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Ring Of Solomon〜from the under world〜  作者: *amin*
第4部(最終章)
158/207

第158話 嫉妬の少女

 ルシファーから与えられた部屋はそこそこに広く、快適と言えば快適だ。ここが地獄ということを除けば、どうってことはない。ただ、いつ殺されるかも分からない時間を過ごすと言うのはとてつもないストレスで、俺は常に何かと戦っているような気持になり、神経がすり減っていく。



 158 嫉妬の少女



 「……くそっ」


 ルシファーに閉じ込められた部屋からあれ以来一歩も外に出させてもらってない。


 そのおかげで一体どれくらいの時間が経ったのかもわからない。窓の外が明るくなる事はなく、太陽がないのか知らないが、薄暗い景色しか窓からは広がらない。でも飯の時間になったのか、ルシファーの部下が俺に飯を持ってくる。それだけしか変化のない毎日だった。


 最初こそは手をつけなかったが、このままじゃ餓死してしまう為、今は少しだけ食うようにしている。正直言って美味しくない。母さんの飯の方が数千倍も数万倍も美味い。飯ぐらいいい物を食わせろってんだ。


 それにしてもルシファーは何も言ってこない。てっきりサタナエルをさっさと復活させるんだと思ってたけど、今のところは何もない。


 お陰で少しだけ冷静に考えられるようになった。今俺に出来る事は、この環境に慣れることと、一刻も早くここから脱出する方法を探すこと。飯を少しだけ食いながら必死で考える。


 皆はどうしてるのかな?無事にフォカロルから逃げられたのかな?中谷は本当に死んでしまったんだろうか。お願いだ……もし俺が皆のとこに戻れたら、俺を迎えてくれる中に中谷の姿がありますように……


 でももしそれが無かった時、中谷の家族はどう思ってんだろう。それに父さんと母さんと直哉は何してんだろう。


 早く帰りたい。皆に会いたい。こんな所にいたくない。なんで俺一人でこんな場所にいなきゃいけないんだ。さっさと脱出しなきゃ。


 『へぇ……我らの希望は乳臭い男の子って訳か』


 急に声が聞こえて振り返ると、窓にヴォラクと同じくらいの年頃の少年が座っていた。

 ちょっと待て。ここ何階だと思ってんだよ。少なくとも、俺が窓から覗き込んだ時は登れる高さじゃないってことは確認できた。つっても悪魔だもんな。まあなんでもありなのかもしれない。それにしたってこいつは一体誰なんだよ。

 後ろに後ずさった俺を見て、少年はおかしそうに笑ってる。


 『可哀そうに、俺が怖いのか?そりゃそうだよなぁ。こんな場所に閉じ込められたら気が狂っちまうよなぁー』

 「な、何が言いたいんだ?」


 少年が俺の目の前まで歩いてかがみこむ。

 獣のように鋭い目が俺を捉えており、手と足は獣の体毛で覆われており、まさにオオカミ少年と言った容貌だ。


 『逃がしてやろっか』

 「は?」

 『お前もこんなとこ居たくないだろ?可哀想だからさ』


 逃がすって俺を?ここから?いや、そんなうまい話がある訳がない。そう言ってやりたいのに、いきなり現れたこの悪魔が救世主のように見え、心臓の鼓動が早くなる。もしかしてという楽観的な希望を抱いてしまうのは、俺が甘ったれだからだろうか。


 ― もしかしたらこいつはいい奴なのか?俺を皆の所に返してくれるのか?


 返す言葉は決まってて、今は何でもいい。頼る相手が欲しい。

 俺がすぐにOKしたのを確認すると、少年が俺の腕を引いた。


 『早く行こう。ルシファー様に見つかったらやべぇ』

 「あ、そうだよな。早く逃げようぜ」


 そのまま手を引かれて俺は歩きだした。もしかしたらこいつがいれば逃げれるんじゃないか。そんな考えが頭の中に浮かんだ。その考えが浮かんだ矢先、少年が俺を抱きかかえ、塔から飛び降りる。

 急な事で恐怖から目を瞑った俺に少年の笑い声が聞こえる。

 次に目を開けたら、そこは既に塔の外だった。


 「うわ……」


 こんなあっさり出られるなんて……

 感動してる俺の手を引いて少年がさっさと歩いて行く。後ろ姿から覗く尻尾がゆらゆらと揺れており、ぼんやりと何の悪魔なのだろうかと考えた後に意識を浮上させ慌ててその後をついて行った。よかった……これで帰れるんだよな!


 「なぁ、名前なんて言うんだ?」

 『……ベヘモト』

 「ベヘモトか。ありがとな」


 俺の言葉にベヘモトは笑みを浮かべた。

 その笑みが何を意味していたのかを、その時の俺は全く知らなかった。


 ***


 随分歩いてきた気がする。

 気づけば木々で生い茂った森の深くまで歩いて行って、その先には海が見えた。この海って、俺がフォカロルに飛ばされた海なのかな?ベヘモトは海岸に歩き振り返る。


 『さぁ行こうぜ、この先にお前が落ちてきたゲートがあるはずだ』

 「それで戻れんの?」

 『多分な』


 ベヘモトが海に向かってゆっくり歩き出す。

 まだ海まではもう少し先だ。慌てて後をついて行くけど、本当に海から帰れるのか?

 あそこから来たって事考えたら帰れそうな気はするんだけど。俺は方法がわからないけれどベヘモトは分かるんだろうか。迷いなく先に歩いて行く姿を見ると少しだけ不安に駆られる。でもほかに手立てはなく逆らうことなく、必要以上に問い詰めることなくついて行くことしかできない。


 『ベヘモト』


 聴き心地の良い高い声が聞こえて振り返ると、そこには俺を海から引っ張り上げた青い髪の少女がいた。確か七つの大罪の一人だった。なぜ、この少女がここに?俺を連れ戻しに来たのか?

 少女は無表情ながらも、不機嫌全開と言う感じで不味いと直感した俺はベヘモトの後ろに逃げ込んだが、彼女の矛先は俺ではなかった。


 『何だレヴィ』

 『どうして来てくれなかったの?ずっと待ってたよ』

 『は?そんな約束してたか?』

 『してたよ。ベヘモトから来いって言ったのに、私より希望に会いに行くなんて』


 待て待て。何だこの修羅場は。そういうの俺をはさまずにやってくんないかな。痴話げんか見てる暇ねえっつの。どうやらこの少女はレヴィと言うらしい。レヴィとベヘモトは何か言い合いになっており、その所々に俺を指す代名詞が出てきてヒヤヒヤもんだ。

 レヴィはかなり怒ってるみたいだしマジで関わりたくない。


 『どうして?ベヘモトはいつでも私を一番にしてくれたでしょ?それなのに……』

 『レヴィ、聞き分けの悪い奴は嫌いだ。お前よりも希望の方がよっぽどいい子だ』

 『……ッ!そう』


 レヴィがベヘモトから視線を俺に寄こす。

 その目にとらえられた瞬間、ビクッと体が震え金縛りのように動けなくなった。そんな俺にベヘモトはとんでもないことを告げたのだ。俺の耳元に唇を寄せ、レヴィに聞こえないように小さな声で。


 『七つの大罪の一角のベルフェゴールに頼まれた。お前を殺さない程度に痛めつけていいってさ。レヴィ、怒ったら手が付けられねえよ』


 全身から血の気が引き、逃げるように走り出した俺の背中に地の底から響くような声が聞こえた。


 『……許さない』


 レヴィがポツリと呟いた瞬間、地響きが起こった。

 

 立っていられなくて、その場に倒れ込んだ俺を何かが叩きつけた後、包み込み、そのまま持ち上げられて締め上げてくる。叩きつけられた時に骨でも折ったのか身体を動かす事が出来ない。体を襲う激痛に耐えることが出来なくて情けない悲鳴が出た。でもこの痛みに経験がある。ボティスに締め上げられたときと同じような感覚だ。恐る恐る目を開けた先には体長が十数メートルもある大蛇の様な姿が目の前にあった。


 そしてその頭の部分には上半身だけのレヴィの姿。


 「なっ、何だよこれ!何なんだよこれ!」

 『許さない。ベヘモトをとる奴は皆殺す』


 とったって何!?何の話だよ!!恐ろしい言葉を口にしながら力を入れられる。

 苦しくて息ができない!なんだよこいつ!

 ベヘモトに助けを求めようと視線を寄こした俺の視界には笑ってるベヘモトの姿。それをみて図られたことを実感した。こいつは、俺を助ける気がない。


 『レヴィ、お前そうやって殺すの何回目だよ。毎回毎回こりねぇな』

 『ベヘモトが悪いのよ。私だけを見てくれないから。私、三十分も待ってたわ。その間に、貴方はこんな餓鬼と楽しんでいたのね』

 『ベルフェゴールに時間指定されたのか?それを信用するなんて本当にかわいいなお前は』


 そんな会話どうだっていいから助けてくれよ!

 でもベヘモトに助けてくれる気配は全くない。睨みつければベヘモトが俺を締め付けている尾に飛び乗った。助けてくれるのか?そう期待した俺が甘かったのかもしれない。そりゃそうだ、悪魔がそう簡単に助けてくれるわけがない。ここに味方なんていないのに……

 べへモトは俺の耳に唇を寄せる。


 『……教えてやろうか希望、あいつの事。七つの大罪が一角“嫉妬のレヴィアタン”。あいつは普段は無気力な奴だけど、俺が関与すると目の色を変えて嫉妬で怒り狂う。そうやって今まで何匹もの悪魔を殺してきた。だから、あいつに嫉妬されたからお前終わりだね』


 ベヘモトはそれだけを言うと、再び地上に降りてしまった。

 やっぱり俺を助ける気なんて全くなかったようだ。無意識に救いを求めるようにベヘモトに手を伸ばすけど、相手は笑ったまま助けてくれない。その間にもレヴィは体をギリギリと絞めていき、苦しくて呼吸ができず視界が鈍っていく。

 レヴィに叩きつけられた箇所がズキズキと痛んで、まともに動かせそうもない。

 苦しくて必死で呼吸をすればレヴィの笑い声が聞こえる。


 『私からベヘモトを盗った罰よ。思い知りなさい』


 盗ったって……訳わかんねぇよ!

 とにかくなんとかしないと俺本当に殺される!魔法を使わないと……!


 『そうだぜ希望、魔法でも使わない限り、てめえはここで死ぬぜ』


 全部図られていた。ベヘモトは俺を殺そうとしてたのかもしれない。やっぱり悪魔を簡単に信じちゃ駄目なんだ……ここに俺の味方は一人もいない。俺一人でやらなきゃ駄目なんだ!

 魔法を使おうとイメージを吹き込もうとするけど、レヴィの締め付けが苦しくて集中できない。次第に意識が遠のいて目の前が真っ暗になっていく。


 『使えねえ野郎だな。こんな奴本当に必要なのか?』

 『殺す、ベヘモトを盗る奴は皆殺す』


 俺……本当にここで……

 そこで俺の記憶は途絶えた。


 ***


 次に目が覚めたときはいつもの部屋が視界に広がっていた。

 今までの出来事はいったい何だったんだろうか。ぼんやりする頭で振り返る。

 俺レヴィに殺されかけて、もうあそこで死ぬんだと思ってた。なのに生きてる……?誰が俺をここまで連れてきたんだ?

 起き上がろうと身体を動かせば激痛が走り、それ以上の動きは制限された。


 『止めなよ。骨、いたるところが折れてたから』


 その声が聞こえてドアの方に目をやると、俺と同い年くらいの見た目の少年が立っていた。

 こいつも見た事がある。ルシファーと話した時に一緒にいた奴。つまりこいつは七つの大罪!

 少年は俺を再びベッドに寝かせ、湿ったタオルで土で汚れた顔や腕を拭いていく。でもレヴィの事を思い出すと恐ろしくて、痛む体の事なんか気にせず悪魔の手を叩き落とした。痛みなんて無視してベッドの隅まで逃げた俺に、そいつは溜め息をついた。


 『悪化するよ。肋骨に背骨にあとは足の骨が折れてたし、左腕の骨にひびが入ってたよ』

 「く、来るな……触るな!」

 『ベヘモトに騙されて、レヴィからあんな仕打ちを受けたのは怖かっただろうけど、俺はそんなつもりはない』

 「信じられるか!お前ら悪魔の事なんて!」

 『あんたはサタナエル様の子供だ。丁重に扱えとルシファー様から言われてる』


 どの口がそんな事を言うんだ。現に俺はさっき殺されかけたし、本当に死ぬかと思った。それなのに丁重に扱え?馬鹿にするにも程がある!

 でも動く度に痛む体は全く俺の言う通りには動かず、近寄ってくる悪魔に抵抗なんてできない。そのまま顔を少々乱暴に拭かれて、せめてもの抵抗に手に噛みついてやった。


 『って!』

 「触るなっつってんだろ!」

 『……獣みたいな事するな。慣れたら尻尾でも振ってくれるのか?』

 「うるせえくたばれ!死ね!クソ野郎!」

 『アスモデウス。俺にはその名前がある』

 「知るかよ!」

 『アスモでもいいよ。何人かにはそう呼ばれてる』


 人の話を聞けよ!

 罵声も気にせずアスモデウスは俺の顔を拭き終わって布を顔から放した。


 『暫く安静。後で医師を寄こすよ。これに懲りたら逃げようなんて思わない事だね……大人しくしてたら大丈夫だ。大人しく』


 アスモデウスはそう言って出ていった。

 一人になった部屋でボーっとしてるとジワリと涙が流れて来る。

 悔しいし痛いし苦しい。今まで骨折なんて1回も無かったのに、悪魔に骨を折られるなんて。身体を見渡せば所々擦り傷があり、シャツをめくって腹を見れば痛々しい青ジミになっていた。


 「……ちくしょぉ……」


 どうにもできない現状にただ俺はそう呟くしかできなかった。


 ***


 ベルフェゴールside ―


 『ベルフェゴール』


 アスモデウスに声を掛けられて立ち止まる。呼び止めた本人はかなり頭にきてるようで、名前を呼ぶや否やいきなり掴みかかってきた。


 『何か用か?アスモデウス』

 『今回の件、けしかけたのはお前だろう』


 どこまで知っているかは知らないが、俺がかかわっていることは理解しているようだ。まあ、あの子供の教育係は俺だからな。俺が関与しない限り、どの悪魔も塔への侵入を許さない。ベヘモトだとしてもそれは例外ではない。

 結果、彼の力を引き出すことはできなかったが、生きているのだ。問題ないはずなのに、アスモデウスは顔を真っ赤にして怒りに震えている。


 『少し度が過ぎるぞ。レヴィは本気で彼を殺すつもりだった』


 何だそんな事か。心配しなくても、彼はあそこで死ぬ運命ではない。


 『見ていたさ』

 『ならなぜ止めなかった!?ベヘモトとレヴィは本気だったんだぞ!』

 『随分と甘やかされた子供だ。そのくせ俺たちへの反発心がある。お願いして言うことを聞くと思うか?逃げ道塞がなければ使い物になりはしないさ』

 『じゃあ、殺しても良かったって言うのか!?』

 『勿論、最悪の場合は助けに入るつもりでいたさ。その最悪が起こった場合にはストックがいるだろう』


 あまりにも淡々と告げる俺に相手は戦意を喪失したのか目を丸くして、信じられないというように表情を崩した。胸ぐらをつかんでいた手が離れ、沈黙が流れたら、それを打ち破ったのは向こうだった。

 苦々しげに、腹の底から怒りを抑えるような低い声だった。


 『……彼が死んだらルシファー様はお怒りになる。忘れるなよ』

 『君より俺はルシファー様に忠実だよ』


 俺の皮肉にアスモデウスは舌打ちをして、そのまま歩いていってしまった。やはり奴は危険だ、泳がせると危険な存在になる。希望の力を引き出すことも目的ではあったが、厄介な存在もついでに見つけてしまった。


 『あいつ、どうして私を止めたの?』


 どこまで話を聞いていたのか知らないが、レヴィとベヘモトが顔を出してきた。今回の俺の協力者だ。まあレヴィは被害者と言った方が相応しいのだろう。俺の案に乗ってくれる悪魔がレヴィしかいなかった、それだけの話だ。ベルゼバブとマモン、サタンにはこういった小細工ができないから。

 ベヘモトは上手くやってくれた。希望を連れ出して、レヴィの嫉妬心を操ってけしかけて……だが、それでも彼はサタナエルの力を使わなかった。フォカロルからの報告では覚醒していると聞いていたんだが。

 レヴィは傷口を抑えて苦々しい表情をしている。


 『私は傷つけられたの。アスモデウスも希望も殺したい。どうして止めるの』

 『まあまあレヴィ、俺が悪かったって。今日は目いっぱい可愛がってやるから許してくれよ』


 ベヘモトが諫めたことにより、レヴィは落ち着きを取り戻しつつも未だに納得がいっていない様子だ。しかしベヘモトの方は目を細め、奴が歩いていった先を見つめる。


 『おたくら、ちゃんと首輪繋いどかなきゃ。ありゃ番犬にしちゃー厄介だぜ』

 『分かっている』

 『面倒くせえのが、あいつに手を出したらサタンがブチ切れるからな。ただ、抹殺するときは俺も呼べよ。レヴィに怪我させられてるんだ。俺抜きで殺すのはなしな』


 なんだ、お前も恨んでいるんじゃないか。その件に関しては、その時が来たら報告すると告げると二人は満足そうにして踵を返した。誰もいなくなった回廊で呟いた言葉は闇に飲まれていく。

 

 『……問題はお前だ。アスモデウス』




登場人物


ベルフェゴール…「怠惰」を司る7つの大罪が一角である悪魔。

かつては権天使プリンシパリティの君主であったが、堕天した結果、その役目はハニエルが務めるようになる。

怠惰を司ると言うだけあって、面倒くさがりで自らがアクションを起こす事を嫌うが、戦略に長け、また観察眼が鋭い。

7つの大罪の中では副リーダー的な存在である。

また人間嫌いな悪魔としても有名で、特に女性に対して不信感を抱いており、女性を姦淫、売春させる影響力を持つ存在である。


レヴィアタン…通称レヴィと呼ばれており、「嫉妬」を司る7つの大罪の一角であり、サタネルの称号おも持つ悪魔。

その姿はとぐろを巻く混沌の女竜であるという。

しかし元来レヴィアタンは堕天使ではなく、古来より海に生息する巨大な怪物として、他の堕天使達と一線を画する存在だったようだ。

基本は無口で周りにあまり関心のない浮世離れした少女だが、相方のベヘモトが絡むと、異常なまでの執着心と嫉妬心を見せる。

ベヘモトが他の悪魔に触れるのも話すのも気に食わず、暴走する事が多い。


ベヘモト…サタネルの称号をもつ悪魔。レヴィアタンと対を成す存在である。

その姿は巨大な怪物と称されており、ひとたび暴れ始めると何人も止められない。

ヨブ記には「ベヒモスを滅ぼせるのはその創造主ヤハウェのみ」、と記されている。

他人を小馬鹿にした態度を良く取り、したたかな性格の為、その深層心理を理解できるものは少ない。

物事に対する執着はなく、気に入った物でも壊れれば次、と言う考え方を持っている快楽主義者。

レヴィを可愛がっているが、彼女の嫉妬深さを知った上で他の悪魔にちょっかいをかけ、暴走したレヴィによって、その悪魔が殺される姿を見る事をショーとして楽しんでいる。


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