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学園の日々

後半久し振りの登場

・・・サクラが使い魔となって数ヶ月、そろそろ学園も夏休みの時期へと入るころ合いである。


 まあ、もう絶縁しているためこれまでは都市のバイトをして稼いでいたけど、今年からは夏休み中冒険者業で稼ぐことができるからね。



「にしても、サクラ容赦ないな・・・」


 学園の時間割に剣術の時間というものがあるのだが、サクラがそこへ特別講師としてちょっと働くことを許可してもらい、剣術の時間にサクラが皆の相手をしていた。


 ケンタウロスだから槍とか弓矢のイメージがあるが、サクラの場合は剣術が得意らしく、流石に学園の授業なので木刀で相手をしていたりするのだけど・・・



「ぼっこぼこにしてどうする!!」

「つい熱が入ったのであります」


 剣術科目受講生徒・・・・全滅。手加減抜きの本気のモノをやっているようで、剣術を元々担当していた教員もあっという間に倒したからな。


 たんこぶまみれの人とか、気絶している人とか多いぞ。


 ツッコミを入れて、サクラは反省して・・・いないような様子でてへっと舌を出していた。



 ・・・・主人である魔物使いと、従う使い魔との間には、契約したら互いになにかしらの影響を及ぼすことがある。


 そして、使い魔が増えれば増えるほど重複できるようで、サクラと関係を持ったら、レイの脚力が向上したようで、走る速度が上がっていた。


 そして、サクラの方は身体能力の向上のようである。


 ハクロは耐性全般、カトレアは魔法耐性の向上をしたところから考えるとおそらく使い魔にとって足りないような部分、もしくは強みがあった部分が強化されるようである。


 サクラの場合は、身体能力の向上によって剣術等パワーアップしたらしく、快調の様だ。


 でも、やり過ぎるのはちょっとダメだろ・・・・・それでも剣術の科目を受けるようにした人が多くなっているけどさ。


 何を目当てにしているかはわかりやすい。サクラはサクラで見た目が凛とした雰囲気で、騎士と言うか清廉潔白真面目な雰囲気を纏っているからね。




・・・中にはもっとぼこぼこにしてもらうのを目的にしている、何かいけない扉が開いたようなやつがいるようだが・・・・まあ、そこは人次第だし別にいいか。開けられたものは閉じようがなさそうだし。




 ついでに、サクラがこうして剣術の科目で学園の手伝いをしているようなものだけど、ハクロとカトレアも最近同じようなことをし始めている。


 ハクロの場合、裁縫を活かして衣服の修繕を始めているようだ。


 貴族家の子供ならすぐに買い替えができるけど、庶民の方だと貧しい人たちもいて、その人たちのために服を修繕してあげているらしい。



カトレアは、学園にある花壇の一角を借りて薬草栽培。


 ギルドでの薬草の依頼関係ですぐに出せるのは良いね。


 ついでに、学園で登録を仕立ての人達宛に格安で販売して手助けをするようなこともしていたりする。


 金で買って依頼完了させるというのはちょっとNGかもしれないけど、そこは自己責任。




 まあ、これまでのところ特に目立った問題もないし、充実とした日々を過ごせるのはいいことだ。






・・・・いや、問題あったな。


「またハクロたち宛のラブレターの山・・・・すごいな」


 ハクロ、カトレア、サクラ・・・それぞれモンスターとはいえ、見た目が美女だ。


 そのため、こうして山となってラブレターが送られてきやすいのが困り事であろう。


 しかも、冒険者登録をして、ギルドの方でも姿を出すようになってからはその冒険者たちからの手紙も多く混じって送られてきているんですが。


 俺宛には怨嗟の手紙が・・・・血文字とか怖いぞ。



 とはいえ、ギルドの方に顔を出すようになっても問題は特に起きていない。


 いやね、ハクロたちのファンクラブとやらが裏で動いているらしいんだよな・・・・それで事前に問題を起こしそうな、要は絡んできそうな馬鹿とかをつぶしているようで。


 別にいいんだけど、それはそれでちょっと怖いな。


 卒業後、この都市から移動して拠点を得るつもりだけど・・・・そのことをファンクラブが知ったらついてきそうで、この都市の冒険者数が一気に減りそうである。


 その可能性に、レイは頭を少し悩ませるのであった・・・・・・・・。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEデーン・フォン・アルス伯爵



・・・・絶縁し、家から出ていったレイは今年で最後の学園生活となる。


 

 デーン伯爵は、自室で空を見上げながらレイの事を考えた。


 現在、夏前の税収予想がたてられており、この夏何もなければやっとレイが出ていく以前よりもやや少なめの税収を得られそうなぐらいまでの回復の予想そ見て、ほっとしていた。



 息子であるバルトとザッハは、やはり体育会系と言うか、脳筋系統にあたるようで肉体作業の方が向いていたらしい。


 レイが出ていったあとの厳しい時期を乗り越え、やっとだいぶまともな方向へと矯正されたようで、農民たちに混じって畑を耕したり、モンスターや動物よけのための柵を作ったりしていた。



「あの穀潰しがいたころよりも、俺達の力だけでりっぱにしてやるぜぇぇぇ!!」


 と、叫んでいることからまだまだ矯正の余地はありそうだが、これでも何とかまともな方向へ行けているようだ。




・・・ここまでの矯正ができたのも、家の復興が進んできたのもすべてはデーン伯爵の正妻であるアレクサンドリとの離婚と、その実家の方との縁が完全に断ち切ることができたのが大きい。


 すべての証拠がようやくでそろい、やばいことに手を出していたアレクサンドリの実家。


 王国が動き、迅速につぶしたのである。


 デーン伯爵はその家の娘であるアレクサンドリと婚姻関係にあったが、そのつぶす直前に多額の養育費を請求されたものの、金に目がくらんだ正妻は、当時レイが出て行ってやばくなっていた伯爵家を見限って了承し、完全に縁を切ってもらったのである。


 金の切れ目が縁の切れ目・・・・はちょっと意味が異なるような気もするが、この伯爵家が存続の危機に陥っているのを理解した正妻の実家の指示もあったようだ。


 バルトとザッハの方は、一応この家を継ぐためにデーン伯爵の方に親権がうつされ、巻き添えにはならなかったようだ。


 その後に、その正妻の実家は王国によって事実上貴族籍剥奪と、一斉検挙をくらい、つぶされたのだから。


 デーン伯爵も悪事等の関与も疑われかけたが、潔白なのは直ぐに証明された。



 ・・・そのあと、領地を立て直すために仕事が忙しくなった。


 バルトとザッハは学園を留年しまくっていたことから書類仕事関係をやらせずに、領地の方でガンガン働いてもらうことにした。


 貴族上位のような意識を持っていたようだが、そこはガウン国王からうまい方法を伝授してもらった。


「飴と鞭」を用意するだけで、あっという間にぼんくらから役立つ二人へと早変わりしたのである。



 なにせ、畑仕事等を真面目に手伝わなければ、自由を許さず永遠に勉強漬け地獄だと脅しまくったのだ。


 このまま領地がすべてダメになれば、継いだ時にはもうおしまいだともこの際一気にまくしたて、根性でやる気を出させてやったのだ。






 ここまでの矯正は良い。けど、それでもやはりダメダメなところがあったようで怠けようとしたりしたのだが・・・・・数カ月前にトドメの矯正が入った。



 其の日、山の中を切り開いていた時に、バルトとザッハはモンスターに出くわしたらしい。


 下半身が馬なことからケンタウロスであるということはわかったのだが、そのタイミングあある意味最悪であった。



 山の中にあった小さな湖で休憩をしていたらしく、その上半身が美しい女性だった。


 当然、のぞこうとして・・・・二人はバレて生死の境をさまよいそうなほどぼっこぼこにされた。



「まったく、なんていうやつらでありますか!!その根性を叩き直すでありますよ!!」


 そうそのケンタウロスの女性は言うと、2人を山の中に引きずり込んでいった。


 一応きちんと、無事に返すと約束し、相手がモンスターでしかもかなり強そうなことから逆らうこともすぐにはできず、数日ほどは物凄い悲鳴が続いていた。




・・・そして、帰ってきた時には、バルトとザッハはまるでつきものが落ちたかのような晴れやかできらきらとした姿になっていたのである。


「「ありがとうございました先生!!」」

「うむ、では某は主君探しのために去らばであります!!」


 そう言い残し、そのケンタウロスの女性は去っていったが・・・・今はどこで何をしているのだろうか。


 もしかしたら、息子であるレイの使い魔になっているかもしれないな。




 外の方で矯正され、生まれ変わったかのように働くバルトとザッハの姿を見て、デーン伯爵は何とかなりそうな領地の未来を考えるのであった・・・・・・。



実はそこで関係性があったという話であった。

バルトとザッハ、再登場の可能性あり。

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