淡い希望
いつも通りならばたくさんの人やお店で賑わう所なのだが風哉と松田さんが目にしたその光景は、2人の淡い希望をどん底へと叩き落とした。横転しまくっている車、大量のバラけた死体、それに群がる多くの奴ら、、、
風哉 「警察が来れなかったのはこのせいだったのかよ、、もう警察や消防はいないのか、、?」
松田さん 「分かんないけど、、、教室に横たわっていたのはクラスメイト数人だから、ユキや風哉の友達もどこかで生きてるんじゃない?」
風哉 「だといいんだけど」
??? 「ゔぁぁぁぁあぁぁぃぁぁぃぅぁあ」
横から奴が襲いかかってきた
風哉 「くっっそ」
更衣室にあった小さいモップで押し返す。幸い、相手は理性を失ってる様なので力はそこまで必要ではなかった。だがもちろん大通りにいる奴らにバレない訳もなく、2人は一斉に視線を感じた。
松田さん 「風哉!はやく学校戻ろ!」
風哉 「でも学校にもアイツらが、、、」
松田さん 「ここにいるヤツらより断然少ないよ!体育館は今日誰も入ってないはずだから中にもいないと思うし、そこで携帯使えれば他に生きてる人がいないか探せる!」
2人はダッシュで柵を飛び越え学校に戻る。
非常階段を登り更衣室に戻る。更衣室と体育館は繋がっているので、ゆっくりと中を確認する、誰もいない。
2人は体育館に入ると舞台に登り横についてる階段で2階に登った。
風哉 (くそっ、もっと早く携帯でみんなに連絡を取っていれば何か知れたかもしれない、松田さんと一緒にいれる空間に満足しすぎて携帯を見てなかった)
風哉 「血の跡、、?」
階段の手すりにはべっとりと血が付いていた。
松田さん 「ヒッ、」
慌てて手で口を抑える。
2人はモップを構えて登る。登るとドアが2つあった、
2階の客席に繋がる通路と備品がある部屋である
ゆっくり備品のある部屋に手をかける。
ガチャ、ガチャガチャ、、、
風哉 「鍵がかかってる」
その次の瞬間である
??? 「誰だ?!!」
聞き覚えのある声、、、 未知斗だ!
風哉 「俺だ!風哉だ!隣に松田さんもいる!」
未知斗 「そうか周りにTはいないな?」
風哉 「T?あぁ、奴らのことか、、体育館には居ないぞ!」
未知斗 「わかった」
扉がガチャっと音を立てて開く。そこには見覚えのある顔の数々、凛、ズエ、ユキ、未知斗、同じ部活の仲間、多くではないが知ってる人はまあまあいた。
風哉 「良かったみんな、生きてたんだ」
凛 「当たり前だ、俺らはあれを食べてないからな!!昼休みに配られていた饅頭をくったやつはあらかたTになってしまったが、、松田さんも体育倉庫に閉じ込めて怖い思いをさせてすまなかった!!」
松田さん 「良がっだァァァァよォ」
松田さんとユキが抱き合ってる
よっぽど不安だったのだろうか、凛が急いで扉を閉める
凛 「迎えに行けなくてすまなかった、昼休みが始まった途端みんな急に倒れだしてな、脈を測ったりしても反応がなくて10分くらいあたふたしてたら急に倒れてた奴らが起き上がったんだ、目や鼻や口から気持ち悪い液体を出しながらだけどな、」
未知斗 「最初はみんなわかってなかったから避難が遅れたんだ、さっきまで話してたクラスメイトが襲ってきても殴り返すことなんてできないしな」
ズエ 「それで慌てて体育館までみんな逃げてきた。正面の扉は思ったより頑丈だったからな、でも時期にここもやばいだろうな」
風哉 「でも、あいつらモップで押したら尻もちつくくらいだし、みんなで固まれば安全なとこまで行けるr」
??? 「バカ言うんじゃねぇ」
先輩だ、、それも3年生の伊達先輩だ
伊達先輩 「今ネットで千十の中央駅の動画見てみろ」
風哉はスマホを取り出して動画を見てみる。その動画は終わりそのものだった、そして奥にある千十の外に出れる3つのうちの橋の1つが死体やTの存在で壁が出来ていた
伊達先輩 「見たか?千十は川に囲まれてるから橋か地下鉄でしか外に出られない、駅前は地獄、橋は恐らく出ようとしたやつらが捕まって死体の山ができた、それにネットの情報だと千十でしかこの現象は起きてないらしい、自衛隊が危険を察知して橋を封鎖してるらしい、」
周りは静かになった、
凛 「伊達先輩が言ったように俺らは逃げるにも逃げられない状況になっている、だが1つ希望がある。」
未知斗 「水野山!そこの中腹にでっかい総合病院があるだろ?そこを千十の消防隊や警察が頑張って安全地域にしたらしい」
松田さん 「でも、そこに行くには中央駅周辺を通らないと行けなかったような」
再び静寂が流れた
松田さん 「ごめんなさい、、」
伊達先輩 「いや、それをどうしようか今話してたところだ」
ズエ 「俺に1つ案があります」