過去編(八乙女 悠 やおとめ ゆう)
えぇー。ここからは過去編を書いて行きます。
まず最初に悠の過去編。
書いてて苦しかったのは代償ですかねぇ。
あと幼いながらの純粋な発言。小さい頃の自分のを思い出しながら書きました。悠は現在「俺」ですが、昔は「ボク」だったと思って変えてみました。
はい、ただの自己満です。幼児期の悠くん可愛いです。
「マーマー!これ買ってよーー!」
ボクはお菓子を3個ぐらい持ってきて、ママに走っていった。
「えぇー・・・。一つにしなさいよー。」
ママはむすっとした顔でいるが、そんなこと言われたボクもむすっとしてると思う。
「やーだーー!全部欲しい!」
「だーめ。一つにしなさい。」
うわっ・・・鬼ママになる・・・。ママの顔を見てそう思ったボクは仕方なく、一つだけにした。
そのお菓子はチョコレートのお菓子だった。
レジに行って袋に買ったものを詰め終わって、あとは帰る!
「ママー!待って待ってー!」
ボクは自分のお菓子を持って、ママの後ろを追いかけてた。
「はいはい、転ばないでねぇ。」
こっちをちらっと向いたママは車の鍵をバックから出そうとしていた。
すると、口に布を当てられて体が後ろに下がってく。強い力でボクは後ろに引き寄せられ、一瞬にして恐怖を持ったボクは「ママー!!!」と叫ぼうと思ったが、目の前がぼやけて意識が遠くなって変な匂いがして、叫ぶ前に意識が飛んでしまった。
「悠ー?」
振り返ると悠は居なく、悠の持っていたお菓子だけが転がっていた。
「悠・・・?」
なにか嫌な予感がすると思ったら、すぐ目の前の黒い車が動き、車が前へ進んでいくと見覚えのある靴が落ちていた。
「?!悠!!」
一瞬で私は悠が攫われてしまったことを悟った。
真っ暗。んでもって、冷たくて固くて・・・。
「ん、ん?」
ボクは、何をしてたっけ?
確か・・・。そうだ!ママ!!てか、ここどこ?!
コンクリート(?)ぽい灰色の床に同じ灰色の壁。
上にはまたにチカチカと弱々しく光る電球が一つ。
その時5歳にも満たなかったボクは、その場の状況で恐怖がたっぷり湧き上がっていた。
「やぁ。起きたんだね。」
いきなりガチャっとドアを開けて入ってきたのは、黒いフードを被った男の人・・・。ズボンがジーンズで、所々に穴が空いてる。
「悠君だったかな?いきなりでごめんねぇ。少し君をお母さんのとこから貰ってきちゃった♪」
顔を見なくても、その人が笑っているのは口調で分かってくる。
「ねぇ?悠君はお母さんのとこに帰りたい?」
途端に優しい口調で喋ってきた。
「う、うん!ママのとこに帰りたい!」
ボクはとにかくこの怖いとこから出て、ママのとこに・・・パパもいる家に帰りたかった。
「そーだよねぇ?帰りたいよねぇ?んでも、ここから悠君は出れないんだよねぇー・・・。」
それを聞いてボクは焦ってくる。
「ママのとこに・・・帰れないの?」
こんな何も分からない中、恐怖心に支配されてた「俺」はあいつらに簡単に騙されちまったなぁ。あの時はまだガキだったからしょうがないと言い訳したいところだが、冷静に考えれば騙されないとあそこからは出れなかったんだよな・・・。
「・・・と、言うことでこの方法だけが悠君がここから出てお母さんに会うこ出来るよ?どうする?」
話されたのは、ここから出れないというボクに「あくま」って言うお願いを叶えてくれる妖精さんみたいなのがここにいるからその「あくま」に「ここから出てお母さんに会いたい!」と「あくまご」で言えばいい・・・らしい。その「あくまご」が「のうりょくをください。」というみたいで、3回ぐらいあの男の人と練習みたいなことしてた。
「悠君?出来たよー。これが「あくま」を呼ぶための絵だよー。」
赤い絵の具(?)で描かれた丸い絵が灰色の床に出来た。
「はい。これをあの絵の真ん中・・・と、ここ!」
指を指して教えてくれている。
「ねぇ?これなぁに?」
はい。と言って渡されたのはガラスのコップに入った赤い水のようなものにカラカラとなにか入っているような音がした。
「あぁー・・・。「あくま」はね、そのあめ入りのトマトジュースが大好きなんだよー。だから、それをここにべちゃぁーとかけてね?そしたら「あくまご」を言うんだよ。」
「大好きなものをここにこぼしちゃっていいの?飲めなくなっちゃうよ?」
すぐにそう思ったボクは聞いてみた。
「「あくま」はコップとかは要らないんだよ。逆にコップとかあったりすると飲めないんだって。」
ふーんと聞いてみたが、余りにも陽気に話すもんだからそれを信じて、男の人がいなくなったあとボクは床に描かれた絵の真ん中にコップに入った赤いトマトジュースをコップをひっくり返してべちゃーっと撒き散らした。コップが空っぽになって床を見ると、そこには飴玉ではなく黒い鉄のようなものが入っていた。赤いトマトジュースは妙にドロっとしていて服にもついて、真っ赤で・・・。
「えっ・・・。」
急に目の前が一瞬だけ暗くなって、低い鐘の音のようなものがして、体がなんだかビリビリする・・・。
「おい、小僧。」
上から低い声が降ってきて見上げると、そこには・・・。
「お前が私を呼んだか・・・・。今回は随分と若いなぁ?小僧。私を呼んだということは願いがあるのだな?」
パパよりも低い声。そして紫色の顔とボロボロの布を被っていて、目が赤くて頭に大きい角みたいなのが生えていて・・・。とても妖精さんみたいなものには見えなかった。逆に怖かった。
「あわ・・・わ・・・。」
声が弱々しく出て、きっと顔は青ざめていただろう。
「なに腰を抜かそうとしている。願いがあるのなら言え。言えないのならもう私は行くぞ。」
はっときずいて、ボクは言わなくちゃ行けないことがあるのだと・・・あの男の人に言われたこと言えば・・・。
「お母さん・・・じゃなくって、えぇーっと「のうりょくをください」」
「あくまご」と教えられた言葉を言った。
「ん?「のうりょく」か。やはり、歳など関係なく欲しがるものは多くいるものだなぁ。」
「あくま」が笑っていた。なんで笑っているのは分からなかった。まだ難しい言葉なんて分からないから。
「小僧。どうして「のうりょく」が欲しい?」
「え?」
途端に質問され、戸惑ってしまう。こういう時はどう返せばいいのか分からなかった。
「理由を聞いている。なぜお前は「のうりょく」が欲しいと思った?」
「りゆう」?分からない・・・。「あくま」の言っていることが分からない。
「まぁ、どうせにしろ自分のために自分が得をするためにしかこの契約はならんからな。」
「あくま」が一人で頷いている・・・。
「んで?お前の願いは「のうりょくをください」でいいんだな?」
喋っても「あくま」に分かるか知らないから「うん」と言う意味でこくっと頷いた。
「よし。私「ロックのあくま」はお前と「のうりょく」の契約をすることを許そう。」
っと言って、僕の胸に大きくて長い指をたてて来てつんっと当たると「あくま」がすうっと消えてっていった。すると体が重くなった気がした。そしたら・・・。
「さて、「だいしょう」は・・・「りょうめのしりょく」と左腕の「にく」にしようか。」
頭の中で声がして。よく分からない言葉を言っててその声がさっきまで目の前にいた「あくま」であることを思い出して・・・
「えぇっ??・・・待って・・・!痛い!痛い!痛いー!」
途端に左腕が手も痛くなって、引きちぎられそうな・・・赤い血が出てきて・・・肌色のボクの腕は・・・
「これで終わりだ。もう「のうりょく」は与えたぞ」
頭の中で声がしたけど、気にしなかった。ただ、泣き叫んでいた。左腕が赤い血をたらして、白い骨らしいものが完全に見えていた。動かせない。ただ痛い。肩から下がない。骨しかない。血がたっぷり出ていた。僕の座ったところ・・・立っていたことろは真っ赤な血で覆われてしまった。もう、丸い絵はボクの血で分からなくなってた。目の前がぼやけててよく見えない。
「やぁ。悠君。ありがとね。さ、「あやつれ」。エンドちゃん。」
後ろから聞こえたあの男の人の声。振り返ると同じくらいの歳の女の子がいた。その子は髪が短くて、目がキレイな紫色で、白黒の髪で・・・。
その「エンドちゃん」と言われた女の子が近寄ってきてボクの肩に触ろうとした時・・・。いきなり地鳴りがした。聞いたことのあるうるさい音。これはパトカーだ。んでもってバンバンって言う音。
「ボス!サツに囲まれました!」
「はぁ?!ここじゃぁ戦えねぇ!逃げんぞ!」
優しく話していた男のひとはガラッと不良のような口の悪い言い方になった。隣にいた女の子を引っ張ってドアから逃げていくと、しばらくしてそのドアから黒いヘルメットを被った人がやってきた。
「ここに子供がいたぞ!・・・君!その腕は?!」
その人はヘルメットを被りながらびっくりしたような声を出した。もうボクは分からない。でも、これでお母さん達に会えると頭の中で思いながらそのまま倒れ込んでしまった。
由奈「悠ー!!お前の苗字、変だな!「やおとめ」とか女かよ!」
悠「笑うなよ・・・。ガキの頃は珍しいもんだったみたいだから結構自慢だったのに・・・。」
由奈「へぇー?自慢ねぇー?笑笑」
悠「そういう由奈の苗字も・・・」
由奈「ぁぁぁあぁぉぉああー!!!!なしなしなしなし!!!ご視聴ありがどうございまじだー!!!」
悠宇「鹿目由奈」
由奈「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!!!!」