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ドべべの森探索

本日2話目

「ドべべの森」って、最初は「土下座の森」ってするつもりだった。そして何故かこうなった。

依頼の薬草採取のために、レイたちは1時間ほどでドべべの森へとたどり着いた。


 都市ベタリアンからも近く、冒険者初心者がよく来ることがある森なので、ご丁寧に森の中のマップが入口の方にデーンと置かれていた。



 物凄くわかりやすいけど、薬草の群生地は時期によって違うらしい。


「『ネバスコ』を20本だからその群生地で簡単に集められそうなものだけど・・」

「今の時期だと、森の奥の方ですね。欲張らないように薬草を採取するのがルールですから、ある程度なら確実にあるはずですよ」


 

 冒険者にだって、ルールはあるのだ。


 こういう採取依頼はとり過ぎないように、必要量までにしておくように言われている。


 過剰に採取しすぎると、必要な時期に物凄く少なくなるということもあるのだからね。



・・・まあ、守らない人もいるらしいけど、どういうのに限ってギルドから目を付けられたりするからなぁ。



 あ、モンスターの方は例外を除いて狩れるなら狩ったほうがいい様だ。こちらは人を襲うのが多いので、基本的に数を減らさないとだめだとか。




「きしぃっつ!!」

「お、ゴブリンの群れか」



 歩いていると、ゴブリンの群れに遭遇した。


 数は12体ほどで、まだ小規模な感じである。


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「ゴブリン」

弱いモンスターであるが、群れで来られると厄介なモンスターである。

見た目はやせ細った子供のような体に、醜悪面をしている。

まとまりがない時期は極めて倒しやすいのだが、進化種や特殊個体などと言われるものがリーダーとなったときにはかなりの連携を発揮して、そこそこ冒険者たちを苦しめるのだ。

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 異世界の定番のような気もするけど、まあこいつら一体一体は超・弱い。


「えいや!!」


 バシィッツ!!



 ただの木の棒きれで殴るだけで、あっという間に絶命するレベルだ。倒しやすいのだが、モンスターなので体内には魔石がきちんとあり、ここまで弱いのに純度が高く、そこそこ小遣い稼ぎ程度の金額で売れるようだ。



 あっという間に全部ぶっ倒し、とりあえず空間収納の魔法で魔石だけを確保しておく。


 死んだゴブリンたちの死体は、放っておくとアンデッドモンスター・・・「スケルトン」のようなものに変化するらしいので、きちんと火葬を忘れないようにする。




 とはいえ、ここは森の中。下手に引火して森林火災が起きないようにハクロの糸(耐火性能が高い物)で布を作って囲み、火の粉が散らないようにして丁寧に火葬した。


 相手がモンスターとはいえ、ある程度の秩序と礼儀を持つのも冒険者として必要らしいからね。







 そこからてくてくと歩き、20分ほど。


 最初に出てきたゴブリン以外のモンスターを全く見かけない。



「・・・あまりにも出なさすぎなような気がするけどなんでかな?」

「この森って冒険者初心者には優しい森・・・・モンスターが少ないんでしょう」

「いまいちモンスターにとっては感覚的に住みにくい感じの空気。だからさっき見たいなどこでも住みつけるようなゴブリンを除いて、モンスターが定着しにくいのではないかと推測」

「そういうもんかな」


モンスターであるハクロとカトレア曰く、この森ってモンスターにとってはあんまり居心地はよくないようだ。


 人にはわからないけど、そう言う感覚がするからよくどこにでも生息するようなGのごとく、ゴブリンのようなああいう鈍感なモンスター以外は住みにくい様だ。


・・・頭文字ってそういやゴブリンも同じだな。いやなところに気がついてしまったよ。




「そういえば、ネバスコってどういう形状をした薬草だっけ?」

「一応授業でもちらりと出ていましたよね。・・・黒板に絵を描いたあの教師の画力は悲惨でしたが」

「写真は一応教科書に載っていたけど、私ならすぐにわかる。・・・・あの絵はさすがに私でも理解出来なかったけど」


 薬草関係の話が授業で出たとき、その授業担当の先生が黒板にどういう薬草かと言うのを書いていたりしていたけど、ひどい人はひどすぎるレベルだったからなぁ・・・・どこをどうすればあんな絵になるんだろうか。


 タコを書いてイカになり、魚を書いて巨人になる・・・・何が見えていたのだろうか。ちょっと怖い。





「あ、見つけた。これだよ」


 と、やっとそのネバスコをカトレアが見つけたようである。



 形状はまるでネコの顔の様な葉っぱを付けていて、ひげのような綿毛が生えている。


 ・・・某巨大なお化けの乗るねこっぽいバスのような見た目なのは気のせいだろうか。そういえばこの文字を並び替えると・・・・考えるのはやめておこう。



「これを20本・・・結構楽そうな気もするけどな」


 周囲を見渡せばあちらこちらにいくつも生えている。


「これでDランクの依頼ですよね?Fとかはどうなのでしょうか?」

「雑用とかになるんじゃないかな?もしくは警備員とか」


 案外楽に終わりそうである。


「日が暮れる前に確実に帰れそうだな」


 楽そうな依頼だけど、まああまり気を緩めないほうがいいかな。


 とりあえず、俺達は残りのネバスコを集めていくのであった。


 採取した物は空間収納にいれて運べばいいけど、普通に手で持って帰っても良いな。


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SIDE???



「・・・・ふむ、なんとなく感じるでありますな」


 ドべべの森の近くにある草原で、駆け抜ける者がいた。



 自身の本能に導かれてなんとなくでここまで来たのだが、何かに惹かれるような感覚があるのだ。


 

「仕えるべき主君を感じているのか、それともおびき寄せるための罠か・・・・・行って見ればわかることであります」


 そうつぶやき、その者は大地を蹴り上げて走り抜ける。


 自身が惹かれるものが何か、確かめるために・・・・・・・。


今作は少々モンスターのテコ入れをしようかな。

変わった奴が来るのも面白い。

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