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17-クレーマーはお引き取り願います

閲覧して下さりありがとうございます。


素人丸出しのハイファンタジー物ではありますが


生温かい目で見守って頂けると幸いです。


今話は多少下品な表現が多分に含まれております。

乱暴な口調が苦手な方は閲覧注意。

それでも大分マイルドにはしました。はい。     

ガイドラインは遵守せねば…


更新は不定期(気が向いたら)となっております。

「__始原ノ門二至リシモノヨ

 裁定ノ約定ニヨリ願イを叶エヨウゾ」


「な……門がしゃべった!?」


なんだ、この腹に響くようなデスボイス…ウェッ。

まるで何人かが同時に話してるかの様な感じがする。

また耳栓しようかな…このタイプの声はどうも苦手だわ。


ギョロッ!


突如、門の中央部に巨大な『眼』があらわれた!

うぅわきんも!こっち見んなし!


コマンド〉


〉たたかう

 にげる


コイツが俺の敵なら戦いの一手なのだろうが

こちとら勇者の剣どころかひの○のぼうすらない

一応神様(脳筋)である。話にならん。ぺっ。

…まぁいざとなったら拳一丁でなぐればよろし。


…って今、願いを叶えるって言いました?


ふぅむ。どうも様子がおかしいな。

問答無用!ってつもりだったけど予定を変更。

様子見を挟むとしようか。柔軟性は大事よ。うん。


俺は目玉を直視して言葉を放つ。


「あなたは私の言葉が理解出来ますか?」


まずは牽制のジャブから。シュシュッ。

さぁどうくる?


「サア至リシモノヨ。願イヲ述ベヨ。

 対価ト引キ換エニソノ願イハ我ニ届クダロウ」


…あー。これは話が通じない奴っぽいなぁ。

敵意は感じないけど、このデスボイスからはさっさと

オサラバしたい所なので…


「では、私を元の場所に戻して下さい」


願い、叶えてくれるんだろ?

命以外なら詫び賃いくらでもやるからさぁ。

あ。今手持ち無いから後払いでもいいかな?


今頃、俺を心配してるであろう小さな神様の所へ

俺をさっさと帰しておくれ。

親として放っておけないのよ。あの神様はさ。

…俺も親馬鹿だなぁ。



「ソレハナラヌ。汝ハ我ニ祈リ、ソシテ願ッタ。

 故ニソノ願イハマカリ通ス事能ワズ。

 至リシモノヨ。願イヲ述ベヨ。」


ピキッ。


「私は何も要りませんので。帰りたいんですよ」


「ソレハナラヌ__」


…プッツン!

あーもうあったまに来た!

願いだのならぬ!だの訳分からん事ばかり言いやがって。


ツカツカと、開いた門扉に歩いていく。


「我ニ触レル事ナカレ。ソレハ汝に災イヲモタ__」


「お客様はなぁ!神様じゃあねぇんだよぉ!」


ダッシュからの振りかぶり全力グーパン。相手は死ぬ。

いや死なないけどね。精々歯が数本と顎が割れるだけ。

相手は人間じゃない。…全力で行くぜ?


ゴォォォン!


金属(何の金属かはしらないが)製の扉に大きな凹み。

くぅー!振動が骨の芯に響くぅ!まだまだぁ!


「キサマ…一体ナニヲ__!」


「お帰りはこちらですよお客様ぁぁ!」


ゴォォォン!…メキッ


合いの手で同じ所をピンポイントでブチ抜く。

凹みが更に深くなり、扉が僅かに歪み始めた。


「ヨセ、ソレ以上ハ__」


「金属だか何だか知らねぇが!俺は脳筋族さぁぁ!」


ゴォォォン! ゴォォォン!


間合いを取り直して左右のワンツー二連打。

拳の皮が少し捲れているが、今の真人は気にしない。

ランナーズハイならぬノーキンハイである。


ベキベキベキ…


見れば10メートル以上はある鉄門扉の片方だけが

まるで巨大なハンマーで打ち付けられたかのように

くの字にひしゃげていた。


下側の蝶番は既に壊れ、上と中を残すのみ。

既に中も軋みを上げ始めている。


「タカガ人間如キガ…我ニ背キシ裁キヲ受ケヨ!

 〈命奪の呪い〉(メイル・カースブレス)!」


グモォォォ!


扉の中でウネウネしていたミミズの群れが、一斉に

真人に向かい、黒い霧を吹きかける。


「くせぇな…吐くんなら、外にしてくれませんかねぇ!?」


ゴォォォン! ゴォォォン! ゴォォォン!


…パキンっ!ミシミシミシ…パキンっ!…ズドーン!


中央部の蝶番が壊れ、一点にかかる自重に耐えれず

上の蝶番も壊れ、とうとう扉は地に落ちた。


「何故ダ!?人間如キガ我ガ呪イヲ受ケテ何故動ケル!」


「…あぁ?あんなゲロ如きで俺が泣くとでも?

 接客業を舐めてる?舐めてんのか?あぁ?」


真人はグルッと反転。反対側の門扉へと向かう。

本人は全く気付いていないが、拳からは血が流れ

利き手の右に至っては僅かに骨が見えている。

だが…そんな真人に苦痛の色は無い。笑顔なのだ。


(コ奴ッ…狂ッテオルノカ!?)


門の主は、初めての「恐怖」に戦慄していた。


グモォォォ!


グシャッ ブチチチッ!


「…きったねぇミミズだなぁ。釣りの餌にもなりゃしねぇ」


扉の中に手を突っ込み、引きちぎり、投げ飛ばす。


配下のカーストノーム。

呪いのブレスである〈命奪の呪い〉(メイル・カースブレス)を持つ門の守護者。

一介の人間はブレスはおろか、触るだけでも死の呪いに

蝕まれ、そして死ぬ。これが絶対であった。


…だが、目の前の人間はどうなっているのだ。

ブレスを「臭い」と一蹴し、守護者を平気で引きちぎる。

果ては鉄壁のはずの門扉を易々と、しかも素手で破壊した。

人間は何が面白いのか、ケタケタと笑っている。

神の一柱である我をものともせず。恐れる事もない。


(…狂ッテオル。理ヲ外レタ堕落セシ者(フォールン)カ)


ゴォォォン!


…再び門扉が殴られ始めた。

このままではいずれ、もう片方も壊されてしまうだろう。

門扉が無くなれば、次は…明白である。


〈…是非モナシ。堕落セシ者ニカケル慈悲ハナイ!〉


この『門』は古来からある七神の一柱である。

創造神により作られた七神は、各々の領域を守護しつつ

世界に恵みを与え、時には容赦なく奪う。


世界の管理者とは違い、介入が許される存在。

それが今、たった一人の人間によって滅亡の危機にある。

__神の決断は迷う事無く。


〈__我ガ御名ニオイテ断罪ノ裁定ヲ下ス。

 理カラ外レシ者ヨ、己ガ罪ヲソノ身ニテ贖エ。

 再ビ還ル事能ワズ。…〈輪廻消失〉(ロスト・メビウス)!!〉


漆黒の闇に一条の光の点が現れた。そこから降る

天使の輪のようなリングが、次々と真人を中心に

何層にも積み重なっていく。


まるで光の塔とも言える状態にまで積み上がると同時に

塔の内部から光の柱が空へと打ち上がる。

残滓の光の筋が漆黒の闇を僅かだか明るく照らした。


〈…終ワッタカ〉


__そう呟いた神の名は『強欲の神 ガノダロス』。


自らの欲の為に人々から奪う傍ら、その欲で集めた

財や知識を分け与える混沌の神である。


…ゴォォォン!


…だが、そんな神の願いはあっさりと破れるのであった。

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