表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アビリティリングの秘密  作者: 9741
第9章 帰還
52/65

裏切り

「ユウっ!!」

「ユウさん」

「……」 


 車田くん氷華ちゃん空くんの三人が私達のもとに駆け寄ってくる。


「……やつで、離れていろ」 


 そう言って、ユウは私をそっと突き放した。


「なんだよユウ! やっぱり生きてやがったか! オレは信じていたけどな! お前は絶対に生きている――」 


 一瞬、何が起こったのか、分からなかった。 


 突然空くんに向かって殴りかかったのだ。 


 それを見た車田くんが瞬時に反応。ユウの拳を受け止めた。


「どういうつもりだ、ユウ!」

「……できれば一番厄介な空を先に倒しておきたかったんだがな。仕方ない、まずはお前からだ車田」 


 そう言ってユウは車田くんの足を払い、態勢を崩す。その隙を狙って、ユウは車田くんを攻撃しようとした。


「shoot」 


 だが、そう簡単に事は運ばない。 

 氷華ちゃんがユウに向かって水鉄砲を発射する。ユウはそれを避けるため、車田くんへの攻撃を中断し、横に飛んだ。


「さ、サンキュー吹雪!」

「どういたしまして。……もう一度聞きます。どういうつもりですかユウさん。何故わたくし達に攻撃を?」 


 指の銃口をユウに向けたまま、氷華ちゃんがユウを睨む。


「そ、そうか分かったぞ! ユウはそのヘンテコな機械に操られているんだ! そうに違いない!」 


 車田くんが叫んだ。 

 彼の言う通り、ユウは操られている可能性がある。でなければユウが皆を攻撃する理由が無い。


「悪いがこの機械はただの通信機だ。そして、攻撃したのは俺の意志だ」 


 ユウの眼には殺気が満ちていた。


「洗脳にせよ故意にせよ、ユウさん。今のあなたを危険分子として判断し、身柄を拘束させてもらいますわ。vapor」 


 目には見えないけど、言葉から察するに氷華ちゃんは水蒸気を発生させたようだ。酸素不足でユウを気絶させるつもりだ。 


 でも。


「残念だが、俺に窒息は効かん」 


 ユウは瞬時に氷華ちゃんに飛びかかり、彼女の腹部を殴った。


「うぐっ!!」 


 氷華ちゃんはその場にうずくまる。


「てめえ!!」 


 氷華ちゃんが蹴られ、怒った車田くんがリングを発動し、炎の右拳でユウに殴りかかる。 

 ユウはその攻撃を素手で受け止めた。


「どうした? いつもより火力が弱いぞ。それともかつての仲間である俺に情でも湧いたか?」

「くっ……!」

「悪いが今は、敵同士だ」 


 そう言ってユウは車田くんに頭突きを喰らわせる。 

 頭突きでひるんだ車田くんの腹部をユウは蹴り、車田くんは後ろに飛ばされた。 


 その時だった。 


 ユウの上空から何本もの倒木や岩が落下してきた。ユウはそれに押しつぶされる。


「……」 


 空くんだ。 常盤空くんが何処からか瓦礫を転送し、それをユウにぶつけたのだ。 

 瓦礫の中からユウが飛び出てきた。


「やはり。その能力は厄介だな。だが弱点はある。その力はお前の鋭い観察眼が要だ。つまり……」 


 ユウは地面を蹴り上げ、砂を巻き上げる。 

 砂埃で視界が遮られる。 


 砂埃が晴れると、そこには倒れている空くんと、それを踏みつけるユウがいた。


「まずは、一人」

「やめてユウ!」 


 私は叫ぶ。私の声に反応して、ユウは攻撃するのを停止した。


「どうしてよユウ、どうしてこんな酷いことを……」 


 何かの間違いだと思った。そう思いたかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ