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第115話 狂乱

 「あ、シトリーから電話だ」


 クラウディオさんと話してる最中に光太郎に連絡がきた。相手は勿論シトリーで、合流したいからどこにいるか教えてくれという内容だったみたいだ。光太郎は俺たちの居場所を教え、皆が来るのを待つつもりだったんだけど。

 その間、クラウディオさんは自分も一緒にいると言って聞かず、仕方ないためクラウディオさんも一緒にパイモン達が来るのを待つことになった。



 115 狂乱



 戻ってきたシトリー達がこの状況を怪訝そうに眺めている。そりゃそうか、だっていきなりマフィア倒すの手伝ってくれって言われてんだもんね。そうなるのも無理はない。クラウディオさんは何度も頭を下げて懇願する。


 クラウディオさんは先ほどの銃撃の際に俺が使った魔法を興奮して話しており、そういった力を相手も使うから、是非とも協力してほしいと訴えている。


 普通こんな力見たら、引かないのかな……クラウディオさんの目は純粋に戦力が増えることを喜んでいる目で、盲目通り越して狂信的な崇拝ぶりにこっちが引いてしまうくらいだ。


 「どうしようパイモン」

 「……なぜ私に聞くのですか?」


 なぜって言われても俺に決められる問題じゃないし……俺が勝手に決められる問題じゃないだろ。そう言う目で見つめれば、ため息をついて頷いた。


 「願ったりです。どうやらエンリコと言う男が契約をしているという事も掴めましたしね。悪魔の事だけなら協力しましょう」


 そんなあっさり。パイモンに決定権を投げたくせに、心のどこかでは断ってくれないかなーとか期待した自分がいたから打ち砕かれた気分だ。


 「俺、マフィアに狙われたりしないよな」

 「さあ」


 そこは適当に済ませるとこじゃないだろ!?もっと怖がってよ!!あぁ駄目だ、パイモンはイタリア語でサッサと返事をしてしまう。クラウディオさんの表情が華やいでいる辺り、手伝うと言ったんだろう。でも一体何をすればいいってんだよ……クラウディオさんはパイモン達に何かを教えている。


 「ストラスなんて言ってんの?」

 『何やら暗殺について話しているようでしたが……』


 暗殺!!?

 ちょっと待ってよ!そんな怖い事俺にやらせるって言うわけ!?


 「家に帰りたい……」


 思わず漏らした中谷の本音に光太郎も頷いて共感する。そんなの俺も同じだっての。てか今からどうすんだよこれ。クラウディオさんはパイモンと何やら難しそうな話をしているし、割り込める感じでもなさそうだ。


 「やれやれ……また面倒そうな事になりそうだね」


 セーレが苦笑いをしながらこっちに近寄って来た。話を聞いてそう言うもんだから、少し怖くなる。


 「セーレ、どうなってんの?」

 「パイモンはエンリコだけをどうにかするって言ってるみたいだね。クラウディオもそれに同意はしてるみたいだけど」

 「じゃあ契約者だけどうにかすればいいってこと?」

 「そう言う事になるね。だからバックで抗争があるけど、俺達がすることは普段と変わらないよ」


 良かった。それなら……ってなる訳ないじゃん!!相手マフィアなんだし、抗争なんて不穏なワード聞いたら怖くてやりたくなくなるよ!


 「ままま、マジで大丈夫なんだろうな?だって俺拳銃突きつけられたし」

 「それは災難だったね……気をつけるといいよ」


 いや、そんな簡単に済まされても困るんだけど。明らかに嫌そうな俺たちの表情を見て、セーレとストラスは顔を見合わせた。


 「Trovate(見つけたぜ)」


 不意に声が聞こえた先に視線をやると、そこには禿げ頭のおっさんと男、そして女の人が立っていた。ちょっと待てよ、こいつさっき見たぞ。このハゲでピアスやらなんやらジャラジャラ付けた奴って……もしかしてエンリコ!?じゃあその隣のは?

 隣の男は普通ではありえないだろう青い髪の毛にスラリとした長身。整っている顔は無表情で少し恐ろしくも感じた。女の人も同じ、すっげー美人だけどすっげー無表情。


 『サロスですね。うーむ、先手を打たれた』


 ストラスの呟きで俺と光太郎と中谷は後ずさる。まさか悪魔の方が訪ねてくるなんて思わねーじゃん!ストラスは呑気にそんなこと言ってる場合かよ!

 あたふたする俺達を庇うようにパイモンとセーレが俺の前に出てくる。


 「まさかお前から来るとはな……面倒くさがりが珍しい。普段と違うことをすると失敗するぞ」

 「全くもってその通りだ。俺が手を下す必要もないはずなんだが……お前たちが不穏なことをしているから流石にな」

 「そうか、なら話は早いな。容赦はしない。この場でお前を地獄に戻す」


 パイモンがそう吐き捨てるとサロスって奴は無表情のまま拳銃をこちらに向ける。何のためらいもなく発砲音が聞こえ恐怖で目を瞑った俺たちを守るように結界が銃弾を受け止め、周囲を包み込んでいく。いくらなんでもこんな広場の真ん中に結界を張るなんて……万が一見つかったらどうするんだ!?クラウディオさんは話しについて行けない事から相当焦っている。

 未知との遭遇だもんなこれ。


 『時間を稼ぐか……enriko vada.(エンリコ、行け)』

 「Noi!?(俺!?)」


 エンリコって奴は一瞬身じろぎながらも銃を持ってにじりよってくる。俺達の前にパイモンとシトリーとヴォラクが庇うように前に出た。


 「パイモン平気そう?」

 「相手はただの人間ですからね。銃を乱射しない限りは大丈夫ですよ。問題は……」


 やっぱ悪魔の方なのか。

 サロスって奴とその横の女は全くの無表情のまま事態を静観している。動く気はないんだろうか?エンリコを見つめるその瞳から感情は読み取れず、エンリコが息をのみ俺たちに銃を向ける。


 「Sparate! Quando non li seguite!! (撃つぞ!俺に従わなかったら撃つぞ!!)」


 えっえっえ!?何?何言ってんの!?なんかマジで銃向けて来たんですけど!

 でも手は震えていて、さっきとは大違いだ。さっき店で発砲してきた時は余裕でしてきやがったくせに……でもなんか完全にいかれてるような……セーレにしがみつき事態を静観する。


 『(エンリコ、さっさと済ませてくれよな。俺は気が長くない、お前を昔のように戻してもいいんだぜ)』

 「Non diventiamo come i periodi precedenti!!(俺は昔の様にはならねぇぞ!!)」


 サロスが何か言った言葉にエンリコは息を飲んで俺たちに拳銃を向けて大声で叫ぶ。銃が発砲される瞬間がスローモーションのように感じ、思わず伏せた俺達をパイモン達が庇うように前に出る。でもあのままじゃパイモン達が撃たれる!


 『クソ野郎が!』


 悪魔の姿に変わったヴォラクとパイモンが銃弾を剣で弾き、自分達に届く前に音を立てて弾が落ちていく。こんなことできるんだ……人並外れた芸当に目が丸くなり、クラウディオさんに至っては感動している。


 「……助かった」

 『感謝してよね』


 するする、もう猛烈感動しちゃう。

 クラウディオさんなんて目を丸くして腰を抜かしている。


 「È alimentazione del dio……(神の力だ……)」

 『神じゃなくて悪魔だけどね。あいつ結構信心深そうだな。思い込み強そうだし面倒な奴』


 安心している俺とは違いエンリコは狂ったように銃弾を撃ち続けるが、銃弾は全てヴォラクとパイモンが弾き結局一発も届くことなく弾が切れエンリコはその場に膝をついた。これ、勝負ありって奴じゃなかろうか。


 「enriko」


 サロスが名前を呼び、エンリコに近づいて行き、それに反するようにエンリコは後ずさる。その表情は怯えを含んでおり、可哀想なくらい震えている。


 「どうなってんだ?なんであいつが怯えて……」


 パイモンが顔を覗かせようとする中谷を後ろに追いやる。そして次の瞬間、衝撃的なものが俺たちを襲った。


 「enriko È frattura del contratto.(エンリコ、契約違反だ)」

 「Tali……può combatterlo ancora!(そんな……俺はまだ戦える!)」

 「Come facendo? Anche se inoltre la pallottola è stata tagliata(どうやって?弾も切れたのに……愚図が)」


 一瞬の間、本当に一瞬の間だったんだ。サロスが一瞬で悪魔に代わって、一瞬で剣を抜いて、そしてエンリコの頭を剣が貫いた。その光景を俺だけじゃない。光太郎も中谷も目を丸くした。


「Talicosa……(こんなことが……)」

 

 今まで黙ってたクラウディオさんが震える声を絞り出し、そのクラウディオさんをセーレが支えたサロスはエンリコの魂を体から抜き取り、眺めている。青白い浮遊物を興味深そうに眺めていたサロスだったが不意にこちらに振り返り、魂をよこしてくる。


 『知っているか継承者、魂は己の過去を映す。見てみるか?こいつの過去を』

 「見る?」

 『絶望に明け暮れているこいつの姿を。中々に滑稽だぞ』


 魂が反応するように薄く輝きだし、どこかの村の光景が映し出された。

 小さな男の子が泣いている、目の前には焼けただれた遺体。それが誰のものなのかはわからない。おもわず集中する俺にサロスは俺にわかるように話しだした。


 『エンリコは九歳の時に父親と母親を亡くしている。理由は簡単、エンリコの街の村長はマフィアと癒着していたそうだ。こいつの両親は反マフィアの総会を行ったとして粛清されたそうだ』


 日本語のわからないクラウディオさんにパイモンが訳した言葉を教え、内容を知ったクラウディオさんの目が丸くなる。それもそうだ、自分の憎んでいる相手が自分と同じ境遇だったなんて思わないだろう。

 映像の中のエンリコは泣き続ける。じゃあその手に抱いているのは家族の遺体?


 空間が歪んで成長したエンリコが映し出される。その表情は暗く、ボロボロの服を着て、若いながら煙草を口にくわえていた。


 『エンリコはそのマフィアに復讐するためにマフィアになることを決めた。その相手はマウロ・ナバーラ』

 「マウロって……あのマウロ!?」

 『その為にエンリコは一刻も早く出世することにこだわった。幹部にならなければマウロには近づけないから。そしてその手柄を立てるために俺と契約した』


 そんな……

 そしてその話を聞いていたクラウディオさんが大声で叫んだ。


 「È bugia.che è una tal bugia! (嘘だ、こんなの嘘だ!)Per quanto riguarda [enriko] essere estranea, alla persona più bassa chi uccide la persona.tali……tali……(エンリコは平気で人を殺す奴で、こんな……こんな……)」

 『come per fare qualcosa è differente da voi? (お前と何が違うんだ?やっていることは同じだろう)Probabilmente significa che prendparteete alla mafia per assassinare?(お前も暗殺の為にマフィアに入ったんだろう?)』


 その言葉に言い負かされてクラウディオさんがサロスの言葉に頭を抱えてうずくまる。自分が憎んでいる相手と同じという言葉は想像以上に精神的なダメージだろう。


 『環境が変われば人も変わるんだろうな。こいつはもうあの時の子供ではない。結局は自分一人では何もできないことを早期に悟り、今ではご機嫌伺の馬鹿さ。俺との契約内容すら理解していない愚か者には、こんな末路がお似合いだよ』

 「ふざけんなよ……」

 『アレッシア』

 『はい』


 後ろに控えていた女が一歩前に出る。ここまで来てもサロスは戦う気がないらしく、部下に戦わせようとしている。どこまでも卑劣な奴だ。


 『あと数分時間を稼げ。それで仕事は終わりだろう』

 『畏まりました』


 女が俺たちに近づいてくる。こいつは強い悪魔なんだろうか。パイモンが俺たちを後ろに追いやり剣を抜く。


 『すぐに終わります。光太郎と中谷を見てやってください』


 その言葉でハッとした。慌てて後ろを振り返ると、顔を真っ青にしている光太郎と蹲っている中谷がいる。


 「光太郎、中谷……」

 「こんなあっさり銃撃つ奴も頭おかしいし、簡単に脳天に剣ぶっさす奴もいるし……なんなんだよ!」


 頭を抱えた光太郎の肩をシトリーが掴み、ポンポンと規則正しいリズムで肩を叩く。こっちに向かって首を横に振った意味は自分が何とかするから光太郎に関わるなの合図だ。

 

 中谷にもヴォラクが駆け寄っていき、まるで自分だけが疎外感を感じているような錯覚すら起きてしまう。あんな奴、死んで当然なのかもしれないけど……あんなむごい死に方をする必要があったのか分からない。でも、パイモンは今も戦ってくれているんだ。俺は、俺のために戦ってくれているパイモンを他所に泣いていいはずがない。だって、俺はあいつの契約者なんだから。

 

 中谷と光太郎を二人に任せて、セーレの側に戻る。酷じゃないのかと聞かれて、頷いたけど目をそらそうとは思わなかった。俺の悪魔の戦いを、俺が見なくてどうするんだ。


 『サロス様が部下“アレッシア”お相手願いますわ』


 アレッシアと名乗った女がパイモンに斬りかかるがパイモンはその攻撃を最初からわかっていたかのように簡単に避けていく。なんだよ、力の差がありすぎなんじゃ……パイモンが言った通り、すぐに終わるんだろうな。あの女の悪魔は殺されてしまうんだろうか。


 『弱すぎる。お前みたいな下級に俺を倒せると思っているのか?』

 『いえ、そのような驕りはございません。ただ私は命令を忠実に実行するまでです』


 事務的な返事を述べたアレッシアはひたすらパイモンを斬りつけようと剣を振るい続けるが、流石に数分を過ぎた所でパイモンがアレッシアの剣をはじき剣の柄でアレッシアの腹を思い切り殴り飛ばした。


 『弱すぎる』

 『ぐ……くっ』

 『今は気分じゃない。殺すのは勘弁しといてやる。しかし己の実力を知ることだな』


 やっぱパイモンはすげえ。一瞬で倒しちまった。殺さなかったのは意外だけど、きっと俺が見ているからだろう。パイモンはバツが悪そうにこちらを睨むように見つめている。多分、俺が見ていなかったら殺すつもりだったんだろう。良かった見てて。

 そしてサロスが倒れているアレッシアを抱き起した。その表情はさっきまでの無表情なものではなく優しげだ。


 『十分だアレッシア』

 『サロス様……』

 『今は休め。もう準備は整った』


 準備?何か他にもあるのか?

 しかしそんな疑問を横にパイモンはサロスに剣を突き付けた。


 『戦うか?』

 『遠慮しておこう。一刻も早く地獄で彼女の手当をしたいのでね』

 『愚図が……部下に戦わせておいて今更大事そうに扱うな』


 パイモンが砂になったエンリコの鞄の中から契約石を取り、俺に向かって手招きをする。召喚紋をかけの合図だ。言われたとおりに剣を出して剣ごと腕を差し出すと、腕を取られ召喚紋が県から漏れた光で描かれていく。

 出来上がった召喚紋に入っているサロスに対して呪文を唱えていくと相手の体が透けてきた。


 「ストラス、あれって……」

 『マザーオブパールの冠ですね。サロスの契約石です』


 なんか本人自体は戦わずに戻るって言うんだからあっけにとられた。早く終わり過ぎだろ、いやいいんだけど。


 『これからが本番だ。これからが……』


 サロスが消えた後に結界は消失した。そして急に広場に姿を出した俺たちに、街の人は唖然とした。それを俺達はマジックマジックと無茶苦茶な言い訳をつくって何とか逃げる事に成功したけど。


 「大丈夫か……?」


 光太郎と中谷の元気はなく、完全に項垂れてる。立ち直るのには時間がかかりそうだ。かくいう俺も、正直疲れた。静かなところで休みたい。ストラス抱きしめて横になりたい。

 黙っていたクラウディオさんは今回の一連の事件の説明を求めており、わずらわしそうだったが簡潔にパイモンが述べた内容に考え込んだ。


 「(悪魔と悪魔の抗争、ね。現実味のない話だな……あの戦いを見てなかったら信じていないよ。宗教観も狂いそうだ。でも、何が正しくて何が悪いのかわからなくなったよ)」


 エンリコは家族を殺された憎しみから復讐に走った。そして同じ道をクラウディオさんも走っている。エンリコと同じ想いを持っている、でもエンリコは悪い奴だった。それがクラウディオさんの心を痛めつけてるんだろう。項垂れてクラウディオさんにパイモンが近づく。


 「(復讐者は正義ではない。もちろん奪う側は当たり前だが。復讐は新たな復讐を生み、永遠に終わらない。俺はお前たちのような宗教にかこつけて犯罪を正当化する奴らを過去に何人も見ているが、全員碌な死に方をしていない。お前も、そのまま生きるのなら止めはしないが、碌な最期にならないぞ)」


 その言葉にクラウディオさんは小さく笑って立ち上がる。


 「(新たな道、か……あいつが死んだのなら、それもありなのかもしれないな)」

 「(復讐など捨てて生きろ。まだ若いお前が全てを捨ててまで捧げる物ではない)」


 クラウディオさんを残してパイモンが俺の腕を取って立ち上がらせる。


 「主、帰りましょう。長居は無用です」


 そうだよな。光太郎達も疲れてるだろうし……


 ***


 あの後、マンションに帰った光太郎と中谷はすぐに家に帰ってしまった。よっぽど辛かったんだろう、一言も話さずに。

 そして二日後、ニュースでシチリア島で暴動が起きたと報道された。その事件でマフィアのマウロ・ナバーラは死亡。他にも甚大な被害が出たらしい。そして暴動を率いていた数人組がマフィアや警官に射殺されたと書かれており、その中にクラウディオさんの名前がない事に安堵した。


 『クラウディオ、死んでいなくてよかったですね。流石にこの規模の暴動はしばらく起こらないでしょう。パイモンの言葉が響いたのならいいのですが』

 「クラウディオさん、最後になんて言ってたんだ?俺はわかんなかったんだけど」

 『パイモンがお前は碌な死に方をしないとハッキリ言いましてね。クラウディオもエンリコが亡くなったのなら復讐から手を引くことを考えても良かったのかもしれませんね』


 そっか、クラウディオさんが今何をしているのかはニュースの内容だけでは分からない。ただ、復讐なんかやめて幸せになる道を選んでくれていることを願うばかりだ。


 「クラウディオさんが無事ならいいね」

 『どの道を選んでも覚悟はとうに出来ていたのでしょう。彼は自分の運命を精一杯受け入れて生きていくでしょう』


 そうだろうな。家族を奪われるなんて想像しただけで背筋が凍るのに、実際に経験した人が俺に何を言われても慰めにしかならないだろう。

 だから、俺はあの人が幸せになってくれることを願って、このニュースを見るしかないのだ。


登場人物


サロス…ソロモン72柱序列19位の悪魔。

    大きなクロコダイルに乗った雄々しい戦士であり、銀の鎧に冠を戴いた姿で描かれる。

    30の軍団を指揮する公爵であるとされる。

    酒を好み、人々の間に愛をまくと言われ、男の心を女に向けさせ女を男に振り向かせることもできる。

    また屈強な戦士と言われるサロスだが、面倒くさがりで有名であり、基本自分が戦う事はない。

    追い詰められても捕虜で済むのならそっちを選ぶというスタイルは皆から呆れられている。

    しかし実際戦うと中々手ごわいので侮れない。

    契約石はマザーオブパールの冠。


エンリコ…幼いころに家族をマフィアの襲撃によって失い、復讐のためにマフィアの世界に足を踏み入れた。

     一刻も早く復讐を果たすためにサロスと契約したが、だんだん保身の事しか考えなくなっていった。

     

クラウディオ…エンリコと同じくマフィアの襲撃で家族を失った。

       復讐のためにマフィアに潜入していた。

       憎んでいる相手であるエンリコが自分と同じ境遇であった事に酷くショックを受ける。

       パイモンに諭されたが、マフィアへの憎しみを捨て切れず、最後はマフィアとの抗争の最中、若くして命を落とした。



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