2年生となりまして
冬を越しまして
春が来て、レイは2年生へと進級できた。
ザフォンも進級をしていたのだが・・・・・うん。
「大体の予想はすでについていたんだよね」
「というか、まあ賭けでも成立していない状態だったからな・・」
「そんな賭け事があるのも驚きですけどね」
「あまり儲からない」
・・・・案の定というか、なんというか、バルトとザッハは今年も進級できずに留年決定。1年生のままで俺達の方が学年が上になったのである。
というかバルトよ、お前今年で15歳だろ。普通なら卒業する歳だぞ。
貴族の体裁的にそれでいいのかと思うのだけれども、中退扱いよりはまだましな扱いになるんだとか。いやもう手遅れなような気がするんだけどね。
しかも賭け事にまでなっていたようで、ほとんどが「進級できない」にかけていたからあまり成立しなかった。
残念無念。ここで大勢が「進級できる」にかけていればよかったのだが・・・
「確実にダメだとわかりきっているものに賭けるやつがいるのか?」
「「「・・・・」」」
ザフォンのその一言に、全員納得がいった。そして、結構残酷な一言のようにも受け取れた。
まあ、絶縁したから他人なのでそんなに気にしなくていいかな。
でも将来を考えるとアルス領地は大変だろうなー。父さんは悪くはないけど、どう考えても破滅の未来しか見えないような気がする。
「ふと思ったけど、無能な貴族が当主になってしまった時って国はどうするんだ?」
「調べたうえで、もうダメダメすぎるなら証拠をそろえ切った後にこれだこれ」
隠しているけど、この国の王族でもあるザフォンに尋ねると、ザフォンは首を斬るかのような動作をした。
ああ、物凄くわかったよ。分かりやすかったよ。将来マジ不安だろうな。
2年生となると、下の方に後輩たちもできる。
先輩とか呼ば・・・
「ハクロさんおはようございます!!」
「カトレアの姉さん今日もきれいですね!!」
「歌を作ってみたので聞いてくださいハクロさんとカトレアさん!!」
・・・・・ハクロたちの方に後輩たちの人気が集中したよ。
「・・・まああれだ、お前も顔は悪くないのかもしれないけど、見た目で言うならあいつらの方がな」
「・・その慰め方はちょっと心になぁ」
ザフォンがポンと肩に手を置いてくれたけど・・・
悲しいとは思っていないよ。俺よりもハクロたちの方が人気出ても別にいいよ。
・・・でもさ、使い魔の方が人気ある魔物使いってどうなのだろうか。
かなしみの なみだのかげには つかいまが やはりひとはな みためできめる
レイ:心の俳句
・・・モンスターでも、見た目が重要ですかそうですか?
一応設定的にはレイの外見はまだ子供です。




