表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/58

『神は救わず”死”を与える』

 ああ、何故なのでしょう。


 何故、神は我等を救ってくださらないのでしょう。


 何故、人には"死"が憑き纏うのでしょう。


 何故、私の愛する伴侶は、左胸から血を流しているのでしょう。


 何故、私の愛する飼い犬は、ガラスの破片まみれになっているのでしょう。


 何故、私の愛する息子は、頭に刃が突き刺さったまま、変な笑みを浮かべているのでしょう。


 何故、私の愛する娘は、穴から液体を垂れ流しながら、手足を痙攣させているのか。


 何故、私は――。




 「どうか、安らかに――」




 祈りの囁きが響いたと同時だった。

 首から下を駆け巡る氷の戦慄に、手足は魚の様に揺らぐ。

 炎に濡れていくような感触と匂いに、心だけがのたうち回る。

 血を叫ぶような悲嘆、業火のごとき憎悪を残して。



 やがて、血腥(ちなまぐさ)い沼底へ引き摺り込まれていく――。




 ああ、何故――神は私達へ"死"を与えたのですか。




***


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ