13歳となりましたけど
本日3話目
・・・月日は流れ、学園に入学してから3年経った。
レイは13歳となって3年生にもなり、今はもう絶縁しているので兄と呼ばなくても楽になったバルトとザッハは・・・・。
「・・・さすがにもう無理だったんだろうな」
バルト17歳、ザッハ16歳・・・・年齢的にはもう成人扱いである。
というかバルトがすでに留年し続けて17歳で1年生ってそこまで持ったのが不思議なぐらいである。
そして、嫌に高かった阿呆なプライド的には限界が来たようで、ようやく学園を去ったようであった。
ザッハの方もバルトと同じく、すぐに去った。
一応17歳までバルトが残ったのだから、あと1年はやるのかと思っていたけど・・・コバンザメのように一緒についていったな。
これで、学園卒業と言う業績を残せずに中退をした貴族家の長男と次男の出来上がりだ。
でも、逆ギレしてきてこっちにあたってきそうなものだけど、きちんと3年前の決闘の時通りもう突っかかってこなかった。
きちんと約束を守れているぐらいなのだから、それを勉学に活かせと思うな。もう手遅れだけど。
「そういえば、貴族が当主を継ぐタイミングってどうなのだろうか?」
ふと、気になった。本来なら15歳で成人扱いになるけど、すぐに継がされるというわけでもないはずだよな。
なので、こういうことはよく知っていそうなザフォンに聞いてみた。なお、いまだに周囲からは王族とバレていないらしい。すぐにばれそうだと思っていた予想を裏切られた感じだよ。
「貴族が当主を譲り渡す時期か?」
「ああ、15歳で成人のような扱いにされるけど、すぐに渡されないだろう?」
「まあそりゃそうだ。まだ経験が浅いからって言う理由があるから、実質的には数年は領地にとどめられてその状態をよく学ばされるはずだ」
なお、そのあたりの事を教えてくれる授業は本来は4年生のころに「貴族学」とかいう科目が増えて、貴族の子供たちが受けさせられるらしい。
まあ、俺はもう絶縁しているので受ける必要はないけどね。
そして、その科目だがザフォンは城にいたときの家庭教師の人にすでに教えてもらっているそうだ。王族の英才教育すごいな。
「まず貴族として大事なのは金でも権力でもなく、その領地にいる人たちのことが大事だと言われる。そういう下で働く人あっちがいるからこそ、上の方にいる貴族たちは助けられている。だから、どこかで境界線を引いてうまい事付き合っていく必要性があるんだよ」
「そこで、領地に戻ったら領民たちの現状を数年かけて学ぶことになると」
「そういう事さ」
貴族学はその領地の事を学ぶ前に基礎知識を叩き込むものなので、あとはその継がされる子供たちは領地を自身の目で見て学ばされる。
フィールドワーク・・・って言うのかな?
「で、そのへんの教育とかもあってほとんどは無事に貴族の当主を継いで、領地の経営をしていくんだよ」
「ほとんど・・・と言うことは」
「察しがいい通り、ここで次期当主争いが起こって暗殺されたり、傀儡のように良いように操って実権を握るなんてこともあるからね。根が腐った奴とかがやりそうなものだよ」
傲慢さとかがある者たちが台頭されると、領地は大変なことになりやすい。
貴族の特権と称してひどいことをやるやつも出たりするので、そこは国にとって気が抜けないんだとか。
「腐敗というものはどこかしらから必ず出てくる。そこから病巣のように国をむしばむことがあるからね・・・・」
そのため、処罰なども厳しいものにしているのだが、それでもやはり面倒な人たちが多く出る。
「貴族階級って大変だよなぁ・・・」
「レイ様はもう抜けていますから大丈夫ですね。腐れとは縁が切れましたよ」
「人同士の争いはモンスターから見れば滑稽ですね」
思わずつぶやくと、ハクロとカトレアがなかなか辛口なコメントを返した。
これにはザフォンも苦笑いだ。
とにもかくにも、もうあと2年でやっと冒険者登録が可能になる。
絶縁した家の事を忘れて、俺は俺の人生を生きようと改めて思うのであった。
年を進めていってすぐに15歳にしないのは、まだまだ学園でのイベントがあるからである。




