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Ring Of Solomon〜from the under world〜  作者: *amin*
第4部(最終章)
185/207

第185話 旧約聖書外伝「トビト書」

今回は旧約聖書の内容が出てきます。

ですが物語上脚色をするので、この内容が本当の物だとは思わないでください。


 光太郎side -


 「よぉ光太郎!久しぶりー!」

 「光君?」

 「なんなん水臭ぇなぁ~光でいいっちゃ!な!?」


 遂に地獄に突入する日の前日、マンションを訪ねた俺を出迎えたのは光君だった。普段はいない人物がいることは一つの分岐点に変わる。イレギュラーである光君の存在は地獄に向かうための下準備だともいえる。彼はソロモンの悪魔であるフォラスをその身に宿す不思議な少年、人間にして悪魔の力を使える奴だ。



 185 旧約聖書外伝「トビト書」 



 光は中央のソファを陣取って呑気にジュースを飲んでいる。その姿がこれから一大イベントを行う前の姿とはとても言えない緊張感で、こっちまで肩の力が抜けてしまった。


 「じゃあお言葉に甘えて。光は今日はマンションに泊まるのか?」

 「そうで。親には陽介の家に行くっち嘘ついてきたんやけどな。ちなみに陽介には福岡弾丸一泊ツアーしてくるからなんかあった時の口裏合わせよろしくって言ってんだよ」


 あははと笑う光は思ったよりも元気そうだ。何だか呆気にとられてしまった。セーレは光が恐がってるって言っていた。

 

 それは仕方がないと思ってた。誰だって地獄について来いなんて言われたら、恐がるのは当たり前だし、嫌がるのも不思議じゃないから。地獄という誰しもが一度は使ったことがある単語。だけど想像もできない所、光はそこに向かうんだ。すべて覚悟の上で。


 でも光は思った以上に元気そうでこれなら気を遣う必要ないのかなって思ったのも束の間、光の空気は急にどんより沈んでいく。さっきまでの元気が嘘のように。


 「はぁ……行きたくねぇなぁ」

 「光?」

 「やっぱ恐くね?だって俺とかマジで死にに行く様なもんだし」

 「でもフォラスが守ってくれるって言ってたんだろ……?」

 「そうだけどさぁ……あー恐い!行きたくない!!」


 途端に喚きだした光に側にいたセーレが気まずそうな顔をして、ヴォラクが少し苛立った表情を浮かべる。中谷が未だに見つからないヴォラクの機嫌は悪く、喚いてる光を見て舌打ちをした。それを視線で咎め、光を励ます。俺なんかが彼を励ましていいかもわからないが。


 「ごめんな光……本当なら俺が行かなきゃ行けないのに……」

 「分かってるよ、お前はしょうがない。俺だってフォラスが憑依してない状況やったらお前と同じ地獄から帰ってくるのを手伝えば良かったんやけん!お前はなんも悪くないのはわかっちょんのやけど……こわい~~!わかる?声に出さないと緊張でどうにかなっちまう。こわいこわいこわい。こわいー!」

 「光……」


 光は落ち着かないとでも言うように忙しなくバタバタと動き回っている。そんな光に俺がなんて声をかければいいんだろう。何もかける言葉がない、このまま光が立ち直るのを待つしかないのかな。

 そう思って顔を俯かせたと同時に光の声が聞こえた。どうやらフォラスと会話をしているようだ、脳内で会話が可能だと前は言っていたけど、ブツブツと独り言を言う光は、今そんなこと気にもしないんだろう。


 「フォラス、お前絶対俺を守れよ。傷つけさすなよ」

 「軽いかすり傷や切り傷なら付くかもしれないが、痕が残るようなものは付けない様に努力する」

 「努力義務やない!もうこれは義務なんや!」

 「はいはい分かった。気をつけるよ」


 フォラスと会話をした後、光は顔を上げた。

 相変わらずそわそわしっぱなしだけど、でもさっきより幾分か顔色は良くなってる。


 「光……」

 「大丈夫、フォラスがこう言ってるし絶対大丈夫や。それより恐いのは拓也やろ。一人で地獄に連れて行かれて……もう三週間近く経つんやないか」


 確かにそうだ、七月の下旬から始まった夏休みも今はお盆になってる。三週間ほど経過している。そんな長い間、拓也は一人で地獄にいるんだ。どんな目に遭っているかなんて想像もしたくない。光は立ち上がって自分の顔をパンパン叩き、笑みを浮かべた。


 「大丈夫やけんな!俺のやだやだはもう病気みたいなもんやけん、一々マジで心配すんな。な?」

 「でも……」

 「なんだかんだで結構どうにかなると思っちょんのよ俺」


 ニヒッと笑った光に笑みを返せば少しだけ安心した。それと同時に気になったのはパイモンだった。いつもなら騒いでる奴を真っ先に注意するのに今日は黙々と調べ事をしている。パイモンの視線はパソコンに一直線に注がれている。俺はそんなパイモンに近寄った。


 「パイモン、何か見つけたのか?」


 声をかけると、顔を上げたがその表情は険しい。必然的にいい予感はせずに、向こうが話してくれるのを待つ。


 「……かなり嫌な予感がする。澪のことだ。前に澪が悪魔に憑かれていると騒ぎになったとお前に言ったことがあるな。そして澪の遠い血縁者がイギリス人で魔術結社に入っていたことも」

 「あ、ああ……聞いたけど、なんか進展あったの?」

 「嘘だと信じたいが可能性があるとしたら……だがこれは余りにも……」


 パイモンが見せてきた記事には何かの物語が書かれていた。

 右上に旧約聖書外伝トビト書って書いてあるから、もしかしたらその中身なのかもしれない。日本語に訳されているから俺でも内容がわかるけど、知らない名称や固有名詞ばかりで理解するのには少し時間がかかりそうだ。


 「これって聖書?」

 「聖書ではないが、伝記みたいなものかもしれないな」

 「ふぅん……でも神様とか出てくんだよねこれ?誰が作ってんの?」

 「そんなの人間に決まってるだろう。だが神のお告げを受けた者達ばかりだ。ヨハネの福音書などは聞いた事あるだろう?」


 名前だけなら聞いたことあるし、なんなら悪魔と契約してからそういったことに若干敏感になりネットで検索もかけたことがある。でも中身が全く理解できず投げ出したことをパイモンには何となく言いづらく、首を横に振って知らないふりをした。


 「いや、ない」

 「まぁ仕方ないな。日本人の宗教意識は他の国に比べてかなり薄いからな」


 パイモンは軽く俺の言葉を受け流し、パソコンの画面を見せてきた。小さい字でいっぱい何かが書かれてる。その所々にアスモデウスの文字がある。読むに当たっても何だか固有名詞ばっかりで読みにくい。

 メディアの街とかサラとかラグエルとかラファエルとか……一体何がどうなってんだ?


 「パイモン、何か良くわかんねえよ」

 「説明しなければならないのか?」


 頷けば面倒そうな顔をされたけど、仕方なさそうにしてパイモンは画面を自分の方に戻した。

 俺はパイモンの後ろに回り、一緒に画面を覗き込む。そしてパイモンが説明してくれるのを待った。


 「メディアという街に一人の美しい女性がいた。女性の名前は“サラ”。彼女はラグエルという資産家の家に嫁いだが、初夜の晩に夫が殺される事件が起きる。最初は偶然だと思われていたが、同じ状況が七回も続き、サラは悪魔憑きの女というレッテルを貼られ、妻にする男性もいなくなり、独り身を余儀なくされた。しかしその状況を哀れんだ神が天使ラファエルを地上に遣わす。ラファエルはアゼリアという名で自らを偽り、この書物の著者トビトの息子トビアを引き連れ、サラの元に訪れた。この時、アゼリアはトビアに一匹の魚を捕らえさせていた。この肝臓と心臓をいぶすと、どんな悪魔であっても耐え切れずに逃げ出していく。そう教えていたからだ。そして内臓をサラの部屋でいぶし始めると、悪魔アスモデウスが現れた。そしてアゼリアに退治されたアスモデウスはボロボロの状態になり、地獄に戻された。こうして悪魔から開放されたサラはアゼリアの勧めもあってトビアと結婚し幸福に暮らしたという話だ」


 でもそれと松本さんが何の関係があるんだろうか。悪魔に憑かれてるって言ったって、こんなのをいきなり見せられて分かるわけがない。

 とりあえず聞きたい事は山ほどあるし、聞いてみるか。まず魚で悪魔退治できるんなら俺だってできそうだ、この中身自体が全部でたらめに感じる。作り話にしたってもう少しうまく書いてほしいもんだ。


 「魚で悪魔祓いとか出来んのかよ」

 「出来るわけがないだろう。どうせラファエルが功績を人間のものにするために、そう教え込んだだけだろう」

 「ふぅん、でもこれと何の関係が……そもそもアスモデウスってあれだよな?ソロモンの悪魔にいるよな?俺ネットで調べたとき出てきたもん」

 「アスモデウスは七つの大罪が一角、色欲を司る悪魔であり、悪魔の王サタネルの称号を持ってるソロモン七十二柱序列三十二位の悪魔だ。話を戻すが、その後サラは双子の男児を出産した。だが出産した双子のうち片方が死んだ。そしてその後、女児も出産したが女児も出産直後に謎の突然死を果たした。そして生き残った男児もまた子ができた時、同じ事件が起こった。聞いたことがないか?」

 「何を……」

 「澪の家の話だ。澪本人から聞いた。澪が悪魔に憑かれていると言う話になったのも、澪が産まれる前までは必ず男児の、そして一人っ子であったと。兄弟がいる所は何かしらの不運で産まれてすぐ亡くなっていたと」


 まさか……そんな馬鹿な……いやいや、そんなわけがない。いくらなんでもそんな偶然が起こりうるはずがない。何パーセントの確立だ。大体これは作り話だろ?サラなんて人間が実在したかすら怪しいのに、松本さんがその子孫?流石にそんなのあり得るはずがない。でもパイモンの表情は真剣そのもので、天使の兵になったって言われてる中谷とサタナエルの子供の拓也だって普通に考えたらありえない存在で、そんなあり得ないことが起こっている中で、この話はあまりにもなんだか現実離れしているのに、あり得そうに思えてきて恐くて声が震える。もしかしてこのパソコンに乗ってる内容って……


 「まさか松本さんが、そのサラって奴の子孫って訳じゃないよな……」

 「あくまで仮定だ。だがこの話が真実なら澪やグレモリー様が言っていた“あの子”は恐らくアスモデウスという話になる。それに……」


 パイモンは濁し、パソコンから視線をこちらに向ける。目が合い息を飲んだ。


 「サラがトビアに渡したとされる婚姻としての宝石がラピスラズリの指輪だ。これはアスモデウスの契約石だ。澪の家でもし、この指輪があった場合は……澪がサラの子孫でほぼ確定だろう」


 パイモンが次に見せてきたのは青い宝石。日本名は瑠璃と書かれているが、これがラピスラズリなんだな……アスモデウスの契約石。でも悪魔は契約石を持ってないと存在できないんだろ?じゃあ松本さんがこんなのを持ってるはずもないし、なんだってパイモンはこんな物騒な事を……ハッキリ言って嫌な予感しかしない。そして次の言葉で全身に衝撃が走った。


 「サラが実在する人物であることは証明済みだ。アスモデウスが契約石を人間の女性に渡して地獄に戻ってきたのを俺は知っているからな。仲間と捜索したが見つからなかった。恐らくサラが持っている。地獄では契約石なくとも活動は可能だ。捜索はいったん打ち切ったが、未だにアスモデウスの契約石は見つかっていない」

 「お、俺……ちょっと松本さんに聞いてみる!」


 走り出した俺にパイモンは焦った表情を向けた。


 「光太郎!聞くのは構わないが核心には触れるな!澪を恐がらせるだけだ!」

 「分かってるよ!!」


 冷静じゃいられない。だって七つの大罪って滅茶苦茶強い悪魔ってことだよな。しかもソロモン七十二柱にも名を連ねているってことはいずれは地獄に返すために戦わなきゃいけない相手になる。そんな奴に憑かれてるなんて話になったら、笑い話にもならない。松本さんの家にいきなり上がりこんでもいいのかな?でも返信待ってる暇もないし、電話かけながら行くしかない!

 ポケットから携帯を出して、慌てて電話帳から松本さんの名前を検索して発信ボタンをおすと、すぐに松本さんは出てくれた。


 『はい、広瀬君どうかしたの?』

 「今っ……家にいる!?」

 『え?うんいるけど……何かあったの?』

 「ちょっと調べたいことがあって……今から行ってもいい!?」

 『いいけど……どうしたの?』

 「有難う!」


 松本さんの返事に答えないまま礼を言って電話を切った。松本さんの家は分かる。拓也の家に行く時に何回か通ったことがあるから間違えるなんてしないはずだ。十数分走った先に見慣れた住宅街が見えてきて、猛ダッシュで走り抜けた。

 松本さんの家を確認してインターホンを鳴らす。早く出てくれ!心臓がバクバク言ってやばいんだ!

 松本さんは俺を待ってたのか、すぐに出てくれた。そんな松本さんに挨拶もせずに用件だけを突きつける。


 「あ、あのさ!松本さんの家に指輪ないかな!?ラピスラズリの!」

 「指輪?」


 首を傾げた松本さん。もしかして知らないのかな?でもまだ安心できない。そんな何百年も前の指輪を普通持ってるはずがないし知ってる訳もない。普通はそうなんだ、なのになんで嫌な予感しかしないんだよ……

 持ってないからと言って疑いは晴れないけど、契約石を持ってないって言う事だけで少しは気が紛れる気はする。


 「えーと……なんか先祖が持ってるーとか、代々伝わるーとか」

 「ああ、あれの事?前に拓也にでも聞いたの?」


 心臓が一瞬止まった気がした。その場に固まった俺に気づかず、松本さんは家の中に上がってくるように促した。それをぎこちない動作で付いて行き、リビングに通された。


 「ちょっと待っててね」

 「あ、うん……」


 家には松本さん以外いないようだ。良かった、他の人がいたら少し気まずかったから。飲み物を出されて飲んでいると、数分後に松本さんが指輪のケースを持って戻ってきた。

 ケースを俺に差し出して松本さんは軽く笑った。


 「はいどうぞ。多分これの事じゃないかな?」

 「あんがと」


 恐る恐る中を確認して、今度は完全に体が硬直した。中にある指輪についてる宝石はパイモンがさっき見せてきたラピスラズリと瓜二つだったから。指にはめる銀の部分は酸化してるせいか、かなり汚れてるけど、宝石だけは鈍い光を放ちながらも綺麗なまま保存されている。固まってる俺を見て、心配そうに松本さんが顔を覗き込んできた。


 「でもなんでこの指輪の話になったの?ストラス達とでも話した?」

 「え、いや……あのさ、なんでこの指輪を……」

 「なんでって言われても、あたしも良く分からないけど……遠いご先祖様が結婚する際に使ったお目出度い宝石なんだって。そのご利益で不思議な力で家を守ってくれるらしいよ。ラピスラズリだったんだね、知らなかったぁ。うちお父さんが一人っ子だからおじいちゃんが死んじゃう時にお父さんが貰ったの。代々受け継いでいかなきゃって。絶対売ったら駄目だって言ってたけど、こんなの売れないからってしまってたんだよね」


 お父さんが一人っ子……その事だけでもさっきの記事に当てはまってる気がした。

 意を決して俺は松本さんに話しを聞いた。


 「あのさ、松本さんって従兄弟いないの?」

 「従兄弟?いるよ。お母さんの方だけど。お父さんは前は三人兄弟だったけど、二人とも流産しちゃったんだって……もし三人兄弟だったらお父さんは長男だったらしいよ」


 流産……嘘だろ。そんな馬鹿な話はない。

 じゃあ何で松本さんは生きてるんだ?女は生まれてすぐ死ぬって言われて……あ、だから松本さんは悪魔に憑かれてるって騒ぎになったのか。


 「じゃあ松本さんは兄弟とかは?一人っ子だけど、妹とか弟が欲しいとか思わなかった?」

 「んー思ったし、お父さんも子どもは二人欲しいって言ってたみたいだけど、お母さんが二人は大変って言って駄目になったらしいよ。あたしの夜泣きが酷かったらしくて懲りちゃったみたい。もう少し大人しい子だったら下の子がいたかもしれないのにね」


 松本さんの表情からは何か辛い体験があった訳ではなさそうだ。この話が本当なら松本さんに兄弟がいたら、もう亡くなってるって事だから。とりあえず松本さんに悲惨な過去が無くてまだ良かった。笑った松本さんに笑い返せなかった。嫌な予感しかしない。パイモンの言ってることは当たってる気がする。


 松本さんが俺に出してくれたコップを片付けてくれてる間に、こっそり指輪の写真を撮った。でもこれをパイモンに見せるのは恐かった。


 これが契約石だったら間違いなく松本さんはサラの子孫だ。そして“あの子”は拓也のことじゃない、絶対にアスモデウスだ。契約石を受け取った時点で契約が成立してるなら、松本さんはアスモデウスと契約してるって事になってしまう。


 絶対に違う、俺の勘違いなんだ。きっとそうに決まってる。


 戻ってきた松本さんが気まずそうな顔で俺に話しかけてきた。


 「ねえ、いきなりどうしてこんな事聞いてきたの?拓也や中谷君と何か関係があったりするの?」

 「え、いや……」

 「あたしは何も知らない。今拓也がどんな状況なのか、中谷君を探せてるのか……知らなきゃいけないのに、怖くて何も知ろうとできない」

 「……どっちも進展してないよ。でも明日パイモン達が地獄に行くんだ」

 「え?」

 「拓也を助けに地獄に突入するんだ。きっとあいつらが拓也を助けてくれる。中谷だって契約石のエネルギーが届いてるんだ。きっと生きてる」

 「……あたしも明日マンションに行っていいかな」

 「うん。一緒に行こう」


 松本さんの問題はどうやったら解決するんだろうか。


 憑かれてるって事は松本さんは命を狙われるのか?だって結婚相手を七回も絞め殺す相手だ。絶対凶悪な奴だ。しかも天使に退治されてる。サラの子孫の松本さんに恨みを持っても不思議じゃない。パイモン達に相談しなきゃ。それと同時に不思議な感覚に陥った。


 拓也はサタナエルの子供、中谷は天使の兵、松本さんはサラの子孫……俺以外の全てが何かしら皮肉な運命があるように感じる。多分俺はそう言うの無いんだろうな。全くそう言う兆しもなかったし、恐らく一番役に立たないのは“ただの人間”の俺だろう。


 でもだからこそ出来る事ってきっとある。


 その一つが松本さんを守ることだと思う。拓也と中谷がいない今、俺が松本さんと直哉君を守らなきゃ。


 そしてきっと“あの子”は松本さんの所にやってくるはずだから。



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