。


「……なんだ、もう鉄鬼の試合は終わってたのか」

「おや、トワくん。遅かったね」

「ああ、ちょっとアイテムを作ってたからな。それにしても、鉄鬼のヤツ、勝つのが早すぎないか?」

「鉄鬼、両手剣に装備を変えてたのよ。それで、攻撃力が増していたってところだね」

「なるほど。防御メインのアイツが、攻撃力も手に入れたか。ますます、手がつけられないな」


 トワが冷静に分析してるけど、本当に鉄鬼はどこまで強くなるのかな?

 有名戦闘系クランの二軍に所属してるってことは、とっても強いだろうけど、それにしても強すぎると思うよ。


「イリス、そろそろ控室に移動したほうがいいんじゃないか?」

「あ、そうだね。じゃあ行ってくるねー」


 皆に見送られて、控室に移動した。

 対戦開始はまだ先だけど、集中、集中。

いつもお読みいただきありがとうございます。

毎回の誤字報告本当に助かっています。


微妙に短いけど、次話を結合すると長くなったため分割。

代わりに明後日更新するよ!

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