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間章4.レジャー帰りの小鳥遊立華(イリス)

4話目はイリスのお話。


261話で出てきた旅行帰りの一幕です。


「温泉旅行、楽しかったねー」

「そうですね、なかなか楽しかったです。特にふれあい動物園が!!」

「お姉ちゃんはいっつもそれだよねー」

「これがボクの生きがいなんだよ!」


 私の家族で温泉旅行に行った帰り道、車の中でお姉ちゃんに旅行の感想を聞いてみたよ。

 相変わらず、お姉ちゃんはモフモフした動物のことになると全力疾走だよねー。

 私はそこまでモフモフだけで生きてるわけじゃないけど。


「響も少しは限度を考えなさいね。あの後、大変だったんだから」

「はーい。でも、やっぱりリアルのモフモフも捨てがたいんだよ」

「そういえば、お姉ちゃんの方はゲーム、どうなってるの?」

「そっちはそっちでモフモフパラダイスに向けて全力疾走中だよ! まあ、今のところはレベルが足りなくなってきたからレベル上げもしなきゃなんだけど」

「そうなんだー。確か沙樹さんもやってるんだよねー? 2人でプレイすることとかあるの?」

「うーん、最近だと時々だね。お互い自分達だけでパーティ組めるから、2人で一緒にプレイする機会は減ってるんだよ」

「そうなんだー。こっちのゲームに来る気はないよねー?」

「その気はないよ。こっちだけでも手一杯だからね」


 うーん、やっぱりお姉ちゃんをこっちの(Unlimited)ゲーム( World)に誘うのは難しいかなー。

 ライセンス1つ余ったままだけど、これはもう仕方がないよね。

 私の場合、ライセンスをあげるようなゲーム友達はいないからねー。


「立華の方は調子どうなの? 最近はかなり長時間プレイしてたみたいだけど」

「ああ、夏休みイベントの準備してたからねー。イベントで出来る範囲の限界までログインしてたかなー?」

「響も立華もゲームの話はいいけど、夏休みの宿題は大丈夫なの?」

「ボクの方は大丈夫なんだよ。夏休みが始まってすぐに沙樹ちゃんと一緒に頑張って終わらせたからね」

「私の方も大丈夫だよー。コツコツやっていたから中旬には終わってたよ」

「それならいいけど。あまりゲームばかりやってないで勉強もしっかり頑張ってね」

「はーい、わかったよ」

「うん、わかったー」


 うちの家族は、私やお姉ちゃんがVRゲームにハマっていることを特にとやかく言うことはないかな。

 もちろん、きちんと学校の方でもいい成績を出している限りはだけど。

 お姉ちゃんが一学期の中間テストで微妙な成績だったときは、お母さんに怒られてたからねー。

 お姉ちゃんも普通に頑張ればそれなり以上の成績になるのに、どうして肝心な所で手を抜くかなー。


 その後もお姉ちゃんと情報交換をしつつ、途中のファミレスで晩ご飯を済ませてから家に帰宅したよ。


「2日ぶりの我が家だよ。さあ、2日ぶりのモフモフ達に会いに行くんだよ!」


 家に帰り着くなり、お姉ちゃんは自分の荷物を持って部屋へと猛ダッシュで入っていった。

 こんなところも相変わらずだよねー。


「まったく、響は……。立華はどうするの?」

「うーん、私はそんなに急いでする事は無いかなー」

「そう。ゲームで遊ぶのもいいけど、程々にね」

「はーい。それじゃあ、私も部屋に戻るねー」


 お母さんと話を終えて、私は自分の部屋に戻る。

 旅行カバンの整理は明日でもいいし、今のうちに出来る事をやっちゃおう。


「うーんと、柚月やドワンからのメールは来てないねー。それなら今日はログインしなくても大丈夫かな」


 旅行中はゲーム関連のメールを受信しないようにしてたけど、旅行中のメールを受信しても特に急用が発生してたとかはないみたいだね。

『ライブラリ』の皆には旅行のことは話してあったから問題ないとは思ってたけど。


「さて、それじゃあ、それ以外のメールは何かあるかなー?」


 メールを色々受信していくけど、特に目を通した方が良さそうなものはないね。

 さて、そうなると寝る前にする事は無くなるんだけど。

 と思っていたら、携帯端末にメッセージが届いたみたい。

 差出人は……仲のいい友達だね。


『こんばんは立華ちゃん。今大丈夫?』

「大丈夫だよ。どうしたの?」

『立華ちゃんってUnlimited Worldやってたよね?』

「やってるねー。Unlimited Worldで何かあった?」

『私も始める許可がようやくもらえたんだけど、最初ってどうすればいいのかな?』


 最初かー……

 まずは何から手をつけたっけ?


「何をやりたいかは決まってるの?」

『うーん、特に決めてないかな。普通の人は最初どうするのかなと思って』


 普通の人か……

 私の場合、普通とは言えなかったからなー。


「私は最初から生産職で始めたからあまり参考にならないと思うけど、まずはVRでの戦闘になれるところからかな」

『私、VRRPGって初めてなんだけど大丈夫かな?』

「慣れれば何とかなるよー。最初は大変かもしれないけどガンバ」

『ありがとう。そういえば、装備ってどうやって入手するの?』

「他のプレイヤーから購入するのが一般的だねー。お金はゲームの中でクエストを受けて稼ぐ感じかな」

『そうなんだ。ちなみに立華ちゃんって装備を作れるの?』

「作れるけど私の作った装備だと、装備品の性能がよすぎて初心者には使えないよー」

『そうなの? 特に装備制限とかはないって聞いてたけど……』

「装備するだけだったらいくらでもできるけど、ステータスが足りてないと武器も防具も上手く扱えないよ。例えば、武器が持ち上がらなかったり、防具が重くて上手く動けなかったり」

『そうなんだ、全然知らなかったよ』

「まあ、その辺は攻略サイトとかを見た方がいいかなー」

『攻略サイトってどんなところがあるの?』


 攻略サイトかー。

 ええっと、初心者向けはこんなところかな。


「色々あるからメールで送っておくね」

『うん、ありがとう。それじゃあ、立華ちゃん、また学校でね』


 メッセージをくれた友達に攻略サイトの情報をメールで送ってと。

 この辺の攻略サイトの情報とか、教授にもらったものばかりだけど、大丈夫だよね?

 私はもう慣れてるから気にしないけど、初心者には難しかったりしないかな?


 ……とりあえず、メールを送った後は追加のメッセージは来なかったから大丈夫だったんだなと思う。

 私のゲーム歴も長くなってきたからねー。


 最初は何の気なしに応募したβテスターに当選したことがきっかけでゲームを始めたんだよね。

 その後、自分で自分の武器を作ってたんだけど、木工が楽しくなっていつの間にか木工系ではトップクラスの腕前になってたんだっけ。

 私はあまり知られてなかったからクランの勧誘とかは受けたことがなかったけど、後から柚月達に聞いた話だとすごい大変だったみたいだからねー。

 クランはβの時にお得意様だったトワに誘われて『ライブラリ』に入ったけど、自由にやれてるから問題ないかな。


 ……うーん、別に今日ログインする必要はなかったんだけど、色々考えてたら少しゲームをやりたくなってきたよ。

 特にする事も無いし、寝る前に少しだけログインしてみようかな。


 さて、それじゃあ、Unlimited Worldの世界へ2日ぶりに出発!

いつもお読みいただきありがとうございます。

「面白かった」「これからも頑張れ」など思っていただけましたらブクマや評価をお願いします。

作者のモチベーションアップにつながります。

誤字・脱字の指摘、感想等ありましたらよろしくお願いします。


これで間章は終了です。

次話より第8章に入ります。



~あとがきのあとがき~



ライブラリメンバー最後、イリスのリアルでした。

書いてみるとおじさん以上に書きにくかった……


なお、既におわかりの通り、イリスはうちモフのリーンの妹です。

初期設定の時点で姉は別のゲームをやってる事になっていたのですが、せっかくなのでクロスさせてみました。


以下、イリスのパーソナルデータです。



リアル名 小鳥遊(たかなし) 立華(りっか)


一般的な公立中学校に通う中学2年生。

MMOをプレイするのはUnlimited Worldが始めてだったりする。

(オフライン系のVRゲームはそれなりに遊んでいた)

身長は151cmほど。

リアル側では一人称は『私』であり『ボク』ではない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 時系列的には逆なんだろうけどここでもふもふの方と繋がるのか なんか見覚えある口調にもふもふ狂いだなぁとリーンちゃんの名前見返してきて気付いたわ なるほど妹が始めた新作ってこれか お互いの一話…
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