10歳になりまして
いよいよ学園に向けてスタートです!!
・・・月日が経ち、レイはついに10歳となって学園への入学が決定した。
学園の入学式のために、間に合うようにその3日ほど前に家を出発する。貴族なので馬車に乗っていくのだが、この世界の馬車ってもうがったんがった揺れるのが嫌なんだよね。
スプリングとかがないようだし、仕方がなくクッションに乗っているのだけど改善したいな。
学園があるのは王城があるこの国の首都ヴァルガス・・・ではなく、その近くにある都市ベタリアンところにあるそうだ。
家から大体2日ほどで着く距離で、案外そこまで遠いわけでもない。
首都にないのは、こっちのほうが王城に被害が及ばないっている話だけど・・・おい、被害ってなんだ?
え?たまに魔法で暴れる生徒とかがいるからだって?・・・すんごい物騒なのかも。
「というか、どうしようもない理由で学園がその都市にあるのか・・・・」
「たしかにどうでもいいような理由ですよね」
馬車に揺られながら、俺とハクロはそのことについて話す。
というか、馬が走っている横で平然とした顔で並走している姿って言うのもすごいような気がするが・・・。
元々ハクロは早く走ることができる。
周囲に木々があれば糸をひっかけたりしてどこぞやの装置のように立体的に動けるしね。
そもそも、使い魔になる前、野生の時には人に狙われることが多かったので足が速くなるようにしていたようだけど、使い魔になった後はレイの影響とこの5年間一緒に色々と訓練をしてみたりしていたので、基礎体力も向上していたようである。
・・・まあ、モンスターな時点で人間とは基礎体力が違うんだけどね。
馬を操縦してくれているこの馬車の御者だが、この人はこの人でもう何かを悟ったような顔になっているのは触れないでおこう。うん、何事も見ないふりの方が良いと思うよ。
道中特に盗賊とかにも襲われず、平和な道のりだったけど・・・ハクロを見かけた人が驚く顔が多かったような気がするな。
ハクロの見た目は美しいわけだし、ハクロを狙うような輩もいるだろうけど・・・・やめておいたほうがいいよ?
俺との訓練を一緒にやっていたせいか、ハクロもずいぶんと実力が上がっているもん。
襲ってきたら多分命があればいい方であろう。うん、強くなりすぎているなこれ。
「網を作って捕らえるだけにとどめたほうが良いかもね・・・・普通に撃退したら死人が出るよ」
「襲ってくる方が悪いのですが・・・・」
「人を引きちぎれるレベルになっていたら過剰防衛だって」
ハクロって細腕で繊細そうだけど、意外に力はあるからね。
ついうっかりで木を殴っておらないとは思うぞ普通は。自身の使い魔に下手すると命を狙われているような物だろこれ。
まあともかく、何とか馬車の旅を終えて俺たちは学園がある都市ベタリアンへと到着するのであった。
・・・・なんか煙が上がっているところがあるけど、落ち着いている反応と言うことはこれが日常茶飯事ですかね?
もうなんか帰りたくなるような気になるなぁ・・・・。
さてと、都市の中に入るけど・・・・・・・