表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/36

最終日(後編) 後夜祭の花火②

「ごめん。やっぱり私、さやかのこと、恋愛対象として見れない」


「そっか、そうだよね。大丈夫、気にしないで。これからも友達(・・)としてよろしくね」


 自分が涙を流さないことに対して一番驚いていた。

 しばらくして、後夜祭が終わって那智と別れて一人になった時、涙が溢れてきた。その時ですら自分はこんなに本気だったのかと驚いていた。視界がぼやけて上手く見えない。道の端に寄って声を押し殺して泣いた。こんなに泣くのはいつぶりだろうか。嗚咽がひどくて、息がうまく吸えない。

 一頻(ひとしき)り泣いたあと、教室へ向かおうと立ち上がると、立ちくらみがして上手く歩くことができなかった。一周回って、もう何もかもが面白くて普段はあまり笑わない方なのにそんな些細なことですら声を出して笑ってしまった。

 しかし、いくら笑っても心にぽっかり空いた穴が埋まることは無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ