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スキップ申請の基準

本日2話目

基準があっても・・・・

スキップ申請用の場所へと、レイはギルドの2階へ案内された。


 2階がどうもその専用の場所であるようだけど・・・



「他にも人がいますね」

「はい、一応ギルドでの練習場でもありますので」



 1階の天井と2階の床の間には特殊な金属が挟んであるらしく、そのため床を突き抜けることもないらしい。


・・・・過去に突き抜けた人がいたのが原因なんだろうけど、そこそこ人数がいるね。



「では、少々審査員を呼ぶのでお待ちください」


 案内してくれた職員の方が戻り、審査員の方々を引き連れて戻ってきた。


・・・3つ後のようにそっくりなおじいさんたちである。


「どうも始めまして、スキップ申請のための3審査官をしておりますザンバンです」

「同じくジンバンどぅぇす」

「そして、ズゼバンでーす」

「「「儂ら三人合わせてザジズゼのゾがない審査官!!」」」


「「「・・・・・」」」



まさかのびしっとそろってポーズを決めた爺さんたち。


「元気なおじいさんたちだなぁ・・・・」

「レイ様もツッコミ放棄ですか」

「コメントなしで」

「「「あれ?うけていない?」」」


 若干引くって。元気なおじいさんたちだけど、よく見たら目の色が3人とも違う。


 赤色黄色青色・・・信号機?





 と言うわけで、滑ったような自己紹介をした審査官たちがそろったところで、スキップ申請の手続き開始である。


「さてと、えっと申込書によると、学園5年生のレイさんでよろしいかな」

「はい」


「ふむ・・・そちらの美しいお嬢さんのような使い魔たちを引き連れておる魔物使いであり、魔法でのスキップ申請手続きか・・」

「いやこれ使い魔のモンスターがかなりのやつな時点で魔法でのスキップ申請はいらないのどくぇはぁ?」

「いやいやいや、きちんと手順を踏まねばいけないでーしょ」


 なんか濃いなこの爺さんたち。



「では、魔法によるスキップ申請の様じゃがとりあえずあそこの的を見てくだされ」


 唯一まともそうなザンバンさんが指さした先にあったのは、大きな的である。



「あの的に魔法を当てればいいんですか?」

「うむ、その通りじゃよ」

「ただし、魔道具(マジックアイテム)などでズルをするのは固く禁止されておるのどぅぇす」

「単純な魔法の威力に加えて、命中精度、発動までのスピードなどが審査されーるのです」


 要はただ魔法をうつのではなく、意識してきちんとしたものをやって見ろという事か。



「魔法の種類は的にめがけて撃つタイプなら何でもいいんですか?」

「その通りじゃ」

「基本的に『○○ボール』系どぅぇすね。自信があるのであれば『○○ランス』などのより難易度がある魔法でもいいのどぅぇす」

「多くの属性に適正があるのであれば、そのほかの属性でも可能でーす」



 となると・・・全属性適正あるし、まずはやっぱり魔法と言ったらこれかな。


「『ファイヤボール』!!」


 一瞬で青白くなった火の玉を打ち出し、的に命ちゅ、



じゅわっつ!!


「「「は!?」」」



・・・・・命中して、そこで爆発する前に的を溶かして貫通しちゃった。あ、やべ、熱量ミスった。



 そのまま飛んでいき、壁を貫いてどこかへ去りました。




「「「・・・・・・」」」



 あまりの事に、審査員の方々絶句。周囲で見ていた練習場を使用していた他の冒険者体も同様に驚いた顔になっていた。


「レイ様、少々やり過ぎたのでは?」

「壁を溶かすほどの高温はミス。狙いを定めて圧縮しすぎていた」

「・・・・うーん、熱量をミスったな」



 ハクロとカトレアに、今の魔法の状態を分析してもらった。

 本当は適当にぼかーんとなるかと思っていたけど、よくよく考えると熱量を高くし過ぎたのである。


 学園の方の魔法の練習場の的は実はハクロの糸でコーティングをこっそり行っていたし、ついいつもと同じようにやってしまった。


 威力が高いせいで、うかつに人には撃てないんだよな。グロイ絵面になる未来が見えているし。




「・・・えっと、今のは『ファイヤボール』かのぅ?」

「的が解けてしまったどぅぇすぞ!というか詠唱破棄!!」

「一応、ミスリルの粉末が練られた的だったのでーすが・・・」



 審査員の方々、我に返って一気に驚く。



 いや本当にこれもう別の魔法じゃないかと言われる始末。


 ついでに他の属性系統のもできると言ってみたら、ここが壊れかねないのでやめてくれと言われました。



・・・・結果、ランクとしてはスキップでき、



「・・・したいのじゃがなぁ、これどのあたりがいいと思う?」

「ううむ・・・そもそも使い魔のモンスターもかなりのやつらどぅぇすぞ。アラクネにプリンセスドリアード・・・最低でもCランクあたりが妥当かもしれないどぅぇす」

「かといって、これ迂闊にSSいけそうな行け無さそうな・・・・」



・・・・威力ありすぎて審議困難。


 

 なので、今はまだ学生と言う身分の為、卒業まで本格的な冒険者活動ができないことを考えていったんレイはCランクとされた。


 卒業後にはAにまで一気に上げるらしい。


 それ以上のランクも合うのだが、とりあえずそうなるといきなりすぎて他の冒険者たちからの苦情が押し寄せるかもしれないと説明を受けた。



 そりゃまあ、齢15歳という若さでいきなり高ランクになっても周囲からの反感も大きそうだし、とりあえずいったんそのCランクと言うことをこちらも了承した。


 後日ギルドマスターの方と面談してもらって、そこで卒業後のランク変動についての話をしあうことも決定し、まあとりあえず冒険者ランクCからのスタートとなった。



 うん、とり合えずやり過ぎたと言う結論が出たな。



スキップ申請の制度があるとはいえ、流石にいきなり高ランクに設定するとよからぬ奴らの企みとかに利用されそうで、その若さとか経験の浅さも考慮しての事である。

・・・ある程度経験を積めばいいんだよね?

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