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数日後

単純明快にしていきたいかな。

 ハクロが使い魔となって数日、レイはいつものように森に行き、ハクロと共に行動をしていた。


 魔物使いとその使い魔は互にどうやら関係が成り立つようで、レイの方は身体能力が向上したようで体が軽くなり、ハクロの方はと言うと・・・・・



「『アイスボール』!!」

「フィンガーネットです!!」


 レイがいくつもの氷の球を飛ばし、ハクロは手から素早く糸を出して網にしてすべて捕まえる。


「うわぁ・・・魔法を捕らえる網って出来るようになったんだね」

「なんでかできますよね・・・・レイ様の影響ですよねこれ」


 魔法への耐性が向上したようで、創り出す糸の魔法に対する耐性もかなり向上し、魔法を捕らえられるようになっていた。


 あくまでこうやって形あるものに対してのみであり、水だけ発射する「ウォーター」とかは網の隙間を取潜り抜けるけどね。


 水も漏らさぬ細かい網目ならいけるか・・・・?



 まあ、ハクロ自身もどうやら素早い動きができるようで、ラケットをちょっと作ってもらって・・・・・




「『ファイヤボール』!!」


 ・・・・単純な炎の魔法で、火の玉を飛ばす魔法であるが俺の場合一気に12個ほど出して、さらに前世の知識も活かして改良(この場合本当の意味での魔改造?)して威力が大幅アップしたものをハクロに向かって撃った。



「怖いですけど打ち返します!!」


 すばやくハクロが糸などを起用に使って全弾ラケットによってはじき返してきた。



「『ウォーターボール』!!」


 打ち返されてきた魔法を、さらに俺が水魔法によって出た水の弾で対消滅させる。


 命中精度と、数の多さのコントロールが一気に両立して練習できるからいいね。


 ハクロも結構素早くて、視力もいいようで全部打ち返してくれるし、これで自分の魔法でだいぶ練習できるよ。


 ハクロの方も次第に魔法を打ち返すことに抵抗がなくなってきたようで、ちょっとしたテニスの試合みたいで楽しくなった。



「それそれそれ!!」

「甘いですよ!!」

「なんの!!」


 魔法を放ち、ラケットでハクロが撃ち返し、それを魔法で消し去る。


 その繰り返しだけど、楽しくなってきてここ最近の俺たちのブームとなるのであった。







「ふぅ、良い汗かいたな」

「そこそこ運動になりますし、結構良いですね」


 互いに汗を拭くころにはすでに夕方であった。



 慌てて家に戻り、僕らは風呂へと直行する。



 さすがは貴族の家だけあって、風呂も広いから二人で入れるんだよね。


・・・見た目5歳児だからたぶんまだセーフ。でもすぐに別になりそうだけど。


 ハクロの方は羞恥心が人並みにあるようで、自身の糸で作ったタオルで隠していたけどね。


でもね、この家の家族って風呂に入るのって父と俺たちぐらいで、兄二人は週に1回ぐらいしか入っていないんだよな・・・・・風呂ギライらしいし、臭いぞ。



 そういえば、ハクロが来た初日に兄がよこせとか言っていたけど、父が鉄拳制裁をして黙りました。


 ちょっとざまぁと思えたし、ハクロの方もくすっと笑っていたな。




 まあでも、ハクロが来てから毎日がより楽しくなったな。うんうん、使い魔としてではなくて、なんかこう・・・・下僕?


「もっと良い言い方はありませんかね?」


 そのつぶやきを聞いたハクロは、微妙な顔を浮かべたのであった。


「あ、ごめん・・・・じゃあ家族かな?」

「家族ですか・・・ええ、それが良いですね」


 言い直したらすぐに明るい顔になった。


 結構きれいな顔だからドキッと来るよ。



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SIDE国王ガウン・フォン・ストラクト



・・・ストラクト王国の首都ヴァルガスにあるストラクト城にて、国王であるガウンは自室で手紙を読んでいた。


 差出人はデーン・フォン・アルス伯爵。


 ガウン国王の古くからの友人であり、宮廷魔導士を辞職し、自身の推薦によってアルス地方の領主をやってもらうために伯爵の地位を爵位し、たまにこうして手紙のやり取りをやっている。


 そんな中で、久々に届いた手紙にガウン国王は心を躍らせた。


 親友でもあり、気の合う友人でもあったデーン。


 彼が書く手紙の内容はいつも愉快痛快なものが多く、彼の子供についての話も面白おかしく、悩み事に関しては真面目に書かれているのである。



 そして、手紙の内容を読み進めるうちにガウン国王は驚く。


 デーンの息子の三男であるレイと言うまだ5歳の年端もゆかぬ少年が、魔物使いの才能があったという連絡であった。


 ついでに、レイが魔法を自身の書斎から独学で学んでいるらしいとかいう報告もあったが、そんなことよりもその使い魔となったモンスターにもガウン国王は驚いたのである。



「・・・容姿が美しいアラクネか」


 モンスターについての知識も、王たるもの持つべきだと若き頃からその知識を頭の中に叩き込んでいたガウン国王。


 そして、当然アラクネと言うモンスターについても知っていた。


 そのモンスターが生み出す糸は高級な素材として高値で取引され、見た目が麗しいものは過去の乱獲によって数が激減して出会うのがほとんど難しくなったモンスターである。



 しかも、内容によるとそのアラクネ・・・・ハクロと名付けられたようだが、その容姿は美しく、見る者が見れば誰もが振り向くような美貌を持っているようである。


 そして、そのようなアラクネは総じて知能が高いようで、普通に会話が可能であるらしい。



 さらに、レイとの契約の影響か、互に及ぼし合っているせいでどうやら魔法に対する耐性が高くなっているようで、実力もかなりあるらしい。



・・・・魔法に関して、レイはどうやらほとんどの属性を仕えるようだと追記されており、それはつまりハクロの方も全属性に対しての耐性ができていると考えられた。




 ガウン国王自身はこの話に興味を持ち、お忍びで出かけて直接見てみようかと、準備をし始めるのであった・・・・・。




この国王、フットワークが軽いとかいう印象があるな。

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