本番です!!
大量捕獲・・・違法漁法ではないですよね?
昼食を取った後、レイたちはここに来た目的である依頼の「クラブフィッシュ」の群れ探しへと行動を開始した。
沖合に出るけど、そこまで遠くの方に離れなくていいので陸地がきちんと見える位置で船を止める。
足場も作っておこうと思い、氷魔法を使用して簡単な氷の浮島を作製し、用意に取り掛かる。
足場があるだけで、結構楽でもあるからね。
「群れを発見するのに一番楽なのは、海鳥が集まっているところだろうけど・・・」
辺りを皆できょろきょろして、大体どの位置にいるか探す。
皆目がいいし、すぐに発見ができた。
「見えました!!北北西の方に海鳥が群がっています!!」
「移動しているところから見ると、海面下の群れも移動してそれを置きかけているのでありますかね」
「網投下用意!!」
・・・・海鳥の群れがあるだけで、そこにクラブフィッシュがいると限ったわけではない。
だが、その海鳥たちが海からとっ捕まえているのは・・・・まぎれもなく目的のクラブフィッシュたちである。
そのため、その真下にいるのは明白であり、運のいいことにこちらの方へと移動してきているのだ。
おそらくだが、あの海鳥の強襲から避けるためにこの氷の足場の下に潜ろうとしているのだろうが・・・・これこそまさにとどめの捕獲用の場所とは思うまい。
網の先にきちんとオモリを付け、群れが通過する瞬間に投下して一気に一網打尽にする。
下の方にまでいてゃきちんとつながって、引き上げればすぐにでも捕獲可能だ。
一応群れの突進力とかも考え、しっかりと全員網の糸を握って網ごと攫われない様に気を付ける。
「ターゲット、投下予定地点まであと100メートル!!」
「・・・海鳥の方は、来たらすぐに迎撃可能です」
ぐぐぐぐっと、上の方に伸ばした根っこにパチンコを大量設置してカトレアがつぶやく。
上空から海鳥の強襲もあり得るので、その対策もしっかりとね。ちなみに弾は魔法のボール系統の物を、ハクロの糸で丁寧に包み込み、直撃すれば爆散するものです。
「あと30メートルであります!!」
海面の方に黒い影がしっかりと大量に見え、こちら側に迫ってくる。
バシャバシャと水しぶきがはね上げているのもわかり、もう海面近くまで行ってしまってパニックになっているようだ。
「20メートル!!」
「10メートル!!」
「・・・・1メートル!!」
「投下!!」
合図をして、一気に網が海中へ投げ出される。
重石を付けているのであっという間に沈み、大きな網の壁が出来上がって・・・・勢いに乗って動いていたクラブフィッシュの群れが瞬く間に網に激突し、捕らえられていく。
ズドドドドドドドド!!
「うおっ!?すんごい衝撃が来るな!!」
「一応はさみの分の質量と、運動エネルギーがガンガンぶち当たっていますからね」
「これ網大丈夫でありますか!?」
「ふふん!心配ご無用です!!この程度なら全く問題はないはずです!!・・・多分」
おい、ちょっと断言できていないのはなんでだよ。
そのツッコミを入れようと思ってハクロを見ると、少し群れの状態を見て冷や汗をかいていた。
「ちょ~っとばかり想定外の大きさ何ですよね・・・この群れ」
「つまり?」
「ややはみ出て逃亡されるかと」
「・・・そのぐらいなら許容範囲でありますよね」
まあ、何も全部捕まえるという目的ではない。
今回の依頼はあくまでもこの「クラブフィッシュの捕獲」であり、制限は特に設けられていなかったはずだ。
多く手に入れたいとは言え、いくらかがこちらの利益になるようにするために多くとるのであって、全部が自分たちの物になるわけではないのだ。
なので、物凄い量が逃げさえしなければ文句はない。
そういうと、ハクロがほっとしたかのように息をついて、網を少し巻き取る。
「このまま一気に引き上げて、陸地に乗せるぞ!!」
この氷の浮島の上では広げられないし、砂浜に乗せていくしかない。
前後左右を網を引き揚げて囲って逃げられないようにした後、レイたちは船を陸地まで漕ぎ、到達してすぐに網を引き揚げた。
ビチビチっと跳ねるクラブフィッシュの大群は、見ているだけでもすんごい圧倒勘がある。
魚にカニのはさみが付いているのを見ると、ちょっと奇妙に思えるが、それでも大量に取れたのは間違いなかった。
「このまま数分ほど放置して、息絶えるのを待たないとな・・・」
空間収納の魔法で収納するのだが、この魔法は生命活動を行っている相手は収納できないという特徴がある。
そのため、とれたて新鮮でも生きているのであれば収納ができないのだ。
見た目は魚だし、えら呼吸だろうからこのままほおっておけば自然と昇天するであろう。
しばし待ち、空間収納の魔法に入ることでその死を確認してから、全部入れるのであった・・・・。
・・・これで帰ってギルドに戻れば依頼終了だけどさ、少しまだ気になることがあるんだよね。
まだ気になっていることと言えば・・・




