面倒なのは避けたいね
ちょっと短いかな
家に到着し、馬車が停止する。
馬車からレイたちが下りていたが、先にバルトとザッハが下りて家の中に入っているようだった。
「ただいまです母上!」
「あららら!!久しぶりに帰って来たねぇ可愛い息子たちよ!!」
・・・外から聞こえるのは父さんの正妻の人であり、バルトとザッハの母親の声である。
普段は正妻のこの人は別居しているようだけど、超久し振りにバルトとザッハが家に帰ってくる連絡を受けて珍しく家に帰ってきているようである。
「・・・森の方へ行くか」
「あー・・・レイ様あの人思いっきり嫌いですからね」
名前も呼ばないけど、正妻ってだけで、妾とは格が違うと思っている人である。
いや、父さんは結構まともな人格者だよ?でもあのおばさんはなぁ・・・凝り固まった選民主義と言うか、どうして父さんの正妻の座にいるのやら謎が多いんだよな。
妾の立場にいる母さんの方は・・・・いないようだ。
場所もわからないし、よくよく考えてみれば会ったことがないような・・・・。まあ、それでも別にいいかな。元から会ってなければ悲しいとは思わないからね。
「すごいいいようですけど、なんとなく理解ができます」
勘で察したのか、カトレアがうなずく。
子は親の背中を見て育つ・・・・父さんの背中を見ているけど、あのバルトとザッハはどっちかと言えばその母親の方の背中を見ているからね。
父さんに挨拶せずに森の方へサッサと向かうけど、下手すりゃあのおばさん確実に家に居つき続けそうだな。バルトとザッハがいるし、うるさい者からは遠ざかったほうがいいからな。
家の中に入らずに、俺達はその裏の方の暴君の森へサッサと向かうのであった。
念のために、父さんの方に最近習得した伝達魔法とやらでそのことを伝えておく。
指定範囲が限られるけど、指定した人に声を届けることができる留守番電話の魔法版ってところかな。結構便利だし、いたずらにもつかえそうである。
この冬の間中は、めんどくさそうな人たちに迷惑をかけられそうであった・・・・。
主人公の母親の話とかはまだまだ後の方に出すかな。
バルトとザッハのあの偉そうにしている小物臭は母親譲りなのかもしれない。




