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桜散るとき

君が笑顔を忘れてしまい

すでに幾年も経て

我思う君の幸の行方


暁に流す君の頬の涙

悔しさに噛む唇の鮮血を

胸を痛めつつ眺む日々に

手足を封じられし達磨のような思い


春のある日

君は心に意を固めて

穏やかな清流

町を流れ行く川に

一石を投じて

波紋を呼び起こす


花びらはすでに散りて

碧き葉は生い茂り

木陰は地を覆い

吾人に涼をもたらす


悪しきかな悪しきかな

財に任せて力を振るい

偽りの善言美詞にて人を誘い

八つ脚の化け物の巣の如くに

万人の自由を奪い

生活の糧を絞り啜る


さらに言葉を重ぬるは

這ふ虫の牙の毒

誠実をも挫き

労働の汗を醜と呼ぶ


我ともに願わくば

その骨の朽ちて腐り落つることを

その手にある積み上げたる宝

色褪せて

価値失われんことを

その家名

歴史より消え去り

生きた証しは塵の如くに

掃き捨てられんことを


愛情も憎しみもなく

ただ無であることを

我は真に望みつつ

君を心から守護いたす


神々に仕えし眷属の誇りにかけて




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