第152話 君が愛した憂鬱
アリスside -
今思えば、クリスとの約束を守ろうと躍起になってた時が楽しかったのかもしれない。旦那様は怖いし嫌いだったけど、お金を貯めてクリスとの生活を夢見るのは楽しかった。現実に引き戻されると怖い事ばっかりだったけど、今ではその憂鬱すらも愛しいと感じるのは心のどこかで諦めているからなのかもしれない。
私は、この悪夢から永遠に出られないって。
152 君が愛した憂鬱
今、拓也がグラシャ=ラボラスと戦ってるのが悪夢?私がチェーンソーを持って佇んでいるのも現実?グラシャ=ラボラスの存在は空想?クリスと一緒に暮らす未来は現実?クリスが私の鞄に入ってるのは悪夢?
わからない、今何がどうなってるのか。
私がチェーンソーで屋敷の人間を殺したのは悪夢?旦那様が死んだのは現実?警察に追われてるのは悪夢?どっちが正しくてどっちが間違ってる?私は何者?彼は何者?ここはどこ?今は何時?わからない、わからない。
何もかもが止まってしまっている。時間の感覚さえわからない。どっちが正しい?グラシャ=ラボラスと拓也、どっちが正しい?
カバンの中に入っているクリスを取り出してしげしげ眺めていると不思議な気分になってくる。クリスはこんな汚い顔をしてないはずなのに……白目をむいて泡を吹いて顔が紫になってて……これは誰?これはクリスなの?
再びクリスを鞄の中にしまった私に誰かが近づいてくる。
全てが醜く歪んでいる空間で私を見下ろす彼の眼はあまりにも愁いを帯びていて、まるで雨の下で捨てられている子猫を見るような目で私を見るんだ。その目を私は知っている。同情だけして助けてくれない通行人の目。貴方も、きっと私を救うことはできない。
「アリス……」
お願いだから放っといてほしい。拓也と会話をすると自分が酷く惨めになる。優しく諭されると泣きたくなる。自分のやってる事が間違ってると言われたら腹が立つ。だから耳を塞がなければ。だって彼は私が知っている誰よりも恵まれている。何もかも彼は持っている、そしてそれが当たり前だと思っている。だから同情なんて簡単にできるんだ。
無意識で下の存在と位置付けられる屈辱を、きっと彼は分からないだろう。
そんな彼は私が逃げることを許してくれない。固まってる私の手を掴んで震える手でチェーンソーを取り上げた。それがなければただの子どもになってしまう。それがあるからこそ大人と戦う事が出来たのに。
「お願いだ、目を覚ましてくれ。クリスはいないんだよ……お前が殺したんだよ!」
酷い、拓也の肩に乗ってるフクロウが拓也の言葉を分かるように訳していく。その言葉がきっと私を現実に引き戻していくんだろう。拓也の後ろではグラシャ=ラボラスが拓也が引きつれてる人達と戦ってる。この場所に更に新しい血が流れていく。それは誰のせい?まさか私のせいなの?
本当は分かってる、全て自分のせいだって。この状況を引き起こしたのは自分なんだって。
でもそれが悪いと思えないの。反省が出来ないの、殺した人達に謝りたいと思えないの。もうそれは後戻りができない証拠であって、私は普通の人間じゃないって事になる。だからどうしようもないの。クリスはきっと生き返る。そしたら私はそれだけを生きがいにこれからも逃げるの。
だから、だから……
顔を上げた時に入ったのは泣き出しそうな拓也の表情。後ろには血を流しながら戦ってるグラシャ=ラボラスの姿。そして私を恐れたように眺めている拓也の友達。
その姿を見た時、何かが崩れていく感覚が身体の中に響いた。
***
拓也side ―
俺の顔を見たアリスは顔をグシャッと顔を歪め、項垂れた後に小さく笑った。
「(ふふ、ふふふ……私が貴方に抱いている感情がやっとわかった)」
「アリス……」
「(私は、貴方が嫌いなのね。その目が気に食わなかった。助けられないくせに、綺麗で真っ当な正義と倫理を振りかざして、私のすることを否定するの。救いはしないくせに否定だけをする……事件に巻き込まれた人間を助けず動画撮影する野次馬のような奴がきっと貴方ね)」
アリスの言葉に目が丸くなり、伸ばした手が宙を切った。アリスは泣きながら笑っており、俺のことを憎いと口にする。俺の言葉はアリスには伝わらなかった。
『……もう、彼女の説得は諦めた方がいい。拓也、貴方と彼女は境遇が根本的に違う。彼女は貴方の言葉に耳を傾けないし、貴方も同情から救おうと思っているのなら、きっとその想いは伝わらない』
同情 - 俺はそんな上から目線でアリスに話しかけたつもりはない。でもアリスには俺の言葉はそういう風にしか届かないんだ。泣きながらアリスは笑い続け、俺への罵詈雑言は止まらない。なんで、こうなってしまったのかもう分からず、チェーンソーを遠くに蹴り飛ばした。
その際、空中に飛び回っている悪魔が視界に入り、睨み付ける。
グラシャ=ラボラス……アリスを壊した張本人。あいつを許すわけにはいかない、あいつだけは地獄に戻さなきゃいけない。振り返った先には炎を吹いている犬の姿、シェパードの様な姿に羽の生えた悪魔。こいつがアリスを巻き込んだんだ。こいつさえいなければ……っ!
「池上、どうすんだよ。何か俺達が入れる雰囲気じゃなくね?」
口元を手で押さえ、野球のバットを構えながらも入る事が出来ない戦いに中谷は茫然としてる。確かに、俺達が入ったって何の役にも立たなさそうだ。ウリエルさえいれば……アンドラスの件からウリエルとは全く連絡を取れてない。
空を飛びまわって炎をまき散らすグラシャ=ラボラスにジェダイトが接近を試みているが中々うまくいかないようで、パイモンとセーレも苛立っている。ヴォラクも隙を狙って攻撃してるけど、それすらもヒラリと避けられてしまっている。
そんな中、シトリーは呑気に戦いを観戦しており動く気はなさそうだ。こいつ何してんだよ。俺の視線に気づいた光太郎がシトリーを小突く。
「あいたっ」
「お前何呑気に見てんだよ!手伝えよ役立たず!」
「お、お前っ……役立たずって酷くね!?俺はこうやって状況を観察する事でだなぁ……」
「はいはい、それで?何か分かったのか?」
光太郎が呆れたように吐き捨てればシトリーは少しぶすくれた表情を浮かべ、再びグラシャ=ラボラスに視線を送った。
「あともう少しで予感が確信になるんだけどなぁ……」
「は?」
『シトリー、どうしたの?』
シトリーの真剣な眼差しに澪の隣にいたヴアルがシトリーに近寄っていく。
シトリーはヴアルに軽く視線を送ってグラシャ=ラボラスを指さした。
「あいつの癖を探してんだ」
『癖?』
「あいつさっきから次に動く方向に尻尾が向いてやがる。恐らく尻尾でバランスとらなきゃ上手く飛べねぇんだろうよ。俺もああいうの良くやるから、もしかしたらあいつも癖でやってんのかもな」
『じゃああれを狙えれば!』
「今んとこ回数で数えたら十五回中十二回動きが当たった。実行していい頃かもな」
シトリーは急に俺に視線を送ってくる。
何だかいきなりの展開に肩を弾ませた俺を見て、シトリーは手をひらひら振った。
「お前じゃねえの。来いストラス」
『私に何か?』
ストラスに何させる気なんだ?召喚紋なら俺が描けば何の問題も無いのに……
シトリーはストラスに小声で何かを告げ空中に放ち、ストラスはそのままセーレ達の元に向かっていく。
「よし、これでいいか。行けるかヴアル、俺の言った瞬間に狙った場所爆発させろよ」
『難しいけどやってみるわ』
「奴の退路を断つ。逃げ道を作らせるなよ。後はパイモン達がやってくれんだろ」
どうやらさっきの癖をストラスはセーレ達に伝えてたようだ。
パイモンとヴォラクがシトリーに視線を送って頷き合う。
『何ノ真似ダ……』
何か策があることを理解したグラシャ=ラボラスに返事をすることなく、ジェダイトが走りだしたのを見て相手も羽をばたつかせる。そしてその時、シトリーの声が響いた。
「右だ!」
『OK!』
次の瞬間、ヴアルが見事にグラシャ=ラボラスの方向転換を爆発で阻止した。グラシャ=ラボラスは急な事に体勢を一瞬崩したが、すぐに立て直して再び動き出す。でもシトリーは容赦なくグラシャ=ラボラスの退路を塞いで行く。シトリーの言った通り、尻尾でバランスを取っているのは本当らしい。
「左!」
『OK!』
「右斜め下!そん次は上!」
『OK!』
「えーっと上と右斜めと下と左とー!」
『一気に言わないでよ!わかんないわよ!』
ヴアルは少し混乱しながらも爆発を起こしていき、退路を次々と塞がれていくグラシャ=ラボラスは逃げる場所が狭められていく。そしてその隙にジェダイトが接近していた。
『何ダト……』
逃げたくても逃げられない。年貢の納め時って奴だ。ヴォラクとパイモンが剣を抜いてグラシャ=ラボラスに飛びかかる。逃げる事が出来ないと感じたグラシャ=ラボラスが炎を拭こうと口を開けた瞬間、グラシャ=ラボラスの顔めがけて小石が飛んだ。
小石は見事顔に命中し、一瞬口が閉じた隙にパイモンとヴォラクが一気に体を貫いた。どうやら小石を投げたのは中谷だったらしく、当たった事にガッツポーズを取っていた。
「しゃあっ!」
『中谷ナイスだよ!』
二人に褒められて中谷は満足げだ。
そのまま地面にたたき落とされたグラシャ=ラボラスをアリスはただ茫然と見ていた。
「Gurasha Las laboratório……(グラシャ=ラボラス……)」
『グ……ウゥ』
体中から血を流し倒れているアリスと契約した悪魔。アリスは恐る恐るグラシャ=ラボラスに近づいて行こうとするがストラスが許さなかった。
『Fique longe dele.(近づいてはなりません)』
凛とした声に反抗する事なくアリスは項垂れて膝をついた。その表情は困ったような、悲しそうな、少し嬉しそうな、良く分からない。でもアリスは静かに涙を流しだして、その場にうずくまった。そんなアリスの鞄に取り付けられていた宝石をシトリーが手に取った。
「ブラッドストーンの羽飾り。これは返してもらうぜ」
アリスは返事をせず、ただ無言を貫いた。そんなアリスにシトリーはそれ以上なにも言わず、契約石を手に取って歩き出した。召喚紋を書くように促されて何も考えずにセーレに手伝ってもらって描いて行く。
これからどうするんだろうアリスは……それしか考えられなかった。
『私ヲ返シタ所デ何モ変ワラヌ……』
口から血を吐きながらグラシャ=ラボラスは俺達を睨みつけてきた。真っ赤な目に睨まれて否応なしに俺は数歩後ろに下がってしまった。
『何モ変ワラヌノダ。我ラ悪魔ガ手ヲ貸サズトモ何モ……人間ハ悪魔ヨリモ残酷ダ。力ヲ貸サズトモ、イズレハ同ジ事ガ起キルダロウ。貴様ガ救エル物等何モ無イ』
それだけ言うとグラシャ=ラボラスは目を閉じてその場に倒れた。アリスの様子からアリスが地獄に返すのを無理だと判断したのか、パイモンがグラシャ=ラボラスに近づいていく。
「パイモン、大丈夫なのか?契約者がちゃんといるんだからアリスが返した方がいいんじゃ……」
『いいえ、地獄に返すことはできるのですが……契約者がいる場合は契約石を通してお互いがリンクしているので、それを断ち切るのが少々面倒なだけです。しかしアリスがあの状態では』
確かに今のアリスには無理かもしれない。パイモンが事務的に地獄に返して、その場は静寂に包まれた。結界がなくなり現れたのは血に染まった港。澪が顔を手で覆ったのが視界に入った。
アリスは……どうするんだろう。このまま残していくなんてできない。アリスは被害者なんだ。俺は助けたいんだ。見捨てるなんて……
「アリス……」
「(ずーっと悪夢を見ていた気分。何回も何回も繰り返す悪夢を見ていたわ。でも、私が悪いと貴方達は言うんでしょうね。私に救いなんて必要ないんだと、きっと皆が言うんだわ)」
ポツポツと話すアリスの言葉をストラスが訳していく。しかしパイモン達が急かすように俺の腕を引く。もしかしたらこの場所に警察が来るのではないかって言ってる。分かってるよ、俺だって長居したくない。でもアリスが折角話してくれた胸の内を遮るなんてできない。
黙って聞く体制を取った俺にアリスは再びポツポツと話しだす。
「(両親が殺された日から、私の中で何かが欠けているの。クリスと里親が変わってからはもっと何かがひび割れていくような感覚がする。あの子は最初は手紙を送ってくれていたけれど、次第に手紙は来なくなって、その時に私は初めて自分が孤独だって分かったの)」
「アリス……」
「(長い悪夢を見ているの。誰も私を救ってくれないから、現実でも夢でも辛い日々しかない。私は、どうすれば良かったの?)」
アリスはそのままうずくまって再び涙を流した。いつも笑顔でいたアリスはどれだけ苦しい思いをしてたんだ?どれだけ孤独で戦ってたんだ?アリスは何も悪くないじゃないか。あんな奴死んで正解だったんだ。その考えが正しくないってわかってる、そう思っても法では裁かれるんだ。でもそんなのアリスが可哀想すぎるじゃないか。
「アリス行こう。まだ間に合うんだ」
俺の伸ばした手をアリスは驚きと戸惑いが混じった目で見つめている。自分が殺してしまった双子の妹、義理の家族、妹の家族……アリスは全てを失くしてしまった。でもここで死ぬなんてナシだ。仕方がなかったんだ、アリスはこうでもしないと自分を保てなかったんだ。引き取られた場所で虐待を受けて、頑張って捜しあてた妹は新しい家族と馴染んでて、養女と言うだけで学校で疎まれて……その環境は人間の心を壊すには十分だ。
アリスが悪くないなんて言わない。殺しをした事に変わりはない。
だけど……それでも……
「早く!」
言葉が通じないアリスには俺が何を言ってるのなんてわからないだろう。それでも伸ばした手を掴むように催促すると、アリスはゆるゆると首を横に振る。アリスは怖いんだ、自分がしてしまった事。そんな自分が生き延びる事。
沢山の人を殺した。しかもアリスが殺した家族は大富豪だ、ニュースにもなるだろう。警察に捕まったら死刑になってしまうかもしれない。多分もうすぐここにも警察が来る。犯人がアリスだって事は分かってるから……
「(貴方は、どこまでも綺麗な人ね。気持ち悪いくらいに……妙な正義感を振りかざして、どこかそれはズレている)」
「俺が、君に生きていてほしいと思うのはいけないことなのか?」
その言葉にアリスは弾かれたように顔をあげた。ゆらゆらと揺れている瞳に映っている自分の姿は同じくらい酷い顔をしていて、彼女からしたら同情していると思われても仕方がない。それでも、生きていてほしいと願う自分は傲慢なのかもしれない。
もう一度アリスに手を掴む様に再び手を伸ばす。その手をアリスはいつまでも掴み切れずにいる。でも焦った表情の俺の顔を見て、アリスはポロポロと涙を零す。
「O que eu devo viver?(私……生きていいの?)」
「当たり前じゃん。これは悪魔のせいなんだ」
そう言えば、アリスはゆっくりと……戸惑いながらも手を伸ばした。アリスの手は酷く温かく感じた。
その時、澪が悲鳴のような大声を上げた。
「拓也!」
「っ!」
アリスの向こうからはナイフを持った男がこっちに向かって来ていた。慌ててアリスの手を引こうとした時にはもう遅い。男のナイフはアリスの首に突き刺さっていた。視界に入ってくる子ども……涙を流しながらナイフをゆっくりと手放してその場に座り込む。
何が起こったんだ?今、何が……?
「アリス……」
「TaKuya……(た、くや……)」
首から大量の血を流し、目を見開いたままアリスが地面に倒れ込む。アリスが倒れ見通しのよくなった視界の先には百貨店の大きなテレビに映ってた子どもの姿。こいつを知ってる。テレビに映ってたクリスの家の家族……確か唯一生き残ったって報道されてた奴だ。
この子供がナイフでアリスの首を突き刺したって言うのか?子どもは倒れ込んだアリスを見て涙を流しながらも嬉しそうに、本当に嬉しそうに笑ったんだ。その光景が恐ろしくて言葉も出ない。
「Ela ensinar-lhe tudo……continue roubando de mim como se atreve complacente.(ざまぁみろアリス……俺から全て奪っておいて、よくものうのうと)」
吐き捨てるように吐き出した言葉の後、パトカーの音が聞こえて警察がこの場に到着してくる。なんで警察がこの場所を……いや、そんなことはどうでもいいんだ。この場をどう納めれば!
「主!こちらです!」
「パイモン、でも!」
「ここにいれば私達も犯人扱いされます。撤退します」
パイモンに腕を引かれて俺は無理やりジェダイトに乗せられ、空からその光景を見下ろす。アリスを殺した子は警察に捕まえられている。その子は俺達の事もアリスの事もいい訳も何も言わず、ただ黙っていた。そして警察がアリスの死体を発見し、何かを話しあっている。終わったんだ、全てが……
項垂れるしかできなかった。俺の目の前でアリスが死んだ。
あんなに優しく笑ってたアリスが死んだ。助ける事が出来なかったせいでアリスが死んだ。どうして悪魔と契約した人間は不幸になるんだろう。幸せになれている契約者だっているはずなのに、どうして助けられないんだ。
続々とパトカーが到着して、それぞれ忙しそうに動いている。アリスの死体も担架で救急車に入れられて搬送されていく。アリスはどうなったんだろうな。クリスと幸せになれるのかな?せめて天国では……二人が幸せになってほしい。
もう何も考えたくない。
ヴアルにしがみついて泣く澪も、俯いてるパイモンも、その光景を辛そうに見ているセーレも、腕の中のストラスも……何も考えたくない。
グラシャ=ラボラスが言った通り、悪魔の手を借りなくても同じ事が起こってしまった。どうやら俺に救えるものは本当に何もなかったみたいだ……
グラシャ=ラボラス…ソロモン72柱序列25位の悪魔。
36の悪魔軍を従える長官にして伯爵であり、グリフォンの翼を持った犬の姿で描かれる。
人の姿をとる時は学者のような服を着た中年男性の姿で、背中の大きなコウモリの羽と口元に覗く鋭い犬歯が目に付く。
この牙のため人の言葉は発音しづらく、聞き取りにくい声で話すとされる。
過去と未来について全てを知り、芸術や科学を人に教授する。
また最も特徴的なのがグラシャ=ラボラスは血に飢えた殺戮者であり殺人を嗜む。
彼の能力の代償は全て人間の血と命を以て支払わなければならない。
契約石はブラッドストーンの羽飾り。
アリス…ブラジルに住む元孤児。里親の虐待、離れてしまった双子の妹、自分の環境全てに絶望した結果、精神崩壊を起こした。
元々は明るく優しい性格で辛い環境ながらも健気に頑張っていた。




