閑話 バレンタイン
書いてみたくなった。
そして書いてちょっとツッコミを入れたくなった。
甘い匂いが、この日学園中で漂っていた。
今日はどうやらバレンタインのようだけど、この世界にもあったようである。
ただし、チョコではなく普通のお菓子を渡す行事の様で、そこのところが微妙に異なっていた。
・・・まだカカオとかがないのか?
とはいえ、もらえるならうれしいということは同じであろう。
「と言うわけで、レイ様にお菓子を作ってきました!」
「厨房借りてつくった」
「ありがとう、ハクロ、カトレア」
ハクロとカトレアがわざわざ寮の食堂の厨房を借りてお菓子を作ってくれたようである。
こういう使い魔からもらうのも悪くはないからね。にしてもこのお菓子どうやらクッキーのようである。材料は買っていたのものと、カトレアが栽培した果実を混ぜているらしい。いつの間にと言う感じだけど・・・
「うん、おいしい!」
ほんのりと何かの果実の甘みがして、さくっとした触感が食べやすい。
これでまずいのだったら困るけど、幸いなことにこの二人は料理下手じゃないからね。そして周囲の男子生徒たちの血涙の視線が痛いんですけど。
「ん?そういえばザフォンの姿が見えないような・・」
いつもだったらすでにいても可笑しくはないのだが、あたりを見渡してもその陰見え・・・・ん?
何か塊のような物が接近してきていることにレイたちは気がついた。
「・・・お菓子の山?」
たくさんの袋や包み紙ばかりだが、中身がお菓子であることはその甘い香りから推測できる。
「助けてくれ・・」
と、山の中から声が聞こえた。ザフォンの声の様で、埋もれているようだけど・・・・何をどうしてこうなった?
「ぷはぁ!!死ぬかと思った!!」
「衣服に粘着物が付けられて、その周囲からお菓子を投げられまくってああなっていたのか・・」
救出し、事情は大体わかった。
ザフォンはいつも通り廊下を歩いていたところに、いきなりなにか投げつけられて服にべったりと何かが張り付いたらしい。
そしてすぐに女子達が現れて、手元の物をポイポイポイっとザフォンめがけて投げて、全部吸着してあんな山の状態へとなっていたそうであった。
「確実に受け取ってもらえそうな手段だけど、お菓子の圧力で死にかけるって・・・・ぷっ」
「笑うなよ!!割とシャレにはならないんだぞ!!」
珍しくザフォンが切れたように怒声を上げた。
意外にモテていたようだけど、案外苦労が多いようである。
・・・・なお、この日あと10回以上ザフォンは女子達の襲撃に遭っていたことだけは確かであった。
ヤンデレな人混じっていないか?お菓子の中に割ったら赤い血のような物が垂れてきた物があったんだよね。あれを見たときのザフォンの顔色の悪さと言ったら・・・・・。
俺はハクロたちからだけもらえていいけど・・・・なんか少しは扉前に置かれていたりしたな。
料理下手なキャラを出演させる予定・・・・・まだ先だけど、レベルとしてはどのぐらいが良いのだろうか?




