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冬休み明け

本日2話目

冬を乗り切って・・・

それからしばらくたって、学園が始業式を迎えた。


 冬休み明けだが夏休みほどボケる人はいなかったのだが、レイたちが貴族籍が抜けたことはちょっとした噂になっていた。


 ハクロやカトレアを従えているため、その動向を探る人もいたようなので、この冬にレイたちがもともとの家と絶縁した情報が入ったのである。


 



・・・・学園内に喫茶店がある。


 生徒たちがそこで昼食を取ったり、おしゃべりを楽しんだりして過ごすために作られたという小さな喫茶店だ。


 また、将来の就職などを考えている生徒のために、ここでバイトして経験を積むことができるようにされており、誰でもここでバイトが可能であったのでレイたちはここでバイトをし始めてみた。


 魔法の授業をレイは免除されているので、その時間内でバイトをすると言う条件で働いてみている。


 あと、ハクロとカトレアの場合は使い魔なのだが、快く雇ってもらえていた。



・・・でもね、ここで二人の人気のすさまじさが目に見て取れたよ。


「めっちゃ満員じゃん」


 普段はそこまで人が入っていないはずなのに、ハクロたちが働き始めた途端にあっという間に店内がいっぱいになった。


 しかも長蛇の列ができてしまっているよ。


 

「こっちにも来てくれー」

「こういう時ぐらいしか話しかけるタイミングがないんだよな」

「いいね、ここで俺も働きたいわー」

「ああ、いいなぁ、あの揺れかたとか、見えそうなラインとか・・」

「うぃぃぃぃぁぁぁぁぁぁあ!!」

「はぁはぁはぁはぁ・・ふひー!!」


 後半の人たちがなんかおかしい!?


 要注意人物・・・ブラックリストとかに入れておくべきだろうか?



 とにもかくにも、繁盛したのでバイト代が向上してこれだけでも大丈夫な感じがするのであった。


 でもさ、ハクロたちに渡されたバイト代の方が多くない?俺の3倍はあるぞ。



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SIDEデーン・フォン・アルス



「何?それは本当か」

「はい、今年はまずい年になるかと・・・」


 アルス地方の元レイのいた家の書斎にて、デーン伯爵は領地の今年の税収の予想を計算していたのだが、領民の代表者が訪ねてきてとある報告をしてきた。


「なぜかモンスターが最近急にこのあたりに出没してきて、まだ種を植えていないのでそこまでではなかったのですが、畑を荒らしていきます」

「モンスターか」

「はい。後、なぜか土地の状態が去年よりも悪く、今年は凶作になる可能性があることを先にお伝えしに来たのです」


 このままだと種を畑にまいてもモンスターに荒らされる可能性があり、土壌の状態も悪化しているので例年以下の実りしかないだろうという事である。



「なぜ急にここまで一気に事態が深刻化してきたのかが不明で、このままだと今年は餓死者が出る可能性が・・・」

「ふむ・・・わかった、減税の事も考慮に入れておく。領民が減るとこちらとしても困るし、生きていてもらわないとな」

「わかってくださりありがとうございます」


 深々と領民の代表者は頭を下げて、部屋を出ていった。



「・・・・はぁ、まさかこうも早く影響が出るとはな」


 デーンは椅子に座り、深いため息をついた。


 なお、正妻のアレクサンドリはすでに子供たちがいないので家から出て実家の方に別居している。



「レイがこの家と完全に絶縁したという書類が届き、どれから1年もたつ前にすでにお先が真っ暗だ」


 冬の間に届いた書類には、都市の方でレイが絶縁手続きをしたという書類があり、完全に自分たちと縁を切ったことをデーンは受け入れた。


 だが、レイの影響はやはり大きかったのであろう。



 レイの魔力が膨大だったのか、それに警戒していたモンスターたち。


しかし、レイがこことは縁を切ってその影響力もなくなり、今まで抑え込んでいた分だけ一気に出てきたようにデーンは思えた。


 また、レイの使い魔であるハクロとカトレア・・・・彼女たちの影響も少なからずはこの領地にある程度の影響を与えていたのだろう。


 特に、恵みをもたらすというプリンセスドリアードであったカトレアの影響力が一番あるのだろう。


 恵みをもたらす存在・・・それが見放せば恵みは消える。


 いや、むしろ悪化させて・・・今回の土壌の質の悪化につながった可能性も否定はできなかった。




・・・復縁して、何とか関係を修復して立て直すという手段もないことはない。


 ただ、絶縁は片方だけの了承で出来るのだが、復縁は両者の合意がないとできない。


 

 それに、レイ自身はもうここに戻ってくる気はないだろうし、あの正妻や息子たちも嫌がるだろう。


 これから先どうなるかを考え、ガウン国王にどうすればいいのだろうかと言う相談を手紙に書いて出すのであった・・・・・




歳月を進めて次は2年生かな。


まあ、影響力がないのが普通の領地の状態なのかもしれない。数年もすれば落ち着くのかもしれないけど、レイがいたころよりは悪化すると考えればいいのかな。

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