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ヒロインがスパイ! ~~女神様にリサイクルスキル貰いました~~  作者: かのね
第一章 学園編という名のプロローグ
2/11

第二話 女神に楽しいチートを貰いました……。


名前:カーラ・ルクレン Lv28

種族:人間

職業:暗殺者

スキル:【剣術Lv2】【体術Lv2】【気配察知Lv3】【状態異常耐性Lv3】【楽しいリサイクルLv-】【アイテムボックスLv1】

称号:<巫女><ルーファアースの加護><見者>


 これが私のステータス。

 でもちょっとまって、私コレシラナイ。

 スキル二つも生えてるんですけどぉ! 私があんなに頑張って生やしたスキルが新たに二つも生えてるんですけどぉ! てかどう見てもユニークスキルなんですけどぉ!

 ふーおちつこーおちつこ。


 先ず名前、これはおっけ。レベルも私が知ってるレベル。魔物の群れの真ん中に放りこまれて頑張ってあげたレベル。次に剣術、体術、気配察知に状態異常耐性は知ってる。というかこれ等は頑張って死にかけながらも取得とレベルを上げたスキル。知らないのは後の二つと称号の三つだ。称号の一つは私がずっと覚醒できなかった奴だけどさ。

 まぁいい、取り合えずスキルから見ていくか。

 頭の中に浮かび上がっているステータスの更に知らないスキルに集中する。


【楽しいリサイクルLv-】

魔石をリサイクルすることでいいことがある。

【アイテムボックスLv1】

本人専用の亜空間に繋げ、多量の物を入れることが出来る。


 あっはっは、なんだその説明。

 アイテムボックスはいいよ、持ってる人少ないけど実際に存在するスキルだし。

 もう一つだよ、何だよ楽しいリサイクルって、ねぇ何が楽しいの? 女神様が楽しいの? 

 はぁ……まぁこれは後でやってみましょう、きっといい効果があるに違いない。

 じゃあ称号もみよう。


<巫女>

光魔術を操る者に与えられる。


<ルーファアースの加護>

創造神ルーファアースの加護。あらゆる言語機能が備わると共にレベル上限が無くなりレベルが上がりやすくなる。またルーファアースから神託を受けることが出来る。


<見者>

自らのステータスを欺き様々な情報を得られる。一日一度だけ姿を変えることが出来る。

 

 チートか! 

 スキルよりも称号の方がチート臭いわ。

 いやね、私にある分には有難いからいいんだけどさ、レベル上がりやすくなって上限超えるとか私を化け物にする気なのかな? ていうかあの女神様創造神かよぉ! まぁ確かにこれだけ好き勝手出来るなら間違いないけどさぁ。

 あとこれ読みかたケンジャでいいのかな、このスパイ向けのスキル。絶対女神様スパイ生活楽しみにしてるじゃん、勘弁しとくれよぉ。


 それと巫女ね……試してみるか。


 私は目の前に蛍のような小さな光を浮かぶようにイメージする。すると確かにイメージ通りに光はそこにあった。


「はは……はぁ」


 魔術を使える者は珍しいどころの話ではない。実際しがない子爵令嬢が第二王子とかにアタックして周りが納得したのはこれのお陰だ。

 魔法ならば使える人は結構いる、詠唱してイメージを放つ、無詠唱は無理。でももし無詠唱が出来てしまったらそれはもう魔法のスキルではなくて魔術、何かしらの称号だ。そしてこういった称号を持つ者は大抵魔力がかなり多い。私もスパイ教育中に羨ましがられるほどに魔力が多かった。

 はじめはこの魔力でも使って魅了の魔法でも覚えるのかと思ったら、そんなことしたらすぐばれて殺されるらしいので断念した。

 

 ステータスの確認もしたし、さっさと行くか。私はまだダンジョンの中なんだから。


 よいしょと立ち上がりボス部屋への道のりを行く。


「ん?」


 折角手に入れたので試してみよう。私は光を収束させてビームのような効果を持たせたものを手から魔物が来ている方向に放った。

 レンガ造りの迷路型ダンジョンがその光で更に明るくなり、遠くから魔物の鳴き声が聞こえてきた。気配的には死んでいるらしいが警戒しながら近づく。さっき一回やらかして女神様が来てくれなかったら死んでいたからね。


 近づくと毛皮と魔石が落ちていた。今回のテストは次のボスの魔石の納品なので此処の魔物の魔石とドロップをどうしようと私の勝手だ。……だがもしかしたら私の後を付けている奴がいるかもしれない、でもそうなると一瞬で怪我が治ったのが見られたことになるのか。その時は言い訳を考えよう、一応気配はないけど可能性は捨てきれない。

 私は魔石だけローブの内側の皮鎧のポケットに突っ込んで先に進む。

 てかビーム出しちゃったし見られてたら正直に魔法使えるようになったわって言おう、そしたらスパイとかしなくて良くなるかも。……帝国に飼いならされるか強制監禁はされそうだけど。


 しばらく行くとボス部屋に辿り着いた。途中襲って来た魔物の魔石は回収済み、いくつかはポケットに入れるふりをしてアイテムボックスに滑り込ませた。

 

 大きな扉を押して入ると、赤鬼がいた。

 赤鬼と言う魔物では無くてレッドオーガだけど。人の身の倍はある身長と筋骨龍の赤い体。額に角があるので正しく赤鬼だ。


「ちゅどん」


 でも光魔法で上からレーザー攻撃してみたら死んだ。結構な温度らしくてオーガが焦げてた。ちゅどんと言ったのはなんとなく、実際は音とかほどんどないし。言うならばジュッて感じかなぁ。

 魔石になったレッドオーガとあんまり気にしなかったけど取り巻きの魔石を回収。レッドオーガの皮は鎧にもなるので回収。勿論帰ったら提出。


 出来るかは分からないが帰る前にステータスを偽装してみる。頭の中であーだこーだして納得のいく出来になった。


 五階層ごとのボスを斃すとボス部屋の真ん中に帰還用の魔法陣が現れる。今回も現れた魔法陣に乗ってさらばダンジョン。ダンジョンを出るとふと横に気配を感じる。


「クリアしましたね」

「ハッ!」

「よろしい、では成果を渡してください」

「此方になります」


 きびきびと拾った皮と魔石を渡す。裏のお仕事と言っても割と軍に近いのでちゃんとした返答が必要なのだ。


「確かにレッドオーガですね、これで貴方も我々の一員と認めましょう、と言っても貴方はこれから直ぐにルクレン領に戻って学園に行く準備をしなさい」

「ハッ」

「馬車は既に手配してありますから直ぐに向かってください」

「了解いたしました!」

「流石に子爵が大物を釣るのは大変ですがやってやれない事は無いでしょう」

「ハッ! 一つ宜しいでしょうか!」

「発言を許可しましょう」

「光魔法が生えました!」

「それは本当ですか?」

「ハッ」

「ならば上を堕とす事も出来るでしょう、貴女には期待していますよ」

「了解です!」


 敬礼の後既に用意されていた馬車に乗り込む。

 実は光と闇だけは魔法でも囲いたい人材なのだ。なにせ光魔法と闇魔法は攻守ともに万能で、遺伝することが稀にある。他の魔法はまぁまぁの確立で遺伝する。

 そしてレア度で言えば光は闇の上、なので今の報告も実は私が帝国に囲われてしまう可能性も秘めていたのだけれど、任務的にこれくらいのアドバンテージが無ければ成功なんて無理だ。勿論逃げる事は出来るけれどもその後裏を知っている私を逃がすまいと追って殺り合うことになるだろうことは必須。なれば仕方なしにでも任務を頑張るしかない。ばれたら死ぬけど。


 因みに光魔法についてはステータスを偽装させて生やした。あの場でもし本当か確かめられてもいいようにだ。ただ死ぬ間際の事を言及されなかったことから本当に一人で放りこまれていたのだろう。それは良かった。私はこっそりとポケットに入れてある魔石に触れてアイテムボックスに入れこんだ。


 どんぶらこーと馬車が揺れて、私はいくつかの街を超えてあぁ懐かしき故郷の国に帰ってきた。執事さんは嬉しそうに私を迎えてくれた。なんでも逸材の発掘に貢献したとかでお金がもらえたらしい。

 お父様は相変わらずで今も部屋でゆっくり読書をして過ごしているらしい。この屋敷で何も知らないのはお父様だけだ。だって帰って来たメイドや執事がほぼ総取り換えさえていた。知っている人もいたけれども、その人たちは帝国の手の者という事だろう。執事さんに呆れた目を向ければ、ニヤリと笑われてげんなりした。


「学園には此方の侍女を付けます、リリアです」

「リリアと申しますお嬢様、学園では様々なサポートをさせていただきます」

「カーラよ、よろしくお願いしますわ」

「はい、カーラ様」


 お前の事見てるからな、しっかりスパイしろよ? という意思が見える。私の監視も含まれての業務だろう。佇まいもそこそこしっかりしているが王宮にいる程ではない、だけれどもそう演じられているという事はこの人も中々の人物であるという事だ、油断できない。


「あと明日から私は逃亡の為変装します」

「……かしこまりました」


 実際私の外見はヒロインだけあって結構いい。言うならば元気印の女の子だ。だが何かあってこの国を追われることとなった時、変装して逃げることは出来るけどその後どこかで見つかる可能性がある。だからこそ最初から変装しておいて必要になれば変装を解いて置く、そうすれば見つからないだろう。


 さて、明日から忙しくなるわ。






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