冒険者説明
今回は説明回かな。
設定の見直しやまとめなどもそろそろ行う予定。
・・・ギルドの受付で、レイたちは新規冒険者登録の手続きを行うことにした。
受付嬢が何やらハクロたちを見てから自身の胸元を見て落ち込みそうな顔をしたけど、プロ根性ですぐに受付スマイルに戻ったよ。プロすごいな。
冒険者とは、この世界でまあよくあるテンプレのような職業だがそこそこ稼げるので、お小遣い稼ぎのための副業として利用したりする人もいる。
ただし、登録できる年齢は15歳以上からであるという制約はどこ国でも原則定められていた。
なぜ15歳からと言う理由についてだが、これはある程度のモノの分別を考える力と、モンスターと対峙した時に対処の判断をできる力を考慮しての物らしい。
しかも、年齢のごまかしができないような魔道具が各ギルドに設置されているという徹底ぷり。年齢の詐称はできないようだけど、それだと永遠の18とか言っている人がごまかせないような・・・いや、登録した時点で15歳以上だとわかるか。
ついでに言うなれば、冒険者としての職種もここではっきり決めておくらしい。
魔法使い、剣士、斧使い、鞭使い、ハリセン使い・・・・
「・・・・ハリセン?え、そんな役割をする人がいるのですか?」
「冒険者たちの中にはソロではなく数人で一つのチームとする人達がいるのですが、ボケばかりでしっかりしないといけないチームに対してのギルドからの特別派遣員としての役割なのです」
受付嬢の説明を要約すると・・・・『ボケまくるメンバーに対しての的確なツッコミを必要とするチームがいるから必要とされるときがある役割』と言うことになる。
そんなのいるんかい!!世の中のツッコミ気質な人向けだろうけど・・・・意外に収入もそこそこあるようだ。
・・・どれだけのボケの人がいるんだろう。なんか不安になって来たぞ。
まあ、どうやらこの冒険者としての職種はメインとサブの二つに分けることが可能の様だ。
大剣もサーベルも扱える人や、魔法と棍棒を扱う人、魔法と剣術を扱う魔法剣士のような人だっているだろうしね。ハリセンの人は・・・どっちがメインなのかサブなのか気になるけど。
「俺のメインの職種は『魔物使い』ですね」
「はい、『魔物使い』ですね。使い魔は現在はそちらの二人でよろしいでしょうか?」
「その通りです。こちらがアラクネのハクロ。こっちがプリンセスドリアードのカトレアです」
「ハクロ、カトレアっと・・・・では、サブはありますか?」
「『魔法使い』ですね」
「わかりました」
質問に答えていき、ギルドカードというものが作製されていく。
ギルドカードは単純に言えばその人の身分証明書だ。ギルドが発行するもので、かなり重要なモノらしく再発行するにはかなりの大金が必要になるほどらしい。
これもまたギルドで出される魔道具の一種らしいけど・・・・安心安全絶対信頼なのだとか。偽造は罪である。
まあ、そのギルドカードを発注するために、今こうして登録する人は細かい質問に答えていくんだよな。
さらに、車の免許とかでゴールド免許とかがあったように、冒険者には『ランク』というものが定められており、ギルドカードもそのランクによって色が変化するのだとか。
「ギルドでの冒険者のランクは、低い方からF、E、D、C、B、A、S、SS、SSS、EXです。また、冒険者に出される依頼にも同様のランク付けがされており、出来るだけ今のランクと同等の依頼を受けてもらうことにしてもらっています。ランクが高いほど出される達成報酬額で、金額に換算すると高額になっていきますが・・・出来るだけ同等のランクでないと、かなり大変なことになります」
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F:平均=銅貨約1枚
E:平均=銅貨約5枚
D:平均=銀貨約5枚
C:平均=小金貨約1枚
B:平均=小金貨約5枚
A:平均=金貨約5枚
S:平均=大金貨約1枚
SS:平均=大金貨約5枚
SSS:平均=星金貨約1枚
EX:平均=星金貨約10枚
*地球の日本貨幣で換算
小銅貨=一円
銅貨=十円
銀貨=百円
小金貨=千円
金貨=一万円
大金貨=十万円
星金貨=百万円
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大雑把に見るとこのようなモノらしい。
というか、EXとFでの依頼達成報酬額の差って物凄いな。それだけ依頼内容も難しいものになり、出来るだけ釣り合ったものにしないと冒険者側が損をしてしまうわけだ。
とはいえ、これはあくまでも平均であり、実際には結構な変動もあるようだ。
「本来は最初に入る方々はランクFから始まりますが、『スキップ申請』というものがあります」
「えっと、ランクを早期にあげられる奴でしたっけ」
「はい、実力とかも確かめられて、そこからですが・・・・」
『スキップ申請』はギルドが冒険者たちに特別に施すランクを上げるシステムである。なにせ実力がある人もない人もまとめて同時点からスタートでは効率が悪い。
そのため、どれだけの実力があるのかギルドの練習場で、審査員に見てもらって、ある程度見合ったランクから冒険者を始められるようになるシステムが作られたのである。
一応、不正はできないようになっているらしくきちんと審査されるようだけどね。
なんでも昔ランクを無理やり上げろとか言うバカ貴族がいたそうで、超ガッチガチに固めたそうな。
「うーん・・・スキップ申請をするメリットとデメリットはありますか?」
「メリットしては、実力に見合ったランクから冒険者を始められることです。デメリットとしては・・・・まあ、よく問題を起こすような大馬鹿な人たちに絡まれやすくなるぐらいですかね」
「なるほど」
スキップ申請してもFからだったり、冒険者になって結構経っているのに中々ランクが上がら荷様な人たちが嫌がらせを仕掛けてくる可能性があるのだとか。
「あと、冒険者として経験が浅いとみられて、新人いびりをしようとする者も出ると思われます。まあ、見つけ次第ギルドの『お仕置き部隊』ゲフンゲフン、特務官たちが厳重注意などの処分をいたしますが」
今一瞬何か咳払いをしてごまかさなかった?
そして、話をこっそり聞いていた周囲の冒険者たちのうち、その特務官とやらにお世話になったらしい人がびくっとしたぞ。
「スキップ申請・・・・では、受けることにしたします」
「はい、ではスキップ申請の手続きのためにあちらの専用場の方にどうぞ」
スキップ申請を受けることにして、レイはそのスキップ申請用の場所へ案内されるのであった。
ハリセン・・・・・アダマンタイトやダイヤモンド、オリハルコンの合金ハリセンを持っている人がいるとかいないとか。




