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新約・創世記

作者: 天パ人

創世記が本当のことだなんて、誰も言っていない。

神は、退屈していました。

そこで神は自分の家の隣にある模型店に行き、プラモデルを4000箱ほど購入しました。神が杖を一振りすると、瞬く間にすべて出来上がってしまいました。


神は、退屈していました。

そこで神は自分の家のお向かいにあるゲーセンに行きクレーンゲームをしました。神が杖を一振りすると、瞬く間に景品を手に入れてしまいました。


神は、退屈していました。

模型店とゲーセンと自分の家しかないこの空間では、自分の心は満たされない。

そう思った神が杖を一振りすると、瞬く間に光、闇、大空、海、その他もろもろのカオスを作り出しました。

当初の建造計画では7日間かかるはずでしたが、案外すぐにできたので神は喜びました。


しかしそれでは飽き足らず、神が杖を一振りすると、瞬く間に一人の少年が出来上がりました。

神はその子を、寿限無寿限無、五劫(ごこう)のすり切れ、海砂利水魚(かいじゃりすいぎょ)水行末(すいぎょうまつ)雲行末(うんぎょうまつ)風来末(ふうらいまつ)、食う寝るところに住むところ、やぶら小路(こうじ)ぶら小路、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命(ちょうきゅうめい)、長久命の長助(以下寿限無(アダム)とする)と名付けました。


寿限無は神に連れられ、神の実家の「エデン」という名前の果物店を手伝うことになりました。

一時間につき300円あげると神が言うと、5億倍にしろと言われたので、神は自給1500億を寿限無に渡すことになりました。

しばらくすると、急に寿限無は泣き出し、こう言いました。

「ぼっちつれー」

見かねた神が杖を一振りすると、瞬く間にその辺の物体から様々な生命を生み出し、最後には寿限無のあばら骨から女の子が出てきました。

寿限無は彼女の名前をクルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラッターナラーチャタニーブリーロム・ウドンラーチャニウェットマハーサターン・アモーンラピーンアワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシットと名付け、めんどいので略してイブと呼ぶようにしました。

イブはたいそう喜びました。

そして神は二人に、店の商品は食べてはいけないと伝えました。


二人が「エデン」でのバイトを始めてから何日か経ちました。ある日、緑色の細長い生き物がやってきて自分は蛇という生き物だと名乗り一緒にバイトさせてほしいといいます。

仲間が増えることに彼らは喜び喜んで迎えいれました。


ある日のことです。寿限無が奥の部屋でカシスウーロンを飲んでいるとき、蛇は言いました。

「イブさん、この果実おいしそうじゃないっすか?」

そういって、段ボールの中の実を一つ取り出して言いました。

「でも…神様に食べちゃダメって言われてるもの…」


(かくかくしかじか)


パクッ、モグモグ、ごっくん。

それは今まで食べたことのないような素晴らしいとろけるような味でした。

カシスウーロンを飲み終えた寿限無ともシェアしました。

ハッと気づくと、二人は裸でいることに気が付きました。恥ずかしくなった二人は顔を真っ赤にしながら、神が生み出した、ユ〇ク〇でナイスなコーディネートをきめました。

帰り道、神が自分たちの近くを歩いてくる気配がしたので、急いで電柱の後ろに隠れました。

神は千里眼を発動させ、一瞬で二人の居場所を見抜きました。

「なぜ隠れているのだ」

(DOKIDOKI)

「早く出てくるんだ」

(WAKUWAKU)

「尺とんなよー」

「ひいっ」

二人は電柱の陰から出てしまいました。

神はその姿を見て愕然としました。

「売り物の果実を食べるなんて…バイトテロかよ…」

「それは、あの蛇に騙されたからなんです。」

イブが説得しようとするも、神は眉間にしわを寄せたままです。

「オワタ」

寿限無はすべてを察し、エプロンを投げ捨てました。

「へたこいたぁー」

イブもエプロンを投げました。


彼らは「エデン」を追放され、就職先を見つける壮大な冒険に出かけることになったそうです。

めでたし、でめたし。







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