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『 或る聖なる罪人の呟き』
神は我に一切を与えなかった――。
主たる女神は教え説いた。
人が生まれてくるのには、必ず“意味”がある。
一つは種と世界の存続のために。
あるいは、未来への希望を託すために。
人が生きているのには、必ず“意味”がある。
一つは責任と義務を果たすために。
あるいは"幸せ"になるため。
しかし、いつか人は必ず"死"を迎える。
生にも意味があるというのなら、死にもそれがあって然るべきだ。
花は咲き散った後、種を土に還すことで、新たな命を芽吹かせるように。
神は我に一切を還さなかった――。
人は何のために死ぬというのか。
何故、私の愛する者達は死ななければならなかった?
何故、あの時に、あの場所で、あの様に死ななければならなかった?
何故、同じ人間が私の愛する家族を奪っていったのだろう?
何故、神様は彼らを私の元へ還してくれないのだろう?
神も誰も一切を与えないため、私は自ら答えへ辿り着くしかなかった。
人が"死ぬ意味"を――。
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