会社の教訓その3:パワハラとは自分の発言がパワハラだと想定できない人が該当する
お互い意識を取り戻したが、全く身に覚えのない世界!そこに現れた神。
一方的に自分の意見を押し付ける…。これって会社で言ったらパワハラなのかな。
そもそも神様にパワハラって通用するのかな?
岡田は目が覚めて周りを見渡したが全く見覚えのない景色が広がる。
そこにもう一人の人が倒れている。
「あれ?俺何してたっけ?」
「確か出勤中だった気がするけど…」
「あ!会社行かないと!」
「ってかここどこ?」
「そして人も倒れているからまず介抱しないと…」
今置かれている状況がわからないまま岡田は柳瀬を介抱しに向かう。
「すいません。大丈夫ですか?」
軽く肩を揺さぶり、顔色を伺いながら声をかけている時に、柳瀬が目を覚ます。
「ん…。あれ?ここどこですか?」
「大丈夫ですか?私も先ほど目が覚めたんですよ」
「ここがどこかも全くわからないし、会社に行かないといけないのに…」
2人と今の状況がわからないまま時が過ぎた頃…。
空から何かが降りてくる。
そこに降りてきたのが家庭円満の神である。
家庭円満の神が満面の笑みを浮かべながら話し始める。
「あなた方は選ばれたのです」
「私が管理している世界を良きものに変えてくれる人材なのです!!」
2人は頭が真っ白になった。
家庭円満の神が言っていることが理解できなかったのだ。
なぜなら2人は選ばれる前に、自分の仕事があるので早くここから帰りたかった…。
「あの〜よくわからないのですが、私は今日の面接が8件あるので早く帰りたいのですが」
「早く会社行かないと遅刻して社長に怒られるんですけど」
「私も早く戻して下さい」
岡田と柳瀬は家庭円満の神に意見を言ったが無駄だった。
「あ〜自分の世界に戻りたかったら私の願いを叶えたらお返し致します」
「それとも今ここで跡形もなく消えて無くなりますか?」
脅しに近い勢いで2人に言い包める。
何故なら家庭円満の神も必死なのである。
ここで2人が帰られては自分の世界が無くなり、自分の存在も0からスタートするのは避けたい。
「その願いってなんですか?」
「まず要件を教えて下さい」
家庭円満の神は微笑みながら伝えた。
「まず2人には2つの国が仲良くなるために動いて頂きたい」
「そして2つの国が仲良く生活ができるようになったら元の世界に戻してあげます」
2人からすると人事の仕事をしているので、そこまで難しいと感じなかった。
そもそもそれで元の世界に帰してもらえるなら、さっさと終わらせてしまおうとお互い見つめ合いながら頷いた。
「わかりました」
「それがお望みであれば我々が叶えましょう」
「それで2つの国とはどんな国ですか?」
「そうですね〜。説明するより行っていただいた方が話が早いのでお互い別々の国に行って頂きます」
「え?お互いが別の国に行くんですか?」
「はい!まずはお互いの国を良くしてから2つの国を1つにまとめて下さいね」
「どちらの国に行くか私の方で決めますのでいってらっしゃ〜〜い」
家庭円満の神が2人に閃光を浴びせた。
「うわぁ〜〜〜〜」
「ぎゃ〜〜〜〜〜」
2人はまた意識を失う…。
少し時が経ち、岡田が目を覚ます。
そこには全く知らない天井があった。