表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Unlimited World ~生産職の戦いは9割が準備です~  作者: あきさけ
第9章 カボチャ狩りの季節に
371/466

315.ロングバレルショットガンの考察

本話も短いです。

絶不調のスランプ時に書いた話ですのでご容赦を。


 さて、ロングバレルショットガンだけど、自分で使うつもりがなかったのもあって考察不足だな。

 実際に納品する前に、もう少し実験してから納品するとしようか。

 そうと決まれば、前に作ったロングバレルショットガンを使って性能試験といこう。


 モンスターを狩りに行くよりも正確な数値が確認出来るため、訓練所に足を運ぶことに。

 以前試したときは、有効射程のみをメインに考えてテストしてたから、近距離で使った場合にどういうことになるのかは試してないんだよな。

 的を用意して、以前測ったときと同じ6メートルの距離で攻撃してみる。

 結果は以前に測ったときと同じ、武器に設定されている攻撃力から期待できるダメージであった。

 次は的の距離を半分の3メートルにしてから試射してみる。

 すると、本来の攻撃力よりも高いダメージをたたき出すことができた。


「おや、これひょっとして……」


 思いついた内容を確かめるべく、的の距離を至近距離一杯まで縮めてみることに。

 銃身が触れるか触れないかというような至近距離で銃撃してみた結果、計測されたダメージ値は同ランクのショートバレルショットガンと同じくらいのダメージが与えられることがわかった。


「ふむ。前は試してなかったから想定外だったけど、これはこれで面白い結果……かな?」


 他にも距離を色々と変えて確かめて見たが、近距離でのロングバレルショットガンのダメージは、同ランクのショートバレルショットガンの8割程度の値がでることがわかった。

 攻撃力の差がやたらと大きいと思っていたが、こんな仕掛けがあったとは考えてなかった。

 単純にステータス上の攻撃力程度しかでないものだとばかり思っていたな。


「って事は、ショートバレルショットガンとロングバレルショットガンの差はなんだろうな」


 攻撃力自体はステータス上で表示されるほどの差はないことがわかった。

 そうなってくると、後は運用方法の問題になる。

 さて、ここからは前に検証してなかった内容の確認だな。


「まずは、攻撃範囲の確認からやってみるか」


 的を複数用意して、攻撃範囲の検証を行う。

 当然だが、極至近距離では銃身が向いてる場所しか当たらなかった。

 だが、そこから距離を離していくと、攻撃可能な範囲にかなりの差がある事がわかった。


「試してみていなかったとはいえ、ここまで差があるもんなんだな」


 ショートバレルショットガンは、銃口から左右におよそ45度ずつの範囲に広がって攻撃できていた。

 対してロングバレルショットガンの方は、銃口から左右に20度程度の範囲にしか攻撃できていない。

 基本的に使用されるシーンを考えてみれば、この検証結果は妥当だろう。

 ロングバレルショットガンでショートバレルショットガン並みの攻撃範囲があった場合、攻撃距離ともあわせて非常に攻撃範囲が広いことになってしまうからな。


 それから、これはショートバレルショットガンもロングバレルショットガンも同じ結果であったが、攻撃範囲であっても貫通力はなく、最前列においた的にしか攻撃は当たってなかった。

 この結果は対複数を想定した戦い方だと使い方を考えないといけないだろう。


 最後の問題は両者の使い分けという事になるが……


「やっぱり、ロングバレルショットガンの最大の問題は、両手武器扱いって事なんだろうな」


 そう、ロングバレルショットガンは両手武器となってしまうため、盾を持つことができない。

 そう考えると、ロングバレルショットガンは、シールドガンナー向きの武器ではないという事になる。

 それでは、どんな場面で使うことになるのかという話ではあるが……


「さすがにどんな状況で使うかは、個人の問題だよな」


 ロングバレルショットガンも連射がきかない点はショートバレルショットガンと一緒だ。

 むしろ連射性能で考えると、ショートバレルショットガンの方が上という感覚である。

 そうなってくると使う場面が限られてくるが……


「やっぱり、このヒットストップは魅力的かな」


 連射性能は低いが、その代わりにヒットストップ、つまり相手の動きを制圧する能力には長けている。

 的の種類を変えてヒットストップを確かめて見たが、かなり大型の的であっても動きを止めることが出来た。

 そう考えると、ロングバレルショットガンの使い道は、近距離まで詰め寄られた際のサブウェポンという事になる……のかな?

 そこら辺は俺ではわからない事なんだよなぁ。

 何せ、至近距離での戦闘でも普通に銃で戦えるし、刀を使った戦い方もある。

 どちらを使うかは、その時の状況次第だから何とも言えないところだ。


「うーん。そうなると、俺以外の意見も聞いてみるか」


 このクランに所属している俺以外のガンナー、つまりはおっさんに意見を聞いてみることに。

 訓練所をでて、おっさんの工房へと向かう。

 フレンドリストでおっさんがクランハウスにいることはわかっているからな。

 個室を使っていないおっさんなら、工房にいるだろう。

 談話室にはいなかったし。


「おっさん、ちょっと話を聞きたいんだけどいるか?」

「うん? トワ君かい? いるよ。入ってきておくれ」

「ああ、それじゃ、邪魔するぞ」


 おっさんの工房に足を踏み入れるのは初めてだ。

 細工用の生産設備をメインとして、作業台などのシンプルな内装だけが置いてある部屋である。

 俺も、ユキがいなければ必要最低限の物しか置かなかっただろうし、この辺は一緒かな。

 ドワンの工房も確か作業用の物しか置いてなかったし。


「それで、トワ君。今日はどうしたんだい?」

「ああ。ショットガンの使い方を検証してたんだが、俺以外のガンナーの意見を聞いてみたくてな」

「おじさんでよければ話を聞くよ。それで、どんな内容なんだい?」


 おっさんに先程までの検証結果を話してみる。

 おっさんは話を聞き終わった後に、こう結論をだした。


「ロングバレルショットガンは、ライフルとかの長距離武器をメインにしている人向きだろうねぇ。ライフルの弱点は、接近されたときの対応が難しいことだからね。ショートバレルショットガンの方は、おじさんのようなシールドガンナーを含めた接近戦を得意とするガンナー向けだねぇ」

「やっぱりそういう結論になるか。とすると、ロングバレルショットガンも少しは売りに出してみた方がいいのかな?」

「商売的な話をするなら、ロングバレルショットガンも売りに出した方がいいと思うねぇ。メッセージボードに使い方を記してさ」

「うーん、やっぱりそういう結論になるか」

「まあ、そういうことだね。ショートバレルショットガンはおじさんも便利に使えているけど、ロングバレルショットガンだと盾が扱えなくなるから、おじさんには微妙だねぇ」

「そっか、わかった。話を聞いてくれてありがとう、おっさん」

「このくらいならいつでも相談に乗るよ。今日はこれだけかい?」

「ああ、これだけだな。それじゃ、これで失礼するよ」

「うん、わかった。また何かあったら来るといいよ」


 おっさんに別れを告げた後は、ドワンに依頼してロングバレルショットガンも増産体制を整える事に。

 今までも販売していたけど、今回の実験結果を公開すればもっと売れる可能性があるからな。

 柚月にも相談してみたけど、おっさんと同じく注意書き付きで販売すればいいんじゃないかとのこと。


 実際、注意書きを出してみると、ショートバレルショットガンほどではないが売上が伸びた。

 使っているプレイヤーの感想を聞いてみたいところだけど、あまり接点がないからなぁ……

『白夜』にでも試供品として渡して、使い勝手を試してもらうかな?


いつもお読みいただきありがとうございます。

「面白かった」「これからも頑張れ」など思っていただけましたらブクマや評価をお願いします。

作者のモチベーションアップにつながります。

毎回の誤字報告本当に助かっています。

感想もありましたらよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版 Unlimited World 第1巻
2019年12月20日発売です!
UW表紙

小説家になろう 勝手にランキング


↓モフモフ好評連載中です お時間がありましたらこちらもよろしくお願いいたします↓

【新装版】うちのモフモフが最強! ~かわいさ最強(当者比)ワンコと行くVR冒険記。目指すはモフモフパラダイス!~


↓新作VRゲーム小説連載始めました 応援よろしくお願いします!↓
銀翼の冒険者がゆくVRMMO冒険譚~ときどき(彼女が)配信中~
仮面鍛冶士は今日も装備を作る ~Braves Beat~


小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ